491 / 508
最終章 それぞれの旅路
第490話 ハンナちゃんに呼ばれました、迎えに来たのは…
しおりを挟む
それから、私は嫁ぐ日までの一年間でケントニス様と共に孤児院の開設準備を行うこととなったのです。
どうやって、ケントニス様のもとに行ったのかって?それはですね……。
**********
ケントニス様がお帰りになって数日後、あるお客様が私を訪ねて来ました。
私は、そのお客様をみて大変驚いたのです。
何に驚いたかって、私はその子が亡くなったと聞かされていたのです。
実際、それ以来会うことはなかったのですが……。
その子がなにくわぬ顔で私を訪ねてきました、出合った時と変わらぬ姿で。
忘れるわけがありません、私をスラムから救い出してくれた恩人ですから。
その子がいなければ、私は今頃生まれ故郷の港町で船乗り相手の娼婦をしていたことでしょう。
その子が娼館の元締め『黒の使徒』を退治して、スラムから孤児院に保護してくれたのです。
私がケントニス様と知り合うきっかけを作ってくれたののも、その子、ターニャちゃんです。
「ソフィちゃん、久し振り!五年ぶりかな。
見違えるくらいキレイになっちゃって、ケントニスさんには勿体ないね。」
そんな風に話す口調も出会った頃のままです。
でもなんで、昔と変わらぬ姿なのでしょう。
ターニャちゃんは私と同い年です、とても十七歳には見えません。
戸惑う私におかまいなく、ターニャちゃんは言います。
「ハンナちゃんが、孤児院のことで相談したいことがあるんだって。
これから一緒に来てもらえるかな。」
どうやら、次期皇帝が孤児院の運営の件で話があるようです。
お付きの人の転移術を使ってターニャちゃんがポルトまで私を迎えに来たのだと思いました。
私がお義母様に外出する旨を伝えて戻るとターニャちゃんは言いました。
「準備は良いかな?じゃあ、行くよ!」
私の返事を聞くまもなく、ターニャちゃんがそう言って私の手をとると一瞬で目の前の景色が変わったのです。
私の目の前にはソファーでお茶を楽しむハンナちゃんの姿がありました。
「ターニャお姉ちゃん、お帰りなさい。早かったんだね。」
ハンナちゃんはこんな状況に慣れているようで、私が突然現われても驚きもしませんでした。
「ソフィさん、ごめんなさい。
突然呼び出したりして、驚いたでしょう。」
ハンナちゃんは言います。
どうやら、ここは王都にある王立学園の寮のようでした。
確かに驚きました、でも一番驚いたのは亡くなったと聞かされていたターニャちゃんが迎えに来たことです。
私は思わず聞いてしまいました。
「ターニャちゃんは亡くなったと聞かされていたのですが、どういうことなのでしょうか?」
私の質問にターニャちゃんとハンナちゃんが顔を見合わせました。
そして、……。
「ゴメン、五年ぶりだったね、そういえば言っていなかった。
わたしね、もう人間じゃないの。」
驚きました、ターニャちゃんは精霊なのだと言いました。
『黒の使徒』を滅ぼした五年前に人であることをやめてしまったと。
王立学園を卒業してからは、極一部の人以外の前には姿を現さなくなったそうです。
俄かには信じられない話ですが、ポルトから王都にある王立学園の寮まで一瞬で移動するなど人のなせる業ではありません。それに、五年前の姿のままなのです。
納得せざるを得なかったのです。
**********
「ケントニスさんから聞いていると思うけど。
来春、この学園を卒業したら直ぐに帝国の皇帝の座を私が引き継ぐことになりました。
ケントニスさんからの申し出があり、孤児の救済事業をケントニスさんとソフィさんのお二人にお任せすることになりました。
今日は、その件について少し打ち合わせをしようと思ったのです。」
ハンナちゃんの話した事は概ねケントニス様から伺っていた通りでした。
その上で、もう少し細かい点の話がしたいということだったのです。
やはり一番気をつけて欲しいとハンナちゃんが希望したのは孤児の待遇の水準についてでした。
孤児にひもじい思いや肩身が狭い思いは絶対にさせないで欲しい、一方で孤児に余り贅沢はさせないで欲しい。そのバランスを上手く取って欲しいとのことなのです。
これは、王国でも一番気を使っている点だとかねがね聞かされてきました。
ハンナちゃんは、帝国の民は王国に比べておしなべて貧しいので、王国の孤児院の水準では親のいる子供より孤児院の子供の方が豊かな暮らしをすることになりかねないと心配していました。
