感情の無い僕が恋をした

サクラ

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影ながら応援させていただきますよ

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学校につく。オープンスクールでも見た学校は新鮮さなんてなかった。
卒業式と似ているかもしれない。
何度も練習して感動できない卒業式。
何度も行けと言われてやってきた学校に新鮮さなんて欠片もない学校。
中学校や小学校は初めて見た光景に新鮮そのものだった。
広い体育館、沢山並べられた机と椅子。
長い廊下の横にぎっしりと並ぶ窓。
広いグラウンド、鯉も泳ぐ池がある中庭。
うさぎ小屋とその隣に広がる小さな畑。
今では小さく見える全てがその時は大きく、見えた。新鮮に見えた。
色鮮やかな場所を知れば知るほど学校に行くことが面白くなるように思えた。
しかし、全てを知ってしまうとまた、モノクロな世界が戻ってきた。
鮮やかさなんて1つもない。
何処を見渡しても同じ色をした景色に僕は目を開けることすら嫌になった。
ずっと、ずっと、夢が続けばいいと、目を覚まさないように願った。
そのから僕が新たな色を見るのは、中学校入学時だ。
小さく色の区別もつかない小学校から、大きな中学校に変わった。
大きな体育館、多い人。広いグラウンド。
自転車を置くには少し狭い駐輪場。
また、僕の目が人間らしくなった。色が見えるようになった。
それでもまた、僕の目は段々と色を失っていった。
小学校と比べ中学校の方が学校というものを知っていた為か、単に飽きただけか。
理由は分からないが、小学校の方がより鮮やかで、長い時間色があったように思う。
僕は高校を見て改めて思う。
僕は成長するにつれて、僕の目に色が灯ることが難しくなると。
確信する。分かりたくもなかったことが分かってしまった。
もう色に対する執着も、希望も消えてしまった。

高校入学。
視界の隅に見える小さな色。初めての経験だ。
何時もはこの時の色が楽しみで楽しみで仕方なく、入学式は大好きだった。
もう、僕がそんなことを思うことはないだろう。
別に僕の目に問題がある訳ではない。気持ちの問題だ。
そもそも、そんなことの為だけに病院に行ったりはしない。
僕の小さな自慢だ。今まで1度も眼科に行ったことがない。
しょうもなさすぎるが、それが僕だ。
しょうもない男が僕という存在なんだ。
そんなしょうもない存在の僕が見た高校は、全くと言うほど色がなかった。
まぁ分かりやすく端的に言うのなら、楽しくなさそうな学校。
僕には、そうしか見えなかった。
だから、こんな学校に笑顔で登校する人の気持ちが全く分からなかった。
「あらあら、まだ初日だというのに。
そんな後ろ向きな言葉なんてまだまだ早いというものですよ。
まぁもし、巍城さんがそんな感情をいらないと思っているのであれば、喜んで買い取らせていただきますよ。
ですが、本当に大変なのはここからですよ。
頑張ってくださいね。影ながら応援させていただきますよ。」
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