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クリスの婚約者と、アレンの出会い 3
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お兄様の笑顔につられて、シンシアも控えめな笑顔を見せた。お兄様は癒し系だからね、うんうん。
子ども達で話している間。グランとヘレナは話合い対策をまとめていたが、グランの表情は険しくなった。
「アレン。残念だが、このままでは出来る事が少ないんだ。」
「そんな……。」
シンシアを助けたいのに……。隣に居るシンシアを見ると俯いてしまった。
「そこで提案なんだが。婚約者になるのはどうだ?そうすれば俺達も彼女の家に意見したり、出来る事が多くなるんだ。」
「婚約しても後で辞める事は出来るわ。2人の気持ちもあるしね。アレンはどうしたい?」
両親の提案を聞いて、シンシアを見る。シンシアは、もう諦めた様な顔で俯いて、目に涙を貯めていた。
どうしたいかは、決まってるよ。この子を助けたいんだ。
シンシアの手を優しく取り、ニコーッと全力の笑顔を見せた。
「ぼくは、こんやくしゃになりたい!シンシアはどうかな?」
意外そうな顔で僕を見つめて、その目から涙がポロポロ溢れた。
「うん……。こんやくしゃになりたい……。」
シンシアはアレンの手をギュッと握り返した。
「決まったみたいだな。伯爵にはすぐに手紙を書くよ。問題無ければ数日で婚約出来る筈だ。そうなれば行き来も自由になるぞ。」
「もし辛いなら、我が家で一緒に暮らしましょう。花嫁修業という事にすれば大丈夫だから。考えてみてね?」
女神のようなお母様に微笑まれて、ウインクまでされてしまったシンシア。見とれてボーッとしながら何とか「はい……。」と答えた。
「アレンいっしょだね。ぼくもマリーとこんやくしゃになったんだよ。」
お兄様がニコニコしながらそう告げた。
ええ!?お兄様がそんな積極的だったなんて、知らなかった。
「ははは、アレンが思ってる事は多分違うぞ。初めて友達が出来たのをマリーの両親が大喜びしてな。是非とも婚約もしてくれないかと言われて、2人が決めたんだ。」
そうなんだ。でもいきなり婚約でも受け入れたってことは、相当好きなんだね。お兄様もやるなぁ。
「おにいさま、よかったね。」
「うん。マリーはかっこいいんだ。こころがつよくてすごいとおもうんだ。」
お兄様、もうデレデレですか?幸せそうだから僕も嬉しいよ。だけど、僕も負けてられないかな?
「そっか。ぼくはシンシアのことやさしくてね、かわいいんとおもうんだ。」
「そっかー。」
クリスとアレンは婚約者自慢をして、笑い合った。
「ちょ、ちょっと!なんのはなししてるのよ!」
「はずかしいよ……。」
マリーは照れて怒り、シンシアは恥ずかしさに顔を隠す。
子ども達の楽しそうな様子を見て、グランとヘレナは笑顔になった。
お茶会が終わり、シンシアを馬車に乗せ家まで送った。不安そうなシンシアにすぐ会う約束をして、別のクッキーの小袋を渡した。
馬車が出てしばらくしても、シンシアはまだ手を振って見送っていた。
1人の時間にアレンは考えた。シンシアには影収納の事は知られたから、紅葉と紺の事も言った方が良いかな。でも驚くことは確実だよね、骸骨だし……。
「もみじ、こん。」
「「はい、アレン様!」」
スタッと飛び出す骸骨2体。可愛さのある顔つきで子どもサイズ、スカーフを巻いて少しお洒落だけど、どうだろう……。これは泣いちゃうな。
「どうされました?」
シンクロ首傾げも可愛い感じあると思うけどなぁ。うむむ……。僕は今日の出来事を2人に話し始めた。
「きょうね、いろいろあって、シンシアとこんやくしゃになったんだ。」
「ああ、アレン様が助けたあの女の子ですね。」
「小さくて可愛いかったですね。」
影から出てないのに、何で知ってるの!?
紅葉と紺は、驚いた僕を見て笑った。
「影の中から見てました。暇な時は大体見てますよ。」
「あ、紅茶は減った分補充しておきました。これ、お借りしていたハンカチです。」
「ありがとう。」
そっか、変なことしないように気を付けよう。
紺から受け取ったハンカチは綺麗で、アイロン掛けされたものだった。
洗濯にアイロン、紅茶まで。やってる2人も凄いけど、僕の影何なの?
「かげのなかって、どうなってるの?」
「普段は何も無い広い空間です。何か欲しい物とか使いたい物を思い浮かべると、それが目の前に出てきます。」
「紅茶の時は、キッチンと茶葉とポットが出て、水も蛇口から使えましたよ。」
えー?何その便利な空間。僕も入ってみたい。それでカスタマイズとかして、秘密基地にしたら楽しそう!
あれ?そういえば2人は生まれたばかりだよね。
「なんでせんたくのやりかたとかしってるの?」
「それは必要な知識は必要な時に頭に入ってくるのです。」
何その便利な機能。たくさんの事を効率良く覚えられるなんて、羨ましい。時間がある時に実験してみたい。
あっ、相談しようと思ってた事があったんだ。
「はなしをもどすけど、シンシアにもみじとこんのこと、いったほうがいいかな?たぶん、こわがられるとおもうけど……。」
紅葉と紺が少し考えてから答えた。
「アレン様に任せます。もし怖がられても大丈夫ですよ。」
「結婚するのでしたら、言った方が良いかと。大人になってからより、子どもの時なら受け入れやすいと思います。」
そうだなぁ。シンシアはどうか分からないけど、僕は結婚したいな。秘密を言いふらすような子じゃないから、家の事が落ち着いたら2人を紹介してみようか……。
「シンシアにもみじとこんのこと、しょうかいするね。すぐじゃなくて、おちついてからだけど。そうだんにのってくれてありがとね!」
「どういたしまして!」
「お安いご用です!」
2人と話すと楽しいから、きっとシンシアも気に入ってくれると思う。でもその前にシンシアの憂いを晴らせるようにしないとね。
頑張るぞ!と気合いを入れるアレンだった。
子ども達で話している間。グランとヘレナは話合い対策をまとめていたが、グランの表情は険しくなった。
「アレン。残念だが、このままでは出来る事が少ないんだ。」
「そんな……。」
シンシアを助けたいのに……。隣に居るシンシアを見ると俯いてしまった。
「そこで提案なんだが。婚約者になるのはどうだ?そうすれば俺達も彼女の家に意見したり、出来る事が多くなるんだ。」
「婚約しても後で辞める事は出来るわ。2人の気持ちもあるしね。アレンはどうしたい?」
両親の提案を聞いて、シンシアを見る。シンシアは、もう諦めた様な顔で俯いて、目に涙を貯めていた。
どうしたいかは、決まってるよ。この子を助けたいんだ。
シンシアの手を優しく取り、ニコーッと全力の笑顔を見せた。
「ぼくは、こんやくしゃになりたい!シンシアはどうかな?」
意外そうな顔で僕を見つめて、その目から涙がポロポロ溢れた。
「うん……。こんやくしゃになりたい……。」
シンシアはアレンの手をギュッと握り返した。
「決まったみたいだな。伯爵にはすぐに手紙を書くよ。問題無ければ数日で婚約出来る筈だ。そうなれば行き来も自由になるぞ。」
「もし辛いなら、我が家で一緒に暮らしましょう。花嫁修業という事にすれば大丈夫だから。考えてみてね?」
女神のようなお母様に微笑まれて、ウインクまでされてしまったシンシア。見とれてボーッとしながら何とか「はい……。」と答えた。
「アレンいっしょだね。ぼくもマリーとこんやくしゃになったんだよ。」
お兄様がニコニコしながらそう告げた。
ええ!?お兄様がそんな積極的だったなんて、知らなかった。
「ははは、アレンが思ってる事は多分違うぞ。初めて友達が出来たのをマリーの両親が大喜びしてな。是非とも婚約もしてくれないかと言われて、2人が決めたんだ。」
そうなんだ。でもいきなり婚約でも受け入れたってことは、相当好きなんだね。お兄様もやるなぁ。
「おにいさま、よかったね。」
「うん。マリーはかっこいいんだ。こころがつよくてすごいとおもうんだ。」
お兄様、もうデレデレですか?幸せそうだから僕も嬉しいよ。だけど、僕も負けてられないかな?
