実話怪談・短編集◆とほかみ◆

茶房の幽霊店主

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◆幽霊を轢いた◆

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2025年7月7日。プレオープンの際、ご来店されたお客様の体験談です。
※(プライバシー保護のため地域・固有名詞などは伏せています)



【トラウマとなった事故】


『幽霊をいたことがあるんです』


予想できない言葉で店内はざわつきました。
あなたは【幽霊】って、どういった存在だと想像します?
肉眼で見えない存在? 物理法則を無視できる存在?


※※※※※


車で目的地へ移動中、隣の助手席には友人。
視界を遮るようなものはなく、見通しの良い一本道で他愛もない会話をしながら車を走行させていると、突然、何の前触れもなく目の前へ男性が飛びだしてきました。

慌ててブレーキを踏むものの、車全体へ強い衝撃が走ります。

人を轢いてしまった。

全身の血の気が引き冷たくなる感覚。
頭の中が真っ白になりましたが、男性を救助するため車から降り辺りを見渡します。

しかし、何処にも姿がありません。
対向車もなく割とスピードが出ていたため、遠くまで吹き飛ばされてしまったのかもしません。

隣の友人も男性が飛び出してくるのを目撃していたので、即、警察へ電話。
状況を説明しました。

しばらくしてから警察官が到着し、再度男性を探しましたが……。

何処にもいないのです。

車の前部分、バンパー、ボンネット、フロントガラスにも破損個所は見当たらず、血痕その他、何の痕跡もない。

『友達も男性を見ています』

警察はアルコール検査をし、もちろん何も検出されません。
飲酒運転などしていません。二人とも完全なしらふ状態なのですから。

事故発生からかなり時間が経過していたので、一度帰宅するよう 言われ、
男性の捜索は警察によって続けられていたようです。

その後、警察署から再び連絡を受け追加で薬物検査を受ける事に。
証言しているのは友人関係の二人、薬物使用を疑われていたのです。
当然ながら、薬物反応はありません 。

結局、【車に轢かれた男性】は見つかりませんでした。
最初から、その存在がなかったかのように。

友人と見たあの男性は何だったのか。幽霊、だった?


※※※※※


『その出来事があってから怖くて車に乗れなくなりました』
『え。でも、今は車に乗れているのでしょう?』
『立派なゴールド免許です!ペーパードライバーですが』

どらやらこの一件、お客さまのトラウマとなってしまったご様子。

道は見通しが良く、視界を遮るものもない。
そこでスピードを出す車が多く、そのためか、接触事故が多いそうで。
消えた男性は、かつてその場所で命を落とした誰かだった、のかもしれません。
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