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ケルベロス
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「アアアアアア‼︎俺の脇が⁉︎痛ーい‼︎うわああ!」
「この程度で泣き叫ぶとは情けないやつめ」
「このクソ団長‼︎」
「口の利き方もなってない」
「俺の方がよっぽど団長に向いている!だから代われ!俺が団長になってみんなを引っ張ってやるよ」
「お前には無理だ」
「なんでだよ!」
「団長は強さだけで皆を引っ張っていけると思っているのか?」
「それ以外になにがあるんだよ!」
「人を想うやる心」
「......っ」
「もし騎士の皆が死んだのならそれは団長に責任がある。お前はそれに耐えられるのか?」
「......」
「一体いつからそんな欲望まみれになったんだ?ハンル卿」
「俺は......少なくても最初の頃は誰かの役に立ちたいって気持ちで入ったんだ」
「その気持ちを忘れていたと?」
「ああ、強くなるために必死に努力したのになれたのは副団長まで。その先に行こうとしても行けなかった」
「......」
「俺馬鹿だった。団長になるよりも仲間が大事なのにそれすら忘れて命を粗末にしようとしてた」
「その過ちに気付いたのならハンル卿は少なくても前に進めた。私はそう思う」
「あーあー。死にたくねぇな」
「ハンル卿⁇何を言って......」
ドンッ
「きゃっ!」
「俺は弱かった。力があっても心が弱いせいで命を落とすんだ」
「グアアアア‼︎」
「何あれ?」
ガブッ
「ハンル卿⁉︎」
グチャ
「あ、ああ......ああああ⁉︎」
「あれ?死んだのってあの副団長なのね?」
「......メリヤス」
「まぁどっちでもよかったからいいけどね。ケルベロスの供物にさえなればね」
「ケルベロス⁇」
確かに見た目もそうだけど、オーラが半端ない。
「よくもハンル卿を!」
「あんたも供物になりなさい」
「グアアアア‼︎」
二つの力を同時に使って心臓を狙えば......。
ガブッ
「えっ......」
「あははは‼︎」
「ぐっ!あ、アガっ!」
ドサッ
何が起きたの⁇速すぎて何も見えなかった。
「そのままケルベロスの供物に!」
ガリッ
「アアアアアア⁉︎」
グサッバキバキ
「いやあああ‼︎はぁはぁ......ガ、ア......」
「なかなか逝かないね⁇早く死んだらどうなの⁇」
「......」
駄目だ。もう意識が持たない。
「アリス‼︎」
「闇のドラゴン‼︎」
「グアアアア!」
パムッ
「しまった!」
このまま逃げられたらケルベロスの存在を認識させてしまう。
「死ね!」
ヒョイ
「避けた?」
「グーグーグーグー!」
「アリス!僕の声聞こえる?ねぇ!返事をしてよ。アリス‼︎」
「......」
パサパサ
「あれ?ネス?何やって......アリス⁉︎」
「モウ!君ならアリスの怪我治せるよね?早くしないとアリスが!」
「お、落ち着け。それに今の僕じゃ誰かを治す力なんてないよ」
「じゃあアリスはどうなるんだよ!」
「スペアなら治癒魔法が得意のはず」
「アリスの体温がもうほとんどないよ!」
「僕が運ぶから何か変なやつが出てきたら容赦なく殺せ!」
「わかった」
ダダダダダダッ
「アリスもう少しだけ耐えてくれ」
「......」
「スペア。お前はもう少し体の力を抜き相手の動きをよく見るんだ」
「はい!」
「スペア‼︎」
「あれって、モウとネス⁇」
「はぁはぁ、アリスが!アリスが‼︎」
「何があった!」
「早くアリスの怪我を治して!」
「アリスが死んじゃう!」
「......」
「アリス⁉︎一体何があったんだ?」
「僕は知らない。ネスが怪我したアリスを連れ帰ったから」
「ぼ、僕が来た時に変な怪物がいたんだ」
「怪物?」
「うん。頭が三つあって、犬みたいやつだった」
「それって!」
「間違えなく、ケルベロスだな」
「ヒール」
「......」
「ギリギリだけど間に合いそうだ」
「よ、よかった」
「でもアリスはなんで、ケルベロスと戦ったんだ?」
「僕もわからない」
「ネスがいなかったらアリスは死んでたし僕もネスも命が危なかった」
「うん」
「一体なんの騒ぎだ?」
「春の騎士団長‼︎」
「アリス⁇一体この怪我はなんだ?」
ゴゴゴゴゴッ
「僕もよくわからないけど、ネスの話だとケルベロスに襲われたって」
「ケルベロスだと⁉︎」
「封印が解けたのか?」
「わからない」
「まだ......」
「アリス‼︎」
「まだ完全には解けてない」
「怪我大丈夫なのか?」
「うん。この程度で済んでよかった」
「何があった」
「副団長が死んだ」
「えっ?冬の騎士団副団長のことか?」
「うん。私を庇って死んだ」
「......」
「もう時間がない。一刻も早く赤き同盟団を潰さなきゃ」
ドーン
「なんの音⁉︎」
「か、怪物が出たぞ!」
「もしかして、ケルベロス⁉︎」
「アリスはここで休んでろ」
「スペア!アリスを守れ。死なせたらお前の首を刎ねる」
「了解!」
「......」
「今ならまだ封印できるかもしれん」
「復活してないんだったらなんとかなる」
「ま、待って。私も......」
「アリス。必ず勝って戻って来るからな」
「や、やだ。行かないでよ」
今行ったら誰も戻ってこられなくなる。
ケルベロスは赤き同盟団に力を貸すことに決めたのであった。
「この程度で泣き叫ぶとは情けないやつめ」
「このクソ団長‼︎」
「口の利き方もなってない」
「俺の方がよっぽど団長に向いている!だから代われ!俺が団長になってみんなを引っ張ってやるよ」
「お前には無理だ」
「なんでだよ!」
「団長は強さだけで皆を引っ張っていけると思っているのか?」
「それ以外になにがあるんだよ!」
「人を想うやる心」
「......っ」
「もし騎士の皆が死んだのならそれは団長に責任がある。お前はそれに耐えられるのか?」
「......」
「一体いつからそんな欲望まみれになったんだ?ハンル卿」
「俺は......少なくても最初の頃は誰かの役に立ちたいって気持ちで入ったんだ」
「その気持ちを忘れていたと?」
「ああ、強くなるために必死に努力したのになれたのは副団長まで。その先に行こうとしても行けなかった」
「......」
「俺馬鹿だった。団長になるよりも仲間が大事なのにそれすら忘れて命を粗末にしようとしてた」
「その過ちに気付いたのならハンル卿は少なくても前に進めた。私はそう思う」
「あーあー。死にたくねぇな」
「ハンル卿⁇何を言って......」
ドンッ
「きゃっ!」
「俺は弱かった。力があっても心が弱いせいで命を落とすんだ」
「グアアアア‼︎」
「何あれ?」
ガブッ
「ハンル卿⁉︎」
グチャ
「あ、ああ......ああああ⁉︎」
「あれ?死んだのってあの副団長なのね?」
「......メリヤス」
「まぁどっちでもよかったからいいけどね。ケルベロスの供物にさえなればね」
「ケルベロス⁇」
確かに見た目もそうだけど、オーラが半端ない。
「よくもハンル卿を!」
「あんたも供物になりなさい」
「グアアアア‼︎」
二つの力を同時に使って心臓を狙えば......。
ガブッ
「えっ......」
「あははは‼︎」
「ぐっ!あ、アガっ!」
ドサッ
何が起きたの⁇速すぎて何も見えなかった。
「そのままケルベロスの供物に!」
ガリッ
「アアアアアア⁉︎」
グサッバキバキ
「いやあああ‼︎はぁはぁ......ガ、ア......」
「なかなか逝かないね⁇早く死んだらどうなの⁇」
「......」
駄目だ。もう意識が持たない。
「アリス‼︎」
「闇のドラゴン‼︎」
「グアアアア!」
パムッ
「しまった!」
このまま逃げられたらケルベロスの存在を認識させてしまう。
「死ね!」
ヒョイ
「避けた?」
「グーグーグーグー!」
「アリス!僕の声聞こえる?ねぇ!返事をしてよ。アリス‼︎」
「......」
パサパサ
「あれ?ネス?何やって......アリス⁉︎」
「モウ!君ならアリスの怪我治せるよね?早くしないとアリスが!」
「お、落ち着け。それに今の僕じゃ誰かを治す力なんてないよ」
「じゃあアリスはどうなるんだよ!」
「スペアなら治癒魔法が得意のはず」
「アリスの体温がもうほとんどないよ!」
「僕が運ぶから何か変なやつが出てきたら容赦なく殺せ!」
「わかった」
ダダダダダダッ
「アリスもう少しだけ耐えてくれ」
「......」
「スペア。お前はもう少し体の力を抜き相手の動きをよく見るんだ」
「はい!」
「スペア‼︎」
「あれって、モウとネス⁇」
「はぁはぁ、アリスが!アリスが‼︎」
「何があった!」
「早くアリスの怪我を治して!」
「アリスが死んじゃう!」
「......」
「アリス⁉︎一体何があったんだ?」
「僕は知らない。ネスが怪我したアリスを連れ帰ったから」
「ぼ、僕が来た時に変な怪物がいたんだ」
「怪物?」
「うん。頭が三つあって、犬みたいやつだった」
「それって!」
「間違えなく、ケルベロスだな」
「ヒール」
「......」
「ギリギリだけど間に合いそうだ」
「よ、よかった」
「でもアリスはなんで、ケルベロスと戦ったんだ?」
「僕もわからない」
「ネスがいなかったらアリスは死んでたし僕もネスも命が危なかった」
「うん」
「一体なんの騒ぎだ?」
「春の騎士団長‼︎」
「アリス⁇一体この怪我はなんだ?」
ゴゴゴゴゴッ
「僕もよくわからないけど、ネスの話だとケルベロスに襲われたって」
「ケルベロスだと⁉︎」
「封印が解けたのか?」
「わからない」
「まだ......」
「アリス‼︎」
「まだ完全には解けてない」
「怪我大丈夫なのか?」
「うん。この程度で済んでよかった」
「何があった」
「副団長が死んだ」
「えっ?冬の騎士団副団長のことか?」
「うん。私を庇って死んだ」
「......」
「もう時間がない。一刻も早く赤き同盟団を潰さなきゃ」
ドーン
「なんの音⁉︎」
「か、怪物が出たぞ!」
「もしかして、ケルベロス⁉︎」
「アリスはここで休んでろ」
「スペア!アリスを守れ。死なせたらお前の首を刎ねる」
「了解!」
「......」
「今ならまだ封印できるかもしれん」
「復活してないんだったらなんとかなる」
「ま、待って。私も......」
「アリス。必ず勝って戻って来るからな」
「や、やだ。行かないでよ」
今行ったら誰も戻ってこられなくなる。
ケルベロスは赤き同盟団に力を貸すことに決めたのであった。
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