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店をオープンしよう
4-3 再会
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店が完成し、大騒ぎだったあの宴会から1週間後――
ついに今日、俺の店『アルバス』がオープンする。
あれから毎日、ルシアさんに手伝ってもらいながらアルバスの宣伝用のビラを作り、街で配り歩いた。
掲示板にも張り紙を貼り、なんと冒険者ギルドにも貼ってもらった。
その甲斐あってか、ここ数日は下見に来る人がちらほら見えたが、何だか少し気恥ずかしかった。
昨日の夜は子供のようにワクワクして眠れなかったくらい、俺は今日を楽しみにしていた。
かなり早起きしてしまったが、もう店に向かおう。
オープンの時間は朝9時から、ラストは夜の10時、閉めるのが11時だ。
真ん中に2時間昼休憩と、客が居ない時間に適当に休憩を取ることにしている。
従業員は俺1人。
さーて、忙しくなるぞ!
なんてうきうきしながら店にやってきたが、そんな俺を待っていたのはひとつの通知。
9時半に王族、来店……………だそうだ。
その時間は客を入れてはいけないらしい。
俺は急いでその旨を記載した張り紙を店の前に貼る。
出鼻をくじかれたような気分だが、まずは店内の掃除から始めよう。
ホコリでもあったら大変だ。
今は朝の7時半。
十分に余裕がある。
せっせと店の掃除をしていると、ドアを開けてドラカが入ってきた。
「ふぁーぁ……おや早いねえ」
「あんたこそ随分早いんだな」
「まぁねぇ。これから王都1の料理店がオープンするって聞いてさぁ。つい早起きしちまったよ」
「プレッシャーをかけるな」
「で、店の前にあったオープン時間をズラすっていう張り紙はなんだい?」
「あぁ、店に来たらこの通知が届いていたんだ」
俺が紙を渡すと、ドラカは顔をしかめる。
「………王族サマも大変だねぇ。ま、あたしはさっさとお暇するから、頑張りなぁ」
「え、ドラカは同席しないのか? オーナーだろ」
「そんな堅苦しい席、だぁれが行くもんか」
「子供じゃないんだから……」
「とにかくあたしは王族サマが嫌いなんでね、帰るよ」
頑なに同席しようとしないドラカ。
さらに、「くれぐれもあたしのことは言うんじゃないよ。めんどくさいことになるからねぇ」と言い残してさっさと出ていってしまった。
あいつ、実は犯罪者だったりするのか?
あからさまに王族を避けている。
申請の手続きや検査の時も絶対に来なかった。
俺に自分のことを一切明かさない理由も王族が嫌いなことに関係があるのか?
そんなことを考えながら少しぼーっとしていると、ボーンボーンと時計が鳴る。
ハッとして見ると、もう9時を回っている。
もうこんなに時間が経っていたのか。
俺は慌てて残りの片付けを終わらせ、王族が来るのを待った。
そして、間もなく9時半というところでドアがノックされる。
「は、はい!」
ドキドキしながらドアを開けると、甲冑を着たいかにも兵士という見た目の男が数人、俺に挨拶をした。
「本日店をオープンする予定のロイズ料理人で間違いありませんか?」
「そ、そうです」
「規則に則り、ご挨拶に伺いました。本日は第3王女のヒストリア様が来店なさっています」
兵士の1人がそう言い、すっと横に逸れる。
奥からきらびやかなドレスを身に纏った女性が出てくる。
その女性が顔を上げると、俺は目を見開いた。
表情は人形のように静かだが、初クエストで共に戦ってくれたあの少女、セレスにそっくりだったからだ。
「せ……セレ……」
「ごきげん麗しゅう。ロイズ料理人。私ロマネリス王国第3王女、ヒストリアと申しますわ」
「ひ、ヒストリア……?」
他人の空似か?
俺がぼーっとしていると、兵士のひとりがずいっと前に出てきた。
「ロイズ料理人、いくら料理人様といえど、王女を呼び捨ては許されることではありません。訂正を」
「は、はいすみません。ヒストリア王女、お待ちしておりました」
まだ混乱しながらも、俺は王女さま御一行を店に招き入れた。
それからはあまり記憶が無い。
ただ指定されたように料理を作り、振舞った後、店内をくまなく検査され、問題がないと判断された。
「問題ないようでしたので、私たちはこれにて失礼いたしますわ」
「……」
「ロイズ料理人?」
俺を呼ぶ声までこんなにも同じなのに、本当に別人なのだろうか。
もしも隠しているにしろ何か理由があるに違いない。
だから俺は色んな意味を込めてこう答えた。
「また是非、ご来店お待ちしております」
セレス……いや、ヒストリア王女は驚いた顔をしたあと、すぐに元の人形のような表情に戻り、軽くお辞儀をして兵士たちと共に出て行った。
「セレス………」
双子だったら?
どちらにせよセレスは王族なのか?
名前が違うのはどうしてだ?
分からない。
疑問が多い。
どうしてドラカといいセレスといい何でもかんでも隠すんだ。
余計な混乱を招いているだろ。
俺は沈んだ気持ちのまま、店をオープンさせた。
ついに今日、俺の店『アルバス』がオープンする。
あれから毎日、ルシアさんに手伝ってもらいながらアルバスの宣伝用のビラを作り、街で配り歩いた。
掲示板にも張り紙を貼り、なんと冒険者ギルドにも貼ってもらった。
その甲斐あってか、ここ数日は下見に来る人がちらほら見えたが、何だか少し気恥ずかしかった。
昨日の夜は子供のようにワクワクして眠れなかったくらい、俺は今日を楽しみにしていた。
かなり早起きしてしまったが、もう店に向かおう。
オープンの時間は朝9時から、ラストは夜の10時、閉めるのが11時だ。
真ん中に2時間昼休憩と、客が居ない時間に適当に休憩を取ることにしている。
従業員は俺1人。
さーて、忙しくなるぞ!
なんてうきうきしながら店にやってきたが、そんな俺を待っていたのはひとつの通知。
9時半に王族、来店……………だそうだ。
その時間は客を入れてはいけないらしい。
俺は急いでその旨を記載した張り紙を店の前に貼る。
出鼻をくじかれたような気分だが、まずは店内の掃除から始めよう。
ホコリでもあったら大変だ。
今は朝の7時半。
十分に余裕がある。
せっせと店の掃除をしていると、ドアを開けてドラカが入ってきた。
「ふぁーぁ……おや早いねえ」
「あんたこそ随分早いんだな」
「まぁねぇ。これから王都1の料理店がオープンするって聞いてさぁ。つい早起きしちまったよ」
「プレッシャーをかけるな」
「で、店の前にあったオープン時間をズラすっていう張り紙はなんだい?」
「あぁ、店に来たらこの通知が届いていたんだ」
俺が紙を渡すと、ドラカは顔をしかめる。
「………王族サマも大変だねぇ。ま、あたしはさっさとお暇するから、頑張りなぁ」
「え、ドラカは同席しないのか? オーナーだろ」
「そんな堅苦しい席、だぁれが行くもんか」
「子供じゃないんだから……」
「とにかくあたしは王族サマが嫌いなんでね、帰るよ」
頑なに同席しようとしないドラカ。
さらに、「くれぐれもあたしのことは言うんじゃないよ。めんどくさいことになるからねぇ」と言い残してさっさと出ていってしまった。
あいつ、実は犯罪者だったりするのか?
あからさまに王族を避けている。
申請の手続きや検査の時も絶対に来なかった。
俺に自分のことを一切明かさない理由も王族が嫌いなことに関係があるのか?
そんなことを考えながら少しぼーっとしていると、ボーンボーンと時計が鳴る。
ハッとして見ると、もう9時を回っている。
もうこんなに時間が経っていたのか。
俺は慌てて残りの片付けを終わらせ、王族が来るのを待った。
そして、間もなく9時半というところでドアがノックされる。
「は、はい!」
ドキドキしながらドアを開けると、甲冑を着たいかにも兵士という見た目の男が数人、俺に挨拶をした。
「本日店をオープンする予定のロイズ料理人で間違いありませんか?」
「そ、そうです」
「規則に則り、ご挨拶に伺いました。本日は第3王女のヒストリア様が来店なさっています」
兵士の1人がそう言い、すっと横に逸れる。
奥からきらびやかなドレスを身に纏った女性が出てくる。
その女性が顔を上げると、俺は目を見開いた。
表情は人形のように静かだが、初クエストで共に戦ってくれたあの少女、セレスにそっくりだったからだ。
「せ……セレ……」
「ごきげん麗しゅう。ロイズ料理人。私ロマネリス王国第3王女、ヒストリアと申しますわ」
「ひ、ヒストリア……?」
他人の空似か?
俺がぼーっとしていると、兵士のひとりがずいっと前に出てきた。
「ロイズ料理人、いくら料理人様といえど、王女を呼び捨ては許されることではありません。訂正を」
「は、はいすみません。ヒストリア王女、お待ちしておりました」
まだ混乱しながらも、俺は王女さま御一行を店に招き入れた。
それからはあまり記憶が無い。
ただ指定されたように料理を作り、振舞った後、店内をくまなく検査され、問題がないと判断された。
「問題ないようでしたので、私たちはこれにて失礼いたしますわ」
「……」
「ロイズ料理人?」
俺を呼ぶ声までこんなにも同じなのに、本当に別人なのだろうか。
もしも隠しているにしろ何か理由があるに違いない。
だから俺は色んな意味を込めてこう答えた。
「また是非、ご来店お待ちしております」
セレス……いや、ヒストリア王女は驚いた顔をしたあと、すぐに元の人形のような表情に戻り、軽くお辞儀をして兵士たちと共に出て行った。
「セレス………」
双子だったら?
どちらにせよセレスは王族なのか?
名前が違うのはどうしてだ?
分からない。
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どうしてドラカといいセレスといい何でもかんでも隠すんだ。
余計な混乱を招いているだろ。
俺は沈んだ気持ちのまま、店をオープンさせた。
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