反面、これから国民の平均的な生活水準を調査して孤児の待遇を決めるのでは、孤児院の開設が遅れてしまうとの懸念を示したのです。
そして、ハンナちゃんは決断したのです。
「孤児院の開設が遅れて救えない孤児が出るくらいであれば、民衆からの不満の声を甘んじて受けましょう。
孤児の命を救う方が優先です、ソフィさんはポルトの孤児院と同程度の待遇になるように孤児院を運営してください。」
そして、孤児院の制度設計を見直すよりも、孤児院の待遇を王国と同程度にしても不平不満が出ないように帝国の民の生活水準を上げた方が手っ取り早いとハンナちゃんは言いました。
ハンナちゃんは帝国の民の生活水準を引き上げるほうが容易いかの様に言うのです。
それが上手くいかないから、ケントニス様が退位に追い込まれたと言うのに。
いったいその自信は何処から出てくるのでしょうか、その時私は二歳年下のハンナちゃんが凄く大きく見えたのです。
孤児院の具体的な運営の話に入り、孤児院の建物などの施設費は帝国が半分相当の補助金を出すと言ってくれました。また、年間の運営費についても全額賄える程度の補助金を支給するとハンナちゃんは言ったのです。
「後は、衣服とか、ベッドとかね。全員同じものを支給するとなると数を揃えるのは大変ね。
いいわ、それは当てがあるから、私が何とかするわ。」
ハンナちゃんは王国の孤児院に衣服を納めている商会と寝具を納めている商会をミルト皇太子妃様に紹介してもらうと言いました。
当面、百人分もあれば不足はないだろうと言い、ベッドを含む寝具を百人分と夏服、冬服を各サイズ百人分ずつを至急発注すると言ったのです。
そして、ハンナちゃんは言いました。
「今回は時間がないから、孤児院で使う衣服を王国で調達することにするけど、追々帝国で調達できるようにしたいわ。
そうすれば、帝国の雇用が増えるからね。
知っている?孤児院の服って、同じ物を大量に作るでしょう。
あれって、お針子さんを工場に集めて、分業で作っているの。
裁断だけする人とか、縫製だけする人とかね。
縫製だって、シャツの袖と胴体部分は別の人が縫っているの。
それをまた、別の人が袖と胴体を縫い合わせるのよ。」
孤児院の服は飾り気のないシンプルなデザインの服を大量に作るため、分業に向くと言います。
分担された一つ一つの作業は比較的単純な仕事が多く、あまり経験を必要としなのが良いのだと教えてくれました。
街中で開業している仕立て屋さんのような熟練の技を必要としないため、経験の無い者でも雇い入れることが出来き、雇用の裾野を広げることが出来るとハンナちゃんは言ったのです。
「孤児院の服って、王国では国が人を雇って作っているの。
孤児院の服を作るために設けられた工房だから、それに見合うだけの人しか雇っていないの。
だから、出来るのは孤児院の服だけ、これって勿体ないと思わない?」
当時、服は仕立て屋さんで一着、一着注文して作ってもらう物でした。
当然、一つの仕立て屋さんでは作れる数に限りがあり、服は非常に高価な物だったのです。
普段から仕立て屋さんで服を買えるのは、貴族や大商人など小数の者に限られていました。
一般市民が仕立て屋さんで服を買うのはそれこそ一張羅を仕立てる時くらいです。
一般市民はどうしているかというと、古着を買うか、布地を買ってきて家で縫製するかです。
「私、思うのよね。
何も、服を仕立て屋で買って、仕立て屋を儲けさせて上げる必要は無いんじゃないかと。
庶民の服なんてシンプルなもので良いのだから、幾つかのサイズを設けて工場で大量に作れば服が安くなるんじゃないかな。
デザインも孤児院の服のように、大きさに多少の融通が利く物にすればサイズを多くする必要は無いでしょう。
孤児院で使う物より布の質を良くしたり、染色してある布を使ったりすれば、十分町で商売になると思うの。」
ハンナちゃんは、孤児院の服を作る工房を帝国に作り、その工房には孤児院の服と同時に一般市民向けの服も作らせれば良いと言うのです。
貴族や大商人などお金に余裕のある人は従来通り、仕立て屋さんで服を仕立てると思うので住み分けは出来るはずだとも言いました。
また、その工房は孤児院の服を安定的に請け負うので、一般市民向けが多少失敗したところで経営が行き詰ることは無いだろうとハンナちゃんは説明したのです。
そして、私に持ちかけました。
「これね、帝国政府の事業としてやってもいいのだけど。
ソフィさんの領地でやりたいというのであれば譲るわ。
正直なところ、問題山積でね、もっと優先しないといけないことがたくさんあるの。
ソフィさんが請け負ってくれるなら、本当に助かるわ。」
私が引き受けるのであれば、孤児院で使う服は全てそこへ発注してくれるとハンナちゃんは約束してくれました。
その話は、ケントニス様と相談するとして一旦持ち帰ったのですが、後日正式に引き受けることになりました。
**********
「来年までに孤児院の開設の準備を済ませるなら、ちょくちょく現地まで行って打ち合わせした方が良いね。
じゃあ、わたしがケントニスさんのところへ送ってあげるね。
二人で子爵領を下見に行くのなら、その時も送ってあげるから遠慮しなくていいよ。」
出会った頃と同じ口調でターニャちゃんが言いました。
ターニャちゃんの転移術のおかげで、私はケントニス様と念入りに準備を行うことが出来き、孤児院の開設準備を円滑に行うことが出来たのです。
どうやって、ケントニス様のもとに行ったのかって?それはですね……。
**********
ケントニス様がお帰りになって数日後、あるお客様が私を訪ねて来ました。
私は、そのお客様をみて大変驚いたのです。
何に驚いたかって、私はその子が亡くなったと聞かされていたのです。
実際、それ以来会うことはなかったのですが……。
その子がなにくわぬ顔で私を訪ねてきました、出合った時と変わらぬ姿で。
忘れるわけがありません、私をスラムから救い出してくれた恩人ですから。
その子がいなければ、私は今頃生まれ故郷の港町で船乗り相手の娼婦をしていたことでしょう。
その子が娼館の元締め『黒の使徒』を退治して、スラムから孤児院に保護してくれたのです。
私がケントニス様と知り合うきっかけを作ってくれたののも、その子、ターニャちゃんです。
「ソフィちゃん、久し振り!五年ぶりかな。
見違えるくらいキレイになっちゃって、ケントニスさんには勿体ないね。」
そんな風に話す口調も出会った頃のままです。
でもなんで、昔と変わらぬ姿なのでしょう。
ターニャちゃんは私と同い年です、とても十七歳には見えません。
戸惑う私におかまいなく、ターニャちゃんは言います。
「ハンナちゃんが、孤児院のことで相談したいことがあるんだって。
これから一緒に来てもらえるかな。」
どうやら、次期皇帝が孤児院の運営の件で話があるようです。
お付きの人の転移術を使ってターニャちゃんがポルトまで私を迎えに来たのだと思いました。
私がお義母様に外出する旨を伝えて戻るとターニャちゃんは言いました。
「準備は良いかな?じゃあ、行くよ!」
私の返事を聞くまもなく、ターニャちゃんがそう言って私の手をとると一瞬で目の前の景色が変わったのです。
私の目の前にはソファーでお茶を楽しむハンナちゃんの姿がありました。
「ターニャお姉ちゃん、お帰りなさい。早かったんだね。」
ハンナちゃんはこんな状況に慣れているようで、私が突然現われても驚きもしませんでした。
「ソフィさん、ごめんなさい。
突然呼び出したりして、驚いたでしょう。」
ハンナちゃんは言います。
どうやら、ここは王都にある王立学園の寮のようでした。
確かに驚きました、でも一番驚いたのは亡くなったと聞かされていたターニャちゃんが迎えに来たことです。
私は思わず聞いてしまいました。
「ターニャちゃんは亡くなったと聞かされていたのですが、どういうことなのでしょうか?」
私の質問にターニャちゃんとハンナちゃんが顔を見合わせました。
そして、……。
「ゴメン、五年ぶりだったね、そういえば言っていなかった。
わたしね、もう人間じゃないの。」
驚きました、ターニャちゃんは精霊なのだと言いました。
『黒の使徒』を滅ぼした五年前に人であることをやめてしまったと。
王立学園を卒業してからは、極一部の人以外の前には姿を現さなくなったそうです。
俄かには信じられない話ですが、ポルトから王都にある王立学園の寮まで一瞬で移動するなど人のなせる業ではありません。それに、五年前の姿のままなのです。
納得せざるを得なかったのです。
**********
「ケントニスさんから聞いていると思うけど。
来春、この学園を卒業したら直ぐに帝国の皇帝の座を私が引き継ぐことになりました。
ケントニスさんからの申し出があり、孤児の救済事業をケントニスさんとソフィさんのお二人にお任せすることになりました。
今日は、その件について少し打ち合わせをしようと思ったのです。」
ハンナちゃんの話した事は概ねケントニス様から伺っていた通りでした。
その上で、もう少し細かい点の話がしたいということだったのです。
やはり一番気をつけて欲しいとハンナちゃんが希望したのは孤児の待遇の水準についてでした。
孤児にひもじい思いや肩身が狭い思いは絶対にさせないで欲しい、一方で孤児に余り贅沢はさせないで欲しい。そのバランスを上手く取って欲しいとのことなのです。
これは、王国でも一番気を使っている点だとかねがね聞かされてきました。
ハンナちゃんは、帝国の民は王国に比べておしなべて貧しいので、王国の孤児院の水準では親のいる子供より孤児院の子供の方が豊かな暮らしをすることになりかねないと心配していました。
反面、これから国民の平均的な生活水準を調査して孤児の待遇を決めるのでは、孤児院の開設が遅れてしまうとの懸念を示したのです。
そして、ハンナちゃんは決断したのです。
「孤児院の開設が遅れて救えない孤児が出るくらいであれば、民衆からの不満の声を甘んじて受けましょう。
孤児の命を救う方が優先です、ソフィさんはポルトの孤児院と同程度の待遇になるように孤児院を運営してください。」
そして、孤児院の制度設計を見直すよりも、孤児院の待遇を王国と同程度にしても不平不満が出ないように帝国の民の生活水準を上げた方が手っ取り早いとハンナちゃんは言いました。
ハンナちゃんは帝国の民の生活水準を引き上げるほうが容易いかの様に言うのです。
それが上手くいかないから、ケントニス様が退位に追い込まれたと言うのに。
いったいその自信は何処から出てくるのでしょうか、その時私は二歳年下のハンナちゃんが凄く大きく見えたのです。
孤児院の具体的な運営の話に入り、孤児院の建物などの施設費は帝国が半分相当の補助金を出すと言ってくれました。また、年間の運営費についても全額賄える程度の補助金を支給するとハンナちゃんは言ったのです。
「後は、衣服とか、ベッドとかね。全員同じものを支給するとなると数を揃えるのは大変ね。
いいわ、それは当てがあるから、私が何とかするわ。」
ハンナちゃんは王国の孤児院に衣服を納めている商会と寝具を納めている商会をミルト皇太子妃様に紹介してもらうと言いました。
当面、百人分もあれば不足はないだろうと言い、ベッドを含む寝具を百人分と夏服、冬服を各サイズ百人分ずつを至急発注すると言ったのです。
そして、ハンナちゃんは言いました。
「今回は時間がないから、孤児院で使う衣服を王国で調達することにするけど、追々帝国で調達できるようにしたいわ。
そうすれば、帝国の雇用が増えるからね。
知っている?孤児院の服って、同じ物を大量に作るでしょう。
あれって、お針子さんを工場に集めて、分業で作っているの。
裁断だけする人とか、縫製だけする人とかね。
縫製だって、シャツの袖と胴体部分は別の人が縫っているの。
それをまた、別の人が袖と胴体を縫い合わせるのよ。」
孤児院の服は飾り気のないシンプルなデザインの服を大量に作るため、分業に向くと言います。
分担された一つ一つの作業は比較的単純な仕事が多く、あまり経験を必要としなのが良いのだと教えてくれました。
街中で開業している仕立て屋さんのような熟練の技を必要としないため、経験の無い者でも雇い入れることが出来き、雇用の裾野を広げることが出来るとハンナちゃんは言ったのです。
「孤児院の服って、王国では国が人を雇って作っているの。
孤児院の服を作るために設けられた工房だから、それに見合うだけの人しか雇っていないの。
だから、出来るのは孤児院の服だけ、これって勿体ないと思わない?」
当時、服は仕立て屋さんで一着、一着注文して作ってもらう物でした。
当然、一つの仕立て屋さんでは作れる数に限りがあり、服は非常に高価な物だったのです。
普段から仕立て屋さんで服を買えるのは、貴族や大商人など小数の者に限られていました。
一般市民が仕立て屋さんで服を買うのはそれこそ一張羅を仕立てる時くらいです。
一般市民はどうしているかというと、古着を買うか、布地を買ってきて家で縫製するかです。
「私、思うのよね。
何も、服を仕立て屋で買って、仕立て屋を儲けさせて上げる必要は無いんじゃないかと。
庶民の服なんてシンプルなもので良いのだから、幾つかのサイズを設けて工場で大量に作れば服が安くなるんじゃないかな。
デザインも孤児院の服のように、大きさに多少の融通が利く物にすればサイズを多くする必要は無いでしょう。
孤児院で使う物より布の質を良くしたり、染色してある布を使ったりすれば、十分町で商売になると思うの。」
ハンナちゃんは、孤児院の服を作る工房を帝国に作り、その工房には孤児院の服と同時に一般市民向けの服も作らせれば良いと言うのです。
貴族や大商人などお金に余裕のある人は従来通り、仕立て屋さんで服を仕立てると思うので住み分けは出来るはずだとも言いました。
また、その工房は孤児院の服を安定的に請け負うので、一般市民向けが多少失敗したところで経営が行き詰ることは無いだろうとハンナちゃんは説明したのです。
そして、私に持ちかけました。
「これね、帝国政府の事業としてやってもいいのだけど。
ソフィさんの領地でやりたいというのであれば譲るわ。
正直なところ、問題山積でね、もっと優先しないといけないことがたくさんあるの。
ソフィさんが請け負ってくれるなら、本当に助かるわ。」
私が引き受けるのであれば、孤児院で使う服は全てそこへ発注してくれるとハンナちゃんは約束してくれました。
その話は、ケントニス様と相談するとして一旦持ち帰ったのですが、後日正式に引き受けることになりました。
**********
「来年までに孤児院の開設の準備を済ませるなら、ちょくちょく現地まで行って打ち合わせした方が良いね。
じゃあ、わたしがケントニスさんのところへ送ってあげるね。
二人で子爵領を下見に行くのなら、その時も送ってあげるから遠慮しなくていいよ。」
出会った頃と同じ口調でターニャちゃんが言いました。
ターニャちゃんの転移術のおかげで、私はケントニス様と念入りに準備を行うことが出来き、孤児院の開設準備を円滑に行うことが出来たのです。
19
あなたにおすすめの小説
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる
国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。
持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。
これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!
くまの香
ファンタジー
鹿野香(かのかおる)男49歳未婚の派遣が、ある日突然仕事中に異世界へ飛ばされた。(←前作)
異世界でようやく平和な日常を掴んだが、今度は地球へ戻る事に。隕石落下で大混乱中の地球でも相変わらず呑気に頑張るおじさんの日常。「大丈夫、俺、ラッキーだから」
【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ガチャから始まる錬金ライフ
あに
ファンタジー
河地夜人は日雇い労働者だったが、スキルボールを手に入れた翌日にクビになってしまう。
手に入れたスキルボールは『ガチャ』そこから『鑑定』『錬金術』と手に入れて、今までダンジョンの宝箱しか出なかったポーションなどを冒険者御用達の『プライド』に売り、億万長者になっていく。
他にもS級冒険者と出会い、自らもS級に上り詰める。
どんどん仲間も増え、自らはダンジョンには行かず錬金術で飯を食う。
自身の本当のジョブが召喚士だったので、召喚した相棒のテンとまったり、時には冒険し成長していく。
赤ん坊なのに【試練】がいっぱい! 僕は【試練】で大きくなれました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はジーニアス
優しい両親のもとで生まれた僕は小さな村で暮らすこととなりました
お父さんは村の村長みたいな立場みたい
お母さんは病弱で家から出れないほど
二人を助けるとともに僕は異世界を楽しんでいきます
ーーーーー
この作品は大変楽しく書けていましたが
49話で終わりとすることにいたしました
完結はさせようと思いましたが次をすぐに書きたい
そんな欲求に屈してしまいましたすみません
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる