17 / 25
3歳になった僕と、影の進化? 1
しおりを挟む
授業の後、闇属性かもしれない不安から体調を崩し、しばらく寝込んでしまった。
その間、皆が代わる代わる様子を見に来てくれたのは嬉しい。でも、話も出来ないほど調子が悪いのは辛かった。
お父様、お母様、お兄様に心配かけて、悲しい顔をさせてしまったのが一番辛い。
どうにもならない事をずっと悩んでいた。その時が来るなら、今は楽しく過ごした方が良いんじゃないか?
ようやくそこに行き着いたら、心が軽くなって体調がどんどん良くなっていった。
そうして元気を取り戻し、日々過ごすうちに僕は3歳になった。
変わった事といえば、体力が付いたこと。屋敷の中ならもう抱っこ無しで歩ける。
あとは影収納。物の出し入れが早く出来るようになった。勿論誰にも見られないように気を付けている。
魔法の本はまだダメで、調べられていない。だから僕の属性は謎のまま。でもそんなに悲観してないから大丈夫。
考え事をしていたら、背中にゾクッと寒気を感じ、反射的に振り返った。
「セバス、くるならふつうにきてよ。」
音もなく背後に立っていたセバスに文句を言う。少し前から時々こういう事をされるんだよね。もしかして僕で遊んでる?
「遊んでる訳ではありませんよ。これも気配を感じとる訓練の1つです。」
本当かなぁ~?ジトっとした目でセバスを見た。
「本当ですよ。クリス様にも同じようにやっていますから。やはりアレン様の方が反応が早いですね。」
それならまぁいいけどさ。あ、今日フィーの手作りクッキー食べたよ。美味しかったなぁー。セバスはもらった?
「……いえ。」
スッと気配と表情を消したセバスは、フィーの横へ素早く移動すると、耳元で何か話をする。
多分クッキーの事聞いてるんだろうな。ニマニマしながら2人の様子を見学した。
少しすると、フィーが耳を赤くして何度も頷いたのが見えて、セバスが戻ってきた。
心なしか嬉しそうな感じが伝わってくる。
クッキー後でくれるって?良かったね、セバス。
「そうですか……。今日の訓練は厳しくした方が良さそうですね。」
周囲の温度が一気に下がった。わぁー!遊んでごめんなさい!
「ちゃんと声に出して言ってください。」
「ごめんなさい。」
冷たい空気が和らぎ、フゥと溜め息をつく。
「少し厳しい程度にしておきます。」
謝ったのに……。良いもん、後でフィーに癒してもらうもん!僕の特権だし。
「……チッ。」
僕にしか聞こえない舌打ち。怖っ。本性出ちゃってるよー。
「アレン、おまたせ。ちょっときがえにじかんかかっちゃった。」
「ぼくもきたところだから、だいじょうぶだよ。」
はぁー、お兄様は癒し系だね。一気に空気がホワァッと柔らかくなった。お兄様を見ると顔が自然に笑顔になっちゃうよね!
「先程のマナーは良く出来ていましたから、剣術も頑張りましょうね。」
「「はい!」」
最近セバス先生による、マナー講座、剣術講座が始まった。出来るレベルを見極めているので、頑張ればクリア出来る。だから、達成感があるし、楽しい時間だ。
セバスの補佐として、フィーも手伝っている。2人の模擬戦闘を見た時は、凄すぎて背筋がゾクゾクした。後で聞いたら、力の1割くらいしか出してないらしい。本気も機会があったら見てみたいな。
「今日は棒を2本持って打ち合いをします。クリス様はフィーと、アレン様は私と。1回体のどこかに当てれば終わりとします。」
フィーとお兄様は、少し離れた場所で打ち合いを始めた。お兄様が打ち込む分だけ、カンカンと音が響く。
「アレン様、余所見とは余裕ですね。予定よりもさらに厳しくしましょうか?」
絶対根に持ってるでしょ!?忘れてるとおもうけど、僕まだ3歳なんだからね!
「……まぁそうか、3歳でしたね。3歳相手に少し大人気なかったです、ね!」
急に打ち込まれて、咄嗟に両手に持った棒で受け止めた。あ、危なかった……。
「ほぅ、少し殺る気でやったのに、さすがアレン様。とても3歳とは思えません。だから、子ども扱いしなくて良いですよね。」
セバスは冷たく楽しそうに、ニヤッとした微笑みを浮かべ、攻撃が始まった。
うわぁ、その顔怖いから!
カカカン!棒1本しか持ってないのに、あちこちから満遍なく打ち込まれる。痛いのは嫌だから、必死に棒を当てて防ぐ。
勿論手加減してくれてるだろうけど、休む間も攻撃の間も無い。完全に根に持ってるじゃん!
足音も無い攻撃に、僕はもう息も上がりヘトヘトだ。お腹への攻撃に、反応がわずかに遅れてしまった。
「うぐっ!」
防ぎきれず腹部に激痛が走る。立ってられず、倒れこんでしまった。
「い、いたい……。」
悔しいけど、痛くて動くことが出来ない。
「キャー!アレン様!」
無惨な姿に気付いたフィーは、打ち合いをやめて僕に駆け寄った。
「アレン様!お腹ですか!?すぐ回復しますから!」
フィーが手をかざし『ヒール』と唱えると、お腹が温かくなり、痛みが消えていった。
「ふぅ、痛くないですか?」
「うん、ありがとう!」
僕復活!フィーのお陰で助かった。
「セバスさん、いくらアレン様が優秀でも、これはやり過ぎです!まだ子どもなんですよ!ちゃんと手加減してください!」
その間、皆が代わる代わる様子を見に来てくれたのは嬉しい。でも、話も出来ないほど調子が悪いのは辛かった。
お父様、お母様、お兄様に心配かけて、悲しい顔をさせてしまったのが一番辛い。
どうにもならない事をずっと悩んでいた。その時が来るなら、今は楽しく過ごした方が良いんじゃないか?
ようやくそこに行き着いたら、心が軽くなって体調がどんどん良くなっていった。
そうして元気を取り戻し、日々過ごすうちに僕は3歳になった。
変わった事といえば、体力が付いたこと。屋敷の中ならもう抱っこ無しで歩ける。
あとは影収納。物の出し入れが早く出来るようになった。勿論誰にも見られないように気を付けている。
魔法の本はまだダメで、調べられていない。だから僕の属性は謎のまま。でもそんなに悲観してないから大丈夫。
考え事をしていたら、背中にゾクッと寒気を感じ、反射的に振り返った。
「セバス、くるならふつうにきてよ。」
音もなく背後に立っていたセバスに文句を言う。少し前から時々こういう事をされるんだよね。もしかして僕で遊んでる?
「遊んでる訳ではありませんよ。これも気配を感じとる訓練の1つです。」
本当かなぁ~?ジトっとした目でセバスを見た。
「本当ですよ。クリス様にも同じようにやっていますから。やはりアレン様の方が反応が早いですね。」
それならまぁいいけどさ。あ、今日フィーの手作りクッキー食べたよ。美味しかったなぁー。セバスはもらった?
「……いえ。」
スッと気配と表情を消したセバスは、フィーの横へ素早く移動すると、耳元で何か話をする。
多分クッキーの事聞いてるんだろうな。ニマニマしながら2人の様子を見学した。
少しすると、フィーが耳を赤くして何度も頷いたのが見えて、セバスが戻ってきた。
心なしか嬉しそうな感じが伝わってくる。
クッキー後でくれるって?良かったね、セバス。
「そうですか……。今日の訓練は厳しくした方が良さそうですね。」
周囲の温度が一気に下がった。わぁー!遊んでごめんなさい!
「ちゃんと声に出して言ってください。」
「ごめんなさい。」
冷たい空気が和らぎ、フゥと溜め息をつく。
「少し厳しい程度にしておきます。」
謝ったのに……。良いもん、後でフィーに癒してもらうもん!僕の特権だし。
「……チッ。」
僕にしか聞こえない舌打ち。怖っ。本性出ちゃってるよー。
「アレン、おまたせ。ちょっときがえにじかんかかっちゃった。」
「ぼくもきたところだから、だいじょうぶだよ。」
はぁー、お兄様は癒し系だね。一気に空気がホワァッと柔らかくなった。お兄様を見ると顔が自然に笑顔になっちゃうよね!
「先程のマナーは良く出来ていましたから、剣術も頑張りましょうね。」
「「はい!」」
最近セバス先生による、マナー講座、剣術講座が始まった。出来るレベルを見極めているので、頑張ればクリア出来る。だから、達成感があるし、楽しい時間だ。
セバスの補佐として、フィーも手伝っている。2人の模擬戦闘を見た時は、凄すぎて背筋がゾクゾクした。後で聞いたら、力の1割くらいしか出してないらしい。本気も機会があったら見てみたいな。
「今日は棒を2本持って打ち合いをします。クリス様はフィーと、アレン様は私と。1回体のどこかに当てれば終わりとします。」
フィーとお兄様は、少し離れた場所で打ち合いを始めた。お兄様が打ち込む分だけ、カンカンと音が響く。
「アレン様、余所見とは余裕ですね。予定よりもさらに厳しくしましょうか?」
絶対根に持ってるでしょ!?忘れてるとおもうけど、僕まだ3歳なんだからね!
「……まぁそうか、3歳でしたね。3歳相手に少し大人気なかったです、ね!」
急に打ち込まれて、咄嗟に両手に持った棒で受け止めた。あ、危なかった……。
「ほぅ、少し殺る気でやったのに、さすがアレン様。とても3歳とは思えません。だから、子ども扱いしなくて良いですよね。」
セバスは冷たく楽しそうに、ニヤッとした微笑みを浮かべ、攻撃が始まった。
うわぁ、その顔怖いから!
カカカン!棒1本しか持ってないのに、あちこちから満遍なく打ち込まれる。痛いのは嫌だから、必死に棒を当てて防ぐ。
勿論手加減してくれてるだろうけど、休む間も攻撃の間も無い。完全に根に持ってるじゃん!
足音も無い攻撃に、僕はもう息も上がりヘトヘトだ。お腹への攻撃に、反応がわずかに遅れてしまった。
「うぐっ!」
防ぎきれず腹部に激痛が走る。立ってられず、倒れこんでしまった。
「い、いたい……。」
悔しいけど、痛くて動くことが出来ない。
「キャー!アレン様!」
無惨な姿に気付いたフィーは、打ち合いをやめて僕に駆け寄った。
「アレン様!お腹ですか!?すぐ回復しますから!」
フィーが手をかざし『ヒール』と唱えると、お腹が温かくなり、痛みが消えていった。
「ふぅ、痛くないですか?」
「うん、ありがとう!」
僕復活!フィーのお陰で助かった。
「セバスさん、いくらアレン様が優秀でも、これはやり過ぎです!まだ子どもなんですよ!ちゃんと手加減してください!」
0
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します
冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」
結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。
私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。
そうして毎回同じように言われてきた。
逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。
だから今回は。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる