12 / 22
聖女(12)*
しおりを挟む
そしてアズサを抱きかかえたまま、彼はぐるりんと向きを変えた。つまり、アズサが彼の上に乗っている状態である。もちろん、肝心の下は合体したままだ。
「こうやってお前に見下ろされるのも、たまらないな」
胎の中の彼がぶるりと震え、その存在を意識させた。
「んっ……」
「次は、アズサのいいように動いてくれ……。アズサに支配されるのも、悪くはない……」
だが、アズサとしては繋がりを解放したかった。主導権を握っていいのであれば、好きにさせてもらう。
膝をつき、腰を浮かそうとすると、彼の手がガシリと腰を固定した。
「逃げるのか? 俺の言葉も遮り、そうやって俺から逃げるのか?」
言いながら、下から突き上げてくる。
「んっ……」
不安定な騎乗位の状態でいいところを突かれてしまい、お腹を折って彼の上にくたりと倒れ込む。
「逃げる……あっ……、わけじゃ……、んんっ」
ニールはアズサの後頭部に手を回し、深く唇を貪る。埋もれている彼の息子はさらにむくむくと成長する。
「アズサ……。先ほどのは治療行為だ。やっと俺から魔物の毒素が抜けた。だから、これからアズサと愛し合いたいんだ……」
少し困ったように笑みを浮かべる彼に、アズサは困惑した。
「俺はアズサが好きだ……。俺をイかせてほしい……」
懇願するような彼の声を耳にすると、ぐっと胸が締め付けられる。
彼を征服したいと思っていたのは、遠い過去のように思える。
耳たぶに彼の熱い吐息が触れた。きゅんと腹の下が疼く。
「うっ……。そうやって、俺を絞めつけるのは、無意識なのか? それとも俺が嫌いなのか?」
「嫌いじゃ……、ん、んっ……」
下からずんずんとニールが腰を突き上げてくるため、アズサの奥が悲鳴をあげる。
「やっ……、あっ……、動か、ないで……」
「だが、アズサのここは俺を欲している」
また、彼にイかされてしまう。イかせて欲しいと口にした彼によって。
ニールはアズサの腹を撫でた。外側から圧が加わったことで、中にいる彼の存在をより確かなものにする。
「ここに俺がいる……。アズサ……。信じてもらえないかもしれないが、俺はアズサを愛している。俺を助けてくれるのは、アズサでなければならなかった……」
愛欲に満ちた目で見つめられたら、その言葉が偽りではないとアズサでさえもわかる。
「私も……。あなたのことが嫌いじゃない。嫌いだったら、今、あなたとこうしていない……」
好きと口にしないところが素直ではないと思っている。
だけど、アズサのほうから口づけた。素直に言葉にできない分、行動で示す。ただ触れるだけの口づけは、すぐに離れた。
「アズサは、俺を煽るのが上手なようだ」
「煽ってなんか、いない」
「無自覚か。だが、それがアズサの魅力でもあるな。まぁ、いい。アズサのが動かないなら、俺から動く。なによりも、アズサから動いてもいい許可をもらっているからな。だから、ここに溢れるほどの俺を注ぐ」
ぐっと腹を押された。
「あっ……、ひっ……、あ、あぁっ」
下から動かれると、まるで暴れ馬にでも乗っているような状態だ。力をいれて踏ん張らなければ、彼から振り落とされてしまう。
「やぁっ……、あん、激しいの……」
「激しく動く許可を出したのもアズサだろう?」
結合部からは、ぬちゅぬちゅと卑猥な音が聞こえる。蜜口から溢れ出る愛液は、精液と交じり合って二人を濡らす。
「アズサも、動いてくれ……」
どうやら下からの動きには限度があるらしい。アズサにとっては、先ほどとは違う動きで違う場所に触れられ、また熱が高まってきたところなのに。
「んっ……あ、はぁ……」
一番強く感じる臍の裏襞を刺激するように、膝をついて腰を動かす。
「うっ……」
アズサが動くたびに、下からもうめき声が聞こえる。主導は握った。
