NTRたので証拠を集めていたら宰相様にNTRました

ぱっつんぱつお

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弾ける果実

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「ん、んんっ、はぁっ……な、ななななななにして!!?」
「アイビー。君ってば本当に可愛いね」

 真っ赤になっているだろう頬に口づけをされベッドに下ろされた。
 タイを緩める姿。彼の体重でベッドが沈むと、後退りもしにくい。

「ち、ちょっと待って!? アイザック様!? なに、なんでこんな、わ、訳が……!」
「し、」

 黙って、と人差し指が唇に当てられる。
 こんなことされて黙る意味が分からない。でも真剣な瞳が突き刺さるから、つい言われた通りに口をつぐんでしまった。
 人差し指はゆっくりゆっくりと耳へ移動し、ふちを撫でいじる。
 背中に走る微弱な電気。なんとも言えぬ快感に子宮がどくんと脈打つと、「あっ」と厭らしく口を開いてしまった。
 ここぞとばかりにアイザック様は再び唇を奪うと、舌を潜り込ませてくる。
 もう訳が分からないのに自然と舌を絡ませてしまっている己も怖い。
 太腿に添えられたアイザック様の大きな手を意識してしまって、物凄く奥が切ない。

「アイ、ザックさま……駄目です……っわたし、婚約者が……!」
「なあに? まだ反抗するの? 身体は正直なのにね」
「あんっ! どこ触ってるんですかぁっ! そ、それに、オジサンみたいなこと言わないで下さいっ……!」
生憎あいにくオジサンなものでね。あ、逃げる気?」


 スカートに手を潜り込ませて生脚を触るものだから、反射的に引っ込めた。
 ベッドから逃げようとする私に、「そうはさせないよ」とアイザック様は後ろから抱きしめてくる。
 アンダーバストに回されている彼の腕に、微かに胸が当たっていることには気付いているだろう。

 ドレスの下ではっくのうにピンと立ったバストトップが、生地と擦れて僅かな刺激を与える。
 耳元にはアイザック様の甘い息が掛かり、逃さないよ、なんて怖い言葉に電気が走った。
 左の耳を舌で丁寧に愛撫されて、どうにかなってしまいそうだ。

「ああっ! はっ、んん、アイザック様どうかおめ、あんっ……!」
「止めてあげない」
「ひぅ、なんでっ、あっ、も、それ駄目っ……気持ちいいからっ……」


 ふふ、と耳元で微笑むアイザック様。
 抱きしめていた腕が緩むと、彼の左手はドレスの生地を指先で愉しむようにバストへと移動した。
 そして、強く掴むでもなく、優しく揉むでもなく、ただトップの周りをくるくると指先ですべらしているだけ。そこに与えられる刺激は生地との戯れだけなのだ。
 僅かにしか感じ取れない刺激。子宮が寂しくて痛いぐらい。
 左の耳は丁寧に愛撫されているのに、もっと欲しい。
 気持ち良いしもっと欲しいから、背中を反らせて胸を突き出してみるも、与えられる刺激は変わらない。

「はあっ! んんっアイザック様……!」
「んー?」

 分かっているくせに、「どうしたの?」と聞いてくる。
 欲しい。欲しいけど、ジャンの存在が頭をよぎる。
 こんな事は、やっぱり駄目だ。
 同じ過ちを私は犯してしまうのか?

「ッだめ、アイザック様、やはり、こんな事いけません……!」
「全く。強情だな君は」

 そう呟くと、ガリ、と耳を噛まれた。
 アイザック様の右手は、刺激に耐える脚を伝い、付け根を擦られる。
 入り口がひくひくと彼を欲して、私から溢れた液が彼の指先を汚してしまう。


「あ、ん、はあっ、アイザック様っ!」
「ねぇアイビー。言っておくれよ。私が欲しいって。そうしたら楽になるよ? ね、欲しいって言って? 私も限界なんだよ」
「もうっ! もう、もう、もうっ……!! お願い挿れてっ……! 我慢っ、出来ないっ……」
「っはぁー……、アイビー。やっと言ってくれたか」

 腰に当たる彼のものが嘘ではないと証明してくれる。
 業務ではない『行為』に、これまで以上に身体は震えて、ドレスのボタンを外されるたび、より溢れてくる。
 今まで年上らしくもてあそんでいたのに、我慢出来ないという風にベルトを外すアイザック様。
 その姿が嬉しくて、けれどこれが終われば私はまたジャンの隣へ戻らねばならい。それを思うと悲しくもあった。


「ああッ……! やあ、も、やだぁっ、気持ちいいっ……!」
「アイビーったら。まだ入り口に当てただけじゃないか」

 言う通り、彼のものを入り口に当てられ、ほんの少し擦られているだけなのに気持ちよくて仕方ない。
 奥まで挿れられたらどんなだろう。想像するだけで達しそうだ。

「力を抜いて、アイビー」

 低くて優しくて落ち着いた声が、耳のそばで囁く。
 ひくひくと彼のものを吸込もうと必死になっていた私の膣に、徐々に入り込んでくる。


「はああああっ……!! んっ、あッ、アイザックさまぁッ……! や、あ、あ!」
「っ、アイビー……キツいよ、こんなに締められたらッ……!」


 驚いた。
 ただ奥まで挿れられただけなのに。込み上げるものを抑えきれず、達してしまった。
 ジャンのより少し大きな男性器。きゅうきゅうと締め上げられて、ナカでまた大きくなる。
 アイザック様は痙攣する私に構わず腰を動かした。


「あっ! あっ! いま、イッて、ひあ、あっ……!」
「あーーもう君ってば可愛すぎ。っ……く、アイビー、こっち、向いてっ……? キスをしよう……?」
「あ、ん、アイザックさまっ、アイザックさまっ! ふ、ん、んんっ」

 キスをして、体勢を変えて正面から抱き合って、互いに求め合う瞳がぶつかって。相手の顔を見ながらする行為がこんなに気持ち良いとは。


「アイビーっ、またっ、締まってる……!」
「はあッ、はあッ……! あ、あ、あ! ふ、あん、またっ、きちゃう、気持ちいいっ……! アイザック様っ、気持ち良いっ……!」
「っ、ああアイビー、私も気持ちいいよ、ッ……んっ、くぅ……っ!」


 激しい水音と厭らしい声が部屋に響いて、一番奥でぶつかって、私達は、弾けあった──。
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