「そっか。ぼくはシンシアのことやさしくてね、かわいいんとおもうんだ。」
「そっかー。」
クリスとアレンは婚約者自慢をして、笑い合った。
「ちょ、ちょっと!なんのはなししてるのよ!」
「はずかしいよ……。」
マリーは照れて怒り、シンシアは恥ずかしさに顔を隠す。
子ども達の楽しそうな様子を見て、グランとヘレナは笑顔になった。
お茶会が終わり、シンシアを馬車に乗せ家まで送った。不安そうなシンシアにすぐ会う約束をして、別のクッキーの小袋を渡した。
馬車が出てしばらくしても、シンシアはまだ手を振って見送っていた。
1人の時間にアレンは考えた。シンシアには影収納の事は知られたから、紅葉と紺の事も言った方が良いかな。でも驚くことは確実だよね、骸骨だし……。
「もみじ、こん。」
「「はい、アレン様!」」
スタッと飛び出す骸骨2体。可愛さのある顔つきで子どもサイズ、スカーフを巻いて少しお洒落だけど、どうだろう……。これは泣いちゃうな。
「どうされました?」
シンクロ首傾げも可愛い感じあると思うけどなぁ。うむむ……。僕は今日の出来事を2人に話し始めた。
「きょうね、いろいろあって、シンシアとこんやくしゃになったんだ。」
「ああ、アレン様が助けたあの女の子ですね。」
「小さくて可愛いかったですね。」
影から出てないのに、何で知ってるの!?
紅葉と紺は、驚いた僕を見て笑った。
「影の中から見てました。暇な時は大体見てますよ。」
「あ、紅茶は減った分補充しておきました。これ、お借りしていたハンカチです。」
「ありがとう。」
そっか、変なことしないように気を付けよう。
紺から受け取ったハンカチは綺麗で、アイロン掛けされたものだった。
洗濯にアイロン、紅茶まで。やってる2人も凄いけど、僕の影何なの?
「かげのなかって、どうなってるの?」
「普段は何も無い広い空間です。何か欲しい物とか使いたい物を思い浮かべると、それが目の前に出てきます。」
「紅茶の時は、キッチンと茶葉とポットが出て、水も蛇口から使えましたよ。」
えー?何その便利な空間。僕も入ってみたい。それでカスタマイズとかして、秘密基地にしたら楽しそう!
あれ?そういえば2人は生まれたばかりだよね。
「なんでせんたくのやりかたとかしってるの?」
「それは必要な知識は必要な時に頭に入ってくるのです。」
何その便利な機能。たくさんの事を効率良く覚えられるなんて、羨ましい。時間がある時に実験してみたい。
あっ、相談しようと思ってた事があったんだ。
「はなしをもどすけど、シンシアにもみじとこんのこと、いったほうがいいかな?たぶん、こわがられるとおもうけど……。」
紅葉と紺が少し考えてから答えた。
「アレン様に任せます。もし怖がられても大丈夫ですよ。」
「結婚するのでしたら、言った方が良いかと。大人になってからより、子どもの時なら受け入れやすいと思います。」
そうだなぁ。シンシアはどうか分からないけど、僕は結婚したいな。秘密を言いふらすような子じゃないから、家の事が落ち着いたら2人を紹介してみようか……。
「シンシアにもみじとこんのこと、しょうかいするね。すぐじゃなくて、おちついてからだけど。そうだんにのってくれてありがとね!」
「どういたしまして!」
「お安いご用です!」
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頑張るぞ!と気合いを入れるアレンだった。
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