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1歳の誕生日 4
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お母さんが小さい黒板のようなものと、白い棒を持ってきた。
「これは文字や絵が書ける魔道具よ。書く時はこの白い棒で書くの。消す時はこうして手で表面を撫でるだけで消えるわ。何度でも使えて壊れないから子ども達に人気なのよ。」
へー、前世の黒板が便利になったようなものかな。もしかしたら、僕の他にも転生した人が居るかもしれない。
「アレン、何か書いてみたらどうだ?」
黒板を渡され、少し考える。お花を書こうかな?棒を持ち、書こうとするが手が上手く動かせない。何とか書き終え、お父さんお母さんに見せた。
「まぁ、これはお花ね。1歳でこんな上手に絵を書けるなんて、凄いわ。」
「天才かもしれないな。」
「あーと。」
下手だと思ったのに、1歳だとこれは上手な方なのかな?ちょっと照れてきたから、表面を撫でて絵を消した。
「アレン。」
「にーに!」
どこかに行っていたお兄ちゃんが戻って来た。クリスは後ろに持っていたプレゼントをアレンに渡した。
「おたんじょうびおめでとう。ぼくからのプレゼントだよ。」
「あーと!」
可愛い熊のぬいぐるみ。手触りがフワフワで気持ちいい。抱っこして持ち歩くのに丁度良い大きさだ。
「きょうあそべなかったのは、プレゼントをかいにいってたからなんだ。たくさんおみせをみてえらんだんだよ。」
僕の為に選んでくれたんだ。すっごく嬉しいな。プレゼント大事にするね。
「こくばんもらったんだね。ぼくもまえにもらったんだよ。そうだ、なまえのかきかたおしえるね。」
クリスは黒板にアルファベットのような文字を3文字書いた。
「はい、アレンってこうかくんだよ。」
「にーに、あーと!」
お兄ちゃんが書いてくれた名前は読めないけど、何か特別な感じがした。消したくないから、しばらくこのまま飾らせてもらおう。その後は文字の練習をたくさんしようかな。
「あらあら、仲良しね。でもプレゼントはそのぐらいにして、美味しいご飯を食べましょう。」
「はい!」「あい!」
お兄ちゃんと良い返事をした。料理の所に行こうとするが、プレゼントで手が塞がっている。
「ひー、てー?」
「はい、アレン様。」
フィーを呼ぶとすぐ来てくれる。ぬいぐるみと黒板を渡し、黒板の文字を消したくないことを伝えたかった。
「ひー。こぇ、こぇ、んと……。」
上手く言えず、これ、と指差すことしか出来ない。どうしよう……。
フィーが黒板を見て少し考えてから話した。
「アレン様。この文字はこのままとっておきたいから、消さないで欲しい、で合ってますか?」
そうだよ!と何回も頷いた。分かってくれたー!
「良かったです。では黒板とぬいぐるみはお部屋に持って行きますね。」
「あーと!」
空いた手をお兄ちゃんと繋ぎ、一緒に料理を選ぶ。メイドがお皿に少しずつ取って、小さくカットしてくれた。
使用人達も含め、全員料理を取って席に座り、お父さんが皆の前に立った。
「皆、準備大変だっただろう、ありがとう。今日は楽しんで欲しい。アレン、お誕生日おめでとう!」
「「「おめでとうございます!」」」
「あーと!」
挨拶が終わり、お皿に盛られたハンバーグを、子ども用スプーンでパクっと口に入れた。美味しい!歯が少ししかない僕でも柔らかくて食べやすい。
「アレン、これもおいしいよ。」
「あーと。」
お兄ちゃんが苺ジャムのサンドイッチをお皿にのせてくれた。手で持ち食べると、これも美味しかった。
使用人達が話をしたり、美味しい料理を食べたりと、楽しそう。見てる僕も嬉しくなる。
「アレン様、おめでとうございます。プレゼントです。」
「あーと。」
使用人達が代わる代わるプレゼントをくれた。僕の横のテーブルにプレゼントの山が出来た。こんなにたくさんもらえるなんて!
前世ではあまり祝ってもらえなかったし、プレゼントも彼からの1つだけだった。
僕こんなに幸せで良いのかな?夢だったりしないかな……?
急に不安に襲われ、涙が溢れてきた。
「アレン、ぼくがいるからだいじょうぶだよ。」
「お母様もいるわよ。」
「お父様だっているぞ。ずっとな。」
何かを感じ取った3人はアレンを優しく抱き締めた。アレンの不安はスッと溶け、その心は温かさに満たされた。
ああ、僕には愛してくれる家族が居るから、きっともう大丈夫だ。
「これは文字や絵が書ける魔道具よ。書く時はこの白い棒で書くの。消す時はこうして手で表面を撫でるだけで消えるわ。何度でも使えて壊れないから子ども達に人気なのよ。」
へー、前世の黒板が便利になったようなものかな。もしかしたら、僕の他にも転生した人が居るかもしれない。
「アレン、何か書いてみたらどうだ?」
黒板を渡され、少し考える。お花を書こうかな?棒を持ち、書こうとするが手が上手く動かせない。何とか書き終え、お父さんお母さんに見せた。
「まぁ、これはお花ね。1歳でこんな上手に絵を書けるなんて、凄いわ。」
「天才かもしれないな。」
「あーと。」
下手だと思ったのに、1歳だとこれは上手な方なのかな?ちょっと照れてきたから、表面を撫でて絵を消した。
「アレン。」
「にーに!」
どこかに行っていたお兄ちゃんが戻って来た。クリスは後ろに持っていたプレゼントをアレンに渡した。
「おたんじょうびおめでとう。ぼくからのプレゼントだよ。」
「あーと!」
可愛い熊のぬいぐるみ。手触りがフワフワで気持ちいい。抱っこして持ち歩くのに丁度良い大きさだ。
「きょうあそべなかったのは、プレゼントをかいにいってたからなんだ。たくさんおみせをみてえらんだんだよ。」
僕の為に選んでくれたんだ。すっごく嬉しいな。プレゼント大事にするね。
「こくばんもらったんだね。ぼくもまえにもらったんだよ。そうだ、なまえのかきかたおしえるね。」
クリスは黒板にアルファベットのような文字を3文字書いた。
「はい、アレンってこうかくんだよ。」
「にーに、あーと!」
お兄ちゃんが書いてくれた名前は読めないけど、何か特別な感じがした。消したくないから、しばらくこのまま飾らせてもらおう。その後は文字の練習をたくさんしようかな。
「あらあら、仲良しね。でもプレゼントはそのぐらいにして、美味しいご飯を食べましょう。」
「はい!」「あい!」
お兄ちゃんと良い返事をした。料理の所に行こうとするが、プレゼントで手が塞がっている。
「ひー、てー?」
「はい、アレン様。」
フィーを呼ぶとすぐ来てくれる。ぬいぐるみと黒板を渡し、黒板の文字を消したくないことを伝えたかった。
「ひー。こぇ、こぇ、んと……。」
上手く言えず、これ、と指差すことしか出来ない。どうしよう……。
フィーが黒板を見て少し考えてから話した。
「アレン様。この文字はこのままとっておきたいから、消さないで欲しい、で合ってますか?」
そうだよ!と何回も頷いた。分かってくれたー!
「良かったです。では黒板とぬいぐるみはお部屋に持って行きますね。」
「あーと!」
空いた手をお兄ちゃんと繋ぎ、一緒に料理を選ぶ。メイドがお皿に少しずつ取って、小さくカットしてくれた。
使用人達も含め、全員料理を取って席に座り、お父さんが皆の前に立った。
「皆、準備大変だっただろう、ありがとう。今日は楽しんで欲しい。アレン、お誕生日おめでとう!」
「「「おめでとうございます!」」」
「あーと!」
挨拶が終わり、お皿に盛られたハンバーグを、子ども用スプーンでパクっと口に入れた。美味しい!歯が少ししかない僕でも柔らかくて食べやすい。
「アレン、これもおいしいよ。」
「あーと。」
お兄ちゃんが苺ジャムのサンドイッチをお皿にのせてくれた。手で持ち食べると、これも美味しかった。
使用人達が話をしたり、美味しい料理を食べたりと、楽しそう。見てる僕も嬉しくなる。
「アレン様、おめでとうございます。プレゼントです。」
「あーと。」
使用人達が代わる代わるプレゼントをくれた。僕の横のテーブルにプレゼントの山が出来た。こんなにたくさんもらえるなんて!
前世ではあまり祝ってもらえなかったし、プレゼントも彼からの1つだけだった。
僕こんなに幸せで良いのかな?夢だったりしないかな……?
急に不安に襲われ、涙が溢れてきた。
「アレン、ぼくがいるからだいじょうぶだよ。」
「お母様もいるわよ。」
「お父様だっているぞ。ずっとな。」
何かを感じ取った3人はアレンを優しく抱き締めた。アレンの不安はスッと溶け、その心は温かさに満たされた。
ああ、僕には愛してくれる家族が居るから、きっともう大丈夫だ。
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