死亡確定の敵キャラに転生したので全力で回避します

上野佐栁

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魔法学園へ

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 私が冒険者資格を手に入れて数日後経過しました。
 「リーリエ!リリア!まだ行かないで!」
 ギュウウウウ
 「お、お父さん⁇お母さん⁇苦しいから離して⁇」
 「はあー。やっぱりこうなった」
 「そうなの?」
 「うん。私が冒険に出る時も泣くながら行かないで!って言われたからね」
 「ああ......」
 「リーリエ!リリア!」
 スル
 「じゃあ行って来ます」
 ダッ
 「わっ‼︎」
 「近いうちに帰って来てね!」
 「はーい」
 「行って来ます」
 「いってらっしゃい」
 「前もこんなふうに二人の手からすり抜けて冒険に行ったんだ」
 「へぇー。意外だなぁ?」
 「そう?」
 「うん。てっきり何か脅したのかと......」
 「ねぇ?リーリエ。私のことなんだと思ってるの?」
 「もちろん私のたったひとりの姉だよ⁇」
 「その姉に対してその言い方は酷いよ」
 「そう?」
 「おいおい。お前ら......そろそろ馬車が来るぞ」
 「うん」
 「あっそうだった!リーリエはまだ魔法使うの禁止!」
 「うっ!はい」
 「なかなか治られねぇな?」
 「何か原因があるのかなぁ?」  
 「うーん?どうだろうね?」
 「......」
 私はひとつだけ心当たりがある。精霊の涙の宝石だ。あの日貰った精霊の涙の宝石はまだ持っている。その力強力だからきっとまだ魔力を少なからず吸われているのでは?そう考えている。だからといってあれを捨てずわけにはいかない。
 「あ!馬車が来た!」
 「早く依頼を終わらせてまた自由な冒険しようぜ」
 「そうだな!」
 「お前さん達......皇都部の西区にある魔法学園に行きたいなんて物好きだな?」
 「えっ?」
 「あそこは今、皇帝が不在だから好き放題やっているって噂だ」
 「......」
 「まぁあんたらは冒険者だから平気だろ?」
 「リリア、皆んな......油断だけは禁物だからね」
 「当たり前だ!」
 「俺は雑魚にはやられねぇぞ」
 「警戒は怠らない」
 「うん」 
 そして私達は馬車に乗り皇都部の西区魔法学園にやって来た。
 「ひろーい!」
 「......」
 「リーリエ⁇」
 「私......この世界の字が読めないだった!」 
 「え......」
 「嘘だろ?」
 「じゃあ何のために潜入するんだよ?」
 「まさか習ってないの?」
 「し、仕方ないでしょ‼︎私は今までシルクロードの所に居たんだから!あそこで字を習えって言われると思う?」
 「思わない」
 「入学式は明後日だぞ!」 
 「私達は一足先にやって来たのはいいけど、リーリエがあれじゃ......」
 「二日でマスターするんだな?」
 「い、い、い、いやあああああ⁉︎」
 このあと私は三人に監視されながら入学式までになんとか字をマスターするのであった。
 「もう字は読みたくないよー!」
 
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