再びあなたに会えて…

22

「ジョセフ様やめてください。王様、王太子殿下は今後どうなるのですか？」

　私の言葉に王様は重く口を開いた。

「私への隠蔽もあった、それにジョセフ殿の話を大臣達誰もが納得したのだ。今後隣国の王女に婿入りすることになる。」

「…そうですか…。」

　内心複雑な思いがしたが安心してるのも事実だった。

　ふと疑問に思いジョセフ様の顔を見た。

　何故、ここまで事が起きたのか。

　私が彼の顔を見つめていると、察した王妃様が口を開いた。

「ジョセフ様はあなたを取り戻そうと、私達に毎日話をしたの。最初、私たちも王太子の話を鵜呑みにしたのだけど、ジョセフ様のいう話に真実味を感じてね…。それで調べさせたの…。」

　王妃様の話に納得がいった。

　横を見るとジョセフは何も言わない。

　ただ私の手を強く握りしめてきた。

「さて、其方達に本当に申し訳なく思っている。詫びと言っては何だが、土地を一つ送ろう。」

　そう言って王様は、私たちに手渡してきた紙を見つめた。

　そこには領地の譲渡そして、誰も入ることのできないとかいてあった。

　横でジョセフ様は、頷いてこの話は終わった。

　二人の話は終わり、帰りの夜道馬車の中、私達は抱擁を交わしていた。

　長い間、会えなかった寂しさを埋める様に互いにキスを交わした。

「ジョセフ様…。」

「ジェーン…会いたかった。君に苦労をさせてばかりだな…。」

　反省する彼の姿が愛らしく感じた。

「ジョセフ様は私を取り返してくれました。諦めずに迎えにきてくれて嬉しいです。」

　心が晴れやかになった。

　彼の顔を見つめると、嬉しそうに目を潤ませている彼に私はキスを落とした。

「ジョセフ様…愛しています。」

「私もだ…。王様から頂いた領地に行こう、ジョナサンを連れて。」

「えっ…？」

　突然の事に驚いたが、彼は私を抱きしめていった。

「もう離れ離れは懲り懲りだ。これからは誰にも邪魔されずに生きていこう。」

　彼の言葉に私は嬉しくなり頷いた。

　ジョセフ様と同じ気持ちだから、これから親子で生きていこう…。

　それから私たちは、ジョナサンと再会を果たした。

　すぐに荷造りが用意されて、その日のうちに領地に入った。

　あれからジョナサンも10歳を迎えた。

　王様の言う通り、誰も領地に入って来ず私たちだけの生活が始まった。

　と言っても、貴族である義務は全うしている。

　それ以外は、この領地で三人幸せに暮らしている。

　ジョセフ様は今まで以上に私と過ごす時間が増えていた。

　そんな様子を息子のジョナサンは呆れながら見つめている。

　しかし家族の温かな生活に私は幸せを感じているのだった。

「愛してるよ、ジェーン。」

「えぇ…。」