「これが……、いいのかしら……?」
「あぁ……」
ニールの手が結合部に伸びてくる。
「いやらしく、俺のものが出たり入ったりしてる……。ここもこんなに……」
「あ、んっ……」
彼は敏感な場所を弄ぶ。イきたくて、動きが速くなる。
「に、ニール……、イく……、イっちゃう……」
すとんと彼の上で動きを止めた。腹の底から広がる愉悦が、全身へと行き渡る。力が入らずに、彼にしがみつく。息はあがり、頭の中には霧がかかったように、夢か現かわからない。
それでも下にいるニールの突き上げは終わらない。両手を後ろについて、前後に腰を振る。
「うぅっ」
彼も苦しそうに声をあげると、ドクンと中にいる彼が震えた。熱い飛沫が放たれる。
互いに強く抱きしめ合う。
「アズサ……」
彼の低くて心地よい声が、耳元でささやく。
「愛している……。俺の聖女……」
アズサはそれに答える素振りは見せずに、彼の胸元に顔を埋めた。
「こうやってお前に見下ろされるのも、たまらないな」
胎の中の彼がぶるりと震え、その存在を意識させた。
「んっ……」
「次は、アズサのいいように動いてくれ……。アズサに支配されるのも、悪くはない……」
だが、アズサとしては繋がりを解放したかった。主導権を握っていいのであれば、好きにさせてもらう。
膝をつき、腰を浮かそうとすると、彼の手がガシリと腰を固定した。
「逃げるのか? 俺の言葉も遮り、そうやって俺から逃げるのか?」
言いながら、下から突き上げてくる。
「んっ……」
不安定な騎乗位の状態でいいところを突かれてしまい、お腹を折って彼の上にくたりと倒れ込む。
「逃げる……あっ……、わけじゃ……、んんっ」
ニールはアズサの後頭部に手を回し、深く唇を貪る。埋もれている彼の息子はさらにむくむくと成長する。
「アズサ……。先ほどのは治療行為だ。やっと俺から魔物の毒素が抜けた。だから、これからアズサと愛し合いたいんだ……」
少し困ったように笑みを浮かべる彼に、アズサは困惑した。
「俺はアズサが好きだ……。俺をイかせてほしい……」
懇願するような彼の声を耳にすると、ぐっと胸が締め付けられる。
彼を征服したいと思っていたのは、遠い過去のように思える。
耳たぶに彼の熱い吐息が触れた。きゅんと腹の下が疼く。
「うっ……。そうやって、俺を絞めつけるのは、無意識なのか? それとも俺が嫌いなのか?」
「嫌いじゃ……、ん、んっ……」
下からずんずんとニールが腰を突き上げてくるため、アズサの奥が悲鳴をあげる。
「やっ……、あっ……、動か、ないで……」
「だが、アズサのここは俺を欲している」
また、彼にイかされてしまう。イかせて欲しいと口にした彼によって。
ニールはアズサの腹を撫でた。外側から圧が加わったことで、中にいる彼の存在をより確かなものにする。
「ここに俺がいる……。アズサ……。信じてもらえないかもしれないが、俺はアズサを愛している。俺を助けてくれるのは、アズサでなければならなかった……」
愛欲に満ちた目で見つめられたら、その言葉が偽りではないとアズサでさえもわかる。
「私も……。あなたのことが嫌いじゃない。嫌いだったら、今、あなたとこうしていない……」
好きと口にしないところが素直ではないと思っている。
だけど、アズサのほうから口づけた。素直に言葉にできない分、行動で示す。ただ触れるだけの口づけは、すぐに離れた。
「アズサは、俺を煽るのが上手なようだ」
「煽ってなんか、いない」
「無自覚か。だが、それがアズサの魅力でもあるな。まぁ、いい。アズサのが動かないなら、俺から動く。なによりも、アズサから動いてもいい許可をもらっているからな。だから、ここに溢れるほどの俺を注ぐ」
ぐっと腹を押された。
「あっ……、ひっ……、あ、あぁっ」
