太陽のような君

ひろ・トマト

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3.心にかかる霧

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今日も退屈な授業がやってきた。今は世界史の授業だ。

世界史の担当の古田先生はたまに雑談で時間をつぶしてくれるのだが話題の当たりはずれが激しい。

みんなの反応を見る限り今日ははずれよりだろう。クラスの空気がそこそこ白けている。

先生はそのことを知ってか知らずか……いや話すのをやめないとこを見ると気づいていない感じだろう。



だが授業の時間が無くなるのはありがたい。話を聞いているふりをしながら、自分の世界に閉じこもろうとする。



その時、視界の片隅に相川さんが映った。



相川さんは先生の話に興味がないのか前の席の友達とクスクスとしゃべっていた。

まあまあ前の席なのになんとも度胸のあることだ。



僕は自分の世界に入り込もうとしていたが気づけば彼女のことを考えていた。

最近相川さんのことをかなり意識してしまっている。



彼女と話す時間は、とても楽しみになっていた。

毎日、毎日が楽しみでうれしくて。どこまでも平凡で、普通の人生な僕に刺激を与えてくれていた。

消極的で強みのない僕にとって彼女は空に輝く太陽のようだった。



そんな彼女と交流していくうちに慣れないことも考えてしまう。

彼女と僕が付き合える可能性がるのか……そんな感じのことだ。



僕には今まで彼女などいたことがない。バレンタインのチョコなどお母さんからもらうのが毎年の恒例となってしまっている。

そんな僕だからこそ彼女に対してこのような思いを抱いてしまう。

恥ずかしい気持ちも正直あるが時間がたつにつれてこの思いはどんどん醸成していっている。



そのようなことを考えながらちらっと横目で相川さんを見る。

相変わらず友達と談笑している。古田先生がペラペラとしゃべっているというのに。さすがにかわいそうになってきた。



相川さんは笑顔で、夢中で話している。いつまでも見とれている……とはいかず。

僕は顔を伏せていた。

なぜだかはわからない。

けど僕はそれ以上彼女を見ていることができなかった。



彼女は太陽のような笑顔で話していて、とても輝いていて……だけれどそんな太陽を見ていると、僕の心は霧のようなもやもや感がある。

まるで上原くんと話しているときのように。今までこのようなことは感じなかったのに不思議だ。

僕は顔を伏せて、先生の話をBGMにしながら寝ることにした。

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