【R18】聖女さま、団長とまぐわっていただけませんか?

澤谷弥(さわたに わたる)

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聖女(12)*

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 そしてアズサを抱きかかえたまま、彼はぐるりんと向きを変えた。つまり、アズサが彼の上に乗っている状態である。もちろん、肝心の下は合体したままだ。

「こうやってお前に見下ろされるのも、たまらないな」

 胎の中の彼がぶるりと震え、その存在を意識させた。

「んっ……」
「次は、アズサのいいように動いてくれ……。アズサに支配されるのも、悪くはない……」

 だが、アズサとしては繋がりを解放したかった。主導権を握っていいのであれば、好きにさせてもらう。
 膝をつき、腰を浮かそうとすると、彼の手がガシリと腰を固定した。

「逃げるのか? 俺の言葉も遮り、そうやって俺から逃げるのか?」

 言いながら、下から突き上げてくる。

「んっ……」

 不安定な騎乗位の状態でいいところを突かれてしまい、お腹を折って彼の上にくたりと倒れ込む。

「逃げる……あっ……、わけじゃ……、んんっ」

 ニールはアズサの後頭部に手を回し、深く唇を貪る。埋もれている彼の息子はさらにむくむくと成長する。

「アズサ……。先ほどのは治療行為だ。やっと俺から魔物の毒素が抜けた。だから、これからアズサと愛し合いたいんだ……」

 少し困ったように笑みを浮かべる彼に、アズサは困惑した。

「俺はアズサが好きだ……。俺をイかせてほしい……」

 懇願するような彼の声を耳にすると、ぐっと胸が締め付けられる。
 彼を征服したいと思っていたのは、遠い過去のように思える。

 耳たぶに彼の熱い吐息が触れた。きゅんと腹の下が疼く。

「うっ……。そうやって、俺を絞めつけるのは、無意識なのか? それとも俺が嫌いなのか?」
「嫌いじゃ……、ん、んっ……」

 下からずんずんとニールが腰を突き上げてくるため、アズサの奥が悲鳴をあげる。

「やっ……、あっ……、動か、ないで……」
「だが、アズサのここは俺を欲している」

 また、彼にイかされてしまう。イかせて欲しいと口にした彼によって。

 ニールはアズサの腹を撫でた。外側から圧が加わったことで、中にいる彼の存在をより確かなものにする。

「ここに俺がいる……。アズサ……。信じてもらえないかもしれないが、俺はアズサを愛している。俺を助けてくれるのは、アズサでなければならなかった……」

 愛欲に満ちた目で見つめられたら、その言葉が偽りではないとアズサでさえもわかる。

「私も……。あなたのことが嫌いじゃない。嫌いだったら、今、あなたとこうしていない……」

 好きと口にしないところが素直ではないと思っている。
 だけど、アズサのほうから口づけた。素直に言葉にできない分、行動で示す。ただ触れるだけの口づけは、すぐに離れた。

「アズサは、俺を煽るのが上手なようだ」
「煽ってなんか、いない」
「無自覚か。だが、それがアズサの魅力でもあるな。まぁ、いい。アズサのが動かないなら、俺から動く。なによりも、アズサから動いてもいい許可をもらっているからな。だから、ここに溢れるほどの俺を注ぐ」

 ぐっと腹を押された。

「あっ……、ひっ……、あ、あぁっ」

 下から動かれると、まるで暴れ馬にでも乗っているような状態だ。力をいれて踏ん張らなければ、彼から振り落とされてしまう。

「やぁっ……、あん、激しいの……」
「激しく動く許可を出したのもアズサだろう?」

 結合部からは、ぬちゅぬちゅと卑猥な音が聞こえる。蜜口から溢れ出る愛液は、精液と交じり合って二人を濡らす。

「アズサも、動いてくれ……」

 どうやら下からの動きには限度があるらしい。アズサにとっては、先ほどとは違う動きで違う場所に触れられ、また熱が高まってきたところなのに。

「んっ……あ、はぁ……」

 一番強く感じる臍の裏襞を刺激するように、膝をついて腰を動かす。

「うっ……」

 アズサが動くたびに、下からもうめき声が聞こえる。主導は握った。

「これが……、いいのかしら……?」
「あぁ……」

 ニールの手が結合部に伸びてくる。

「いやらしく、俺のものが出たり入ったりしてる……。ここもこんなに……」
「あ、んっ……」

 彼は敏感な場所を弄ぶ。イきたくて、動きが速くなる。

「に、ニール……、イく……、イっちゃう……」

 すとんと彼の上で動きを止めた。腹の底から広がる愉悦が、全身へと行き渡る。力が入らずに、彼にしがみつく。息はあがり、頭の中には霧がかかったように、夢か現かわからない。
 それでも下にいるニールの突き上げは終わらない。両手を後ろについて、前後に腰を振る。

「うぅっ」

 彼も苦しそうに声をあげると、ドクンと中にいる彼が震えた。熱い飛沫が放たれる。
 互いに強く抱きしめ合う。

「アズサ……」

 彼の低くて心地よい声が、耳元でささやく。

「愛している……。俺の聖女……」

 アズサはそれに答える素振りは見せずに、彼の胸元に顔を埋めた。
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