下から動かれると、まるで暴れ馬にでも乗っているような状態だ。力をいれて踏ん張らなければ、彼から振り落とされてしまう。
「やぁっ……、あん、激しいの……」
「激しく動く許可を出したのもアズサだろう?」
結合部からは、ぬちゅぬちゅと卑猥な音が聞こえる。蜜口から溢れ出る愛液は、精液と交じり合って二人を濡らす。
「アズサも、動いてくれ……」
どうやら下からの動きには限度があるらしい。アズサにとっては、先ほどとは違う動きで違う場所に触れられ、また熱が高まってきたところなのに。
「んっ……あ、はぁ……」
一番強く感じる臍の裏襞を刺激するように、膝をついて腰を動かす。
「うっ……」
アズサが動くたびに、下からもうめき声が聞こえる。主導は握った。
「これが……、いいのかしら……?」
「あぁ……」
ニールの手が結合部に伸びてくる。
「いやらしく、俺のものが出たり入ったりしてる……。ここもこんなに……」
「あ、んっ……」
彼は敏感な場所を弄ぶ。イきたくて、動きが速くなる。
「に、ニール……、イく……、イっちゃう……」
すとんと彼の上で動きを止めた。腹の底から広がる愉悦が、全身へと行き渡る。力が入らずに、彼にしがみつく。息はあがり、頭の中には霧がかかったように、夢か現かわからない。
それでも下にいるニールの突き上げは終わらない。両手を後ろについて、前後に腰を振る。
「うぅっ」
彼も苦しそうに声をあげると、ドクンと中にいる彼が震えた。熱い飛沫が放たれる。
互いに強く抱きしめ合う。
「アズサ……」
彼の低くて心地よい声が、耳元でささやく。
「愛している……。俺の聖女……」
アズサはそれに答える素振りは見せずに、彼の胸元に顔を埋めた。
45
あなたにおすすめの小説
異世界召喚されたアラサー聖女、王弟の愛人になるそうです
籠の中のうさぎ
恋愛
日々の生活に疲れたOL如月茉莉は、帰宅ラッシュの時間から大幅にずれた電車の中でつぶやいた。
「はー、何もかも投げだしたぁい……」
直後電車の座席部分が光輝き、気づけば見知らぬ異世界に聖女として召喚されていた。
十六歳の王子と結婚?未成年淫行罪というものがありまして。
王様の側妃?三十年間一夫一妻の国で生きてきたので、それもちょっと……。
聖女の後ろ盾となる大義名分が欲しい王家と、王家の一員になるのは荷が勝ちすぎるので遠慮したい茉莉。
そんな中、王弟陛下が名案と言わんばかりに声をあげた。
「では、私の愛人はいかがでしょう」
泡風呂を楽しんでいただけなのに、空中から落ちてきた異世界騎士が「離れられないし目も瞑りたくない」とガン見してきた時の私の対応。
待鳥園子
恋愛
半年に一度仕事を頑張ったご褒美に一人で高級ラグジョアリーホテルの泡風呂を楽しんでたら、いきなり異世界騎士が落ちてきてあれこれ言い訳しつつ泡に隠れた体をジロジロ見てくる話。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
私が偽聖女ですって? そもそも聖女なんて名乗ってないわよ!
Mag_Mel
恋愛
「聖女」として国を支えてきたミレイユは、突如現れた"真の聖女"にその座を奪われ、「偽聖女」として王子との婚約破棄を言い渡される。だが当の本人は――「やっとお役御免!」とばかりに、清々しい笑顔を浮かべていた。
なにせ彼女は、異世界からやってきた強大な魔力を持つ『魔女』にすぎないのだから。自ら聖女を名乗った覚えなど、一度たりともない。
そんな彼女に振り回されながらも、ひたむきに寄り添い続けた一人の少年。投獄されたミレイユと共に、ふたりが見届けた国の末路とは――?
*小説家になろうにも投稿しています
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる