召喚鬼 異世界冒険噺

悠遊

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第一章

第一道中  邂逅

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【日本】とは何の縁も無い異世界【エディンベル】
 そしてこの世界に生まれ、幼い頃から憧れていた“召喚士”になる事を志す少年──アベル。

 何の秀でた特徴も無いごく平凡な少年は今、人生最悪の展開を迎えていた──。

 
 ところは首都【ミストラル】にて。この日は『初級召喚士試験』当日──彼は幼い頃から憧れていた召喚士としての本資格を得るため、この日に向けて学業と薬草販売のアルバイトを昼夜問わず両立しての忙しさをやりくりしながら勉強してきた。
 この“試験”という大勝負になると、彼は普段なら緊張で心音が鼓膜まで響くのだが、今回は予習復習といつも以上に勉学に励んだおかげもあって不思議と余裕があったのである。
(よーし、今回は何だか調子が良いぞー。これなら試験も問題無くクリア出来そうだ!)
 会場には当然他の受験者もいたが、この時のアベルは周りのことなど気にも留めず、まさに絶好調を全身に纏っていたと言っても過言ではない。
 試験の内容は“魔力適性”と“召喚士においての基礎知識”と“実施召喚”の三種。特に重要なのは“実施召喚”で、この時召喚される《対象者》を喚び出す事に成功すれば、今後の召喚士としての道を歩むこととなる。
 次へ、次へと、一人一人順番に試験は回り、ようやくアベルの順番になって“実施召喚”を行なっていた時、事件は起きた。

 召喚の最中──彼は、のである。

 召喚術に必要な魔力量が溢れ出てしまい、あろうことか試験会場を吹き飛ばしてしまったのだ。
 
 会場は騒然、すでに審査員や受講者は速やかに避難している。
 そして、事故を起こした張本人は、残骸散らばる床の上で独り呆然と天井を見上げて意識薄れいく最中、自問自答を繰り返していた。

 何故こんな事になってしまったのか?
 どこで手順を間違えたのか?
 この後、自分はどうなってしまうのか?

 どうして……どうして……──。

(あぁ……やっぱり、僕には才能が無かったのかなぁ…)
 少し頭を起こせば、視線の先に見える蒼白い光の渦。アベルが造った『召喚門サモンズゲート』だ。
 本来ならそこから召喚される対象が現れるのだが、それすら無い。
 無意識に心の底からどこか期待をしていたようで、更なる絶望が重くのし掛かってきた。
(………もう…いいや。このまま──) 
 その時だ。
 視界の端で白光が輝きを増していく様子を捉え、アベルは塞ぎかけていた瞼を開き、両肘で上半身を無理矢理起こす。
 
 輝きは更に増し、徐々に大きくなっていき、やがて急速に収束すると一気に弾けた。
 其処に現れたモノ、いや《対象者》は──…。

「………ここ、は…?」
「ッッッ!!!」
 
 先ず感じたものは歓喜よりも怖気。再び味わう天国と地獄。
 目の前に居るのは、額に二本の角を生やした見たことの無い衣装を纏う美女。
 普段ならその美貌と艶やかな気配に見惚れてしまうだろう。が、さえなければの話しだ。

 額に角を生やす種族── 《魔鬼ディアボルス》。

 それは、この世界において“最も悪しき者”と恐れられ、魔物の中でも上位悪として位置付けられている存在。
 世間巷では『一度ひとたびえば命は無い』とさえ云われている程の凶悪なのだ。
「ぁ……あぁぁ…!!」
 一刻も早く逃げなければ──。
 痛む身体に鞭を入れ、アベルは寝そべったまま引き下がって行った。
「ん? ねぇ、そこの」
「ひぃっ!?」
 人間ひとでは無い緋色の瞳に心臓を鷲掴みにされ息が止まった。
 恐怖に引き攣る彼の様子に、相手は苦笑いを浮かべる。
「そんな怖がらなくていいわよ。あのね──」
 と、そこへ複数の足音がこの場に近づいて来る。
「ここだ──ッ!!! キ、キサマの仕業か、この《魔鬼ディアボルス》めッ!!!」
 騒ぎに駆け付けた複数の衛兵が一斉に手にしている槍を構える。
「は? でぃ、でぃあ……何だって?」
 瞬きを繰り返し、首を傾げて何気なく一歩踏む。すると、衛兵達は殺気度合いを上げていつでも踏み込めるように戦闘態勢へと移った。
「………ふぅん。そう…いきなりそんな態度を取るのね」
 目を細め、冷淡な眼差し向ける謎の女。
 たったそれだけだが、衛兵達は皆が一様に顔を引き攣らせ、すくみ上がってしまった。
「私の名は“こう”。貴方達が何処の誰かなんて知らないけど、って事は…それなりの覚悟があるって意味よね?」
 淡々と告げてまた一歩踏み出し、そのままゆっくり歩を進めて行く。
 彼女の威圧に全員が気圧され、衛兵達は槍を構えたままじりじりと退がり、アベルもゆっくりとだが遠去かろうと必死だった。
「こ…ッ、ウオオォォォォォォォ!!」
 先頭にいた隊長格と思しき男が突然雄叫びを上げて猪のように突進し、身を捩って渾身の突きを紅の額に向けて放った。

 ──しかし…。



    パシッ!!


 
「!?」
 紅は顔色ひとつ変えずあっさりと槍を掴んだ。
 男が振り解こうと槍に力を込めるが、掴まれた槍は全く動かない。
 その体格差は一目瞭然、どちらが屈強かととわれれば圧倒的に男の方だ。
「ぐ……ぉ、お、おお……っ!?」
 それがどうだ。今皆の前で、男の槍は彼女によって
「た……隊長が、圧されている……!?」
 衛兵の一人がぽつりと呟いた。
 もはや力の差は歴然。圧倒的な差を見せ付けられているようだった。
「…全く。少しは骨のある武士もののふかと思いきや、軟弱者ね。見てくれだけ、なりだけ一丁前。情けないったらありゃしない。今の日の本みたいね」
「っ…ナニを戯言をぉぉ……ッッ!!」
 腕に血管が浮かび上がる──しかしどんなに力を込めようと結果は変わらなかった。
「やーめた」
 と、紅は掴んでいた槍をほうり捨て、男は力の反動も相まって後ろへ大きくよろめき、後方で控えていた衛兵達に勢いよくのし掛かった。
 これも予想だにしていなかった事なのか、男はおろか他の衛兵も困惑を隠せないで唖然と紅を見つめている。
「──ッッ、何のつもりだ!?」
「興醒めよ。私の気が変わらないうちにさっさと消えなさい」
「な──っ!?」
 衛兵一同が再び槍を構える。
 そして間髪入れず、今度は紅も片手だけ爪を鋭く生やして牽制を仕掛けた。
「ッッ!!!」

 二度目は無い──。

 無言でそう言い放っていた──。

 その恐るべき気迫に、彼女以外の全員が戦慄を肌に感じ、無意識に身を竦ませてしまう。
「───ッッッ、ひ……退けェェェ!! 態勢を立て直すぞォッ!!」
 隊長が号令を掛けると全員が転進、一目散にその場を去って行った。 
「………………はぁぁ。さーてと──と、おや?」
 紅が振り向くと、先程まで這いつくばっていた少年がいつの間にかいなくなっていた。
 が、紅はとばかりに近くの瓦礫の山へと真っ先に向かって歩き始め、その周りをなぞって進む。
「んんー……あ」
「あ」
 お互いの目と目が合った。
 紅が衛兵達と対峙している間にこっそり瓦礫の陰に隠れていたアベルであったが、あっさりと見つかってしまった。
「く、来るな……こっち来るなよぉぉ!!」
 恐怖に身を縮こませながら駄々っ子のように両腕を振り回す。
 そんな彼の怯えきった様子に紅は大きく肩をすくめ、呆れ顔になりながら彼を冷たく見下ろす。
「……よいしょ」
「??」
 しばし悩んだ末に、紅はその場にしゃがみ込んだ。
 彼女の行動に理解が追いつかないアベルは両腕を振り上げたまま固まっている。
「そんな興奮しないで。ほら──こっちを見なさい」
 と、少しずつにじり寄って行き、腕を伸ばして彼に届く距離まで近付くと止まり、片手を彼の頬に当てる。
 一瞬顔を引き攣らせたアベルだったが、彼女の柔和な笑みに泣きべそをかいたままのまなこで凝視した。
 綺麗な微笑みだった──先程の殺気立った気配からは想像もつかない、まるで“優しいお姉さん”を彷彿させるほどに。
 ──思わず見惚れてしまった。
「少しは落ち着いた?」
「は……はい…」
「そう──それならさっさと吐いてもらおうかしら?」
「へ?」
 添えられていた手から圧力を感じた。
 再び襲来してきた戦慄にアベルは硬直してしまい、否応が無しに彼女から目が離せない。
「さて、まずは貴方のお名前を聞こうかしら?」
「あ…アぁ──」
「…もう! さっさと言いなさいなッ! さっきの奴等が戻ってきちゃうでしょ!」
「アぁアァァ、アベル!! アベルですッ!!」
「うむ。それじゃあ“あべる”とやら、此処はいったい何処なのかしら? 【近江】? それとも【陸奥国】?」
「は…? ど、どこなのそれ……? ここ、ここは【首都ミストラル】だよ!」
「………何だって?」
 聞いたことの無い地名に紅は瞬きを繰り返しながら首を横に傾げる。
「だから【首都ミストラル】だって! あ、いやそれよりも……ね、ねぇ! お前もしかして──むぐっ!?」
 言いかけたところで紅が目にも止まらぬ速さで添えていた手を動かし、今度は口元を鷲掴んだ。頬骨が鈍く軋む音が鼓膜にまで伝わってくる。
「『お前』ですって? 随分気安く言ってくれるわね? その生意気な口、二度と開かないようにしてやろうか」
 眼が本気だ──直感でそう悟り、怯え震えるあまり高速で小刻みに首を横に振り続けた。
 すると、すんなり手を放してくれたが、鋭い眼差しのまま冷笑を浮かべている。
「……ん?」

 ──外が一段と騒がしくなった。もしかしたら先程の衛兵達が戻って来たのかもしれない。

「とりあえず場所を変えましょうか。色々と聞きたい事があるからね」
 と、紅はアベルの胸ぐらを掴んで軽々と持ち上げて肩に担ぎ、すぐさま崩落して穴の空いた天井目掛けて跳躍──背中越しから泣き叫ぶアベルを煩わしく思いつつ、朽ちた屋根の一角に降り立つ。
 そして周囲を見渡し、絶句した──。
 見た事の無い建築物と地形。眼下に見える人間とは違う未知なる種族。
「………日の本じゃ、ない…?」
 不意に言葉が溢れた。
 これは夢か現実か──思考が碌に働かない。
「おい見ろッ!! あそこだッ!!」
「ほ、本当に《魔鬼ディアボルス》だ…!! いったいどこから入って来たんだ!?」
 建物の屋根に呆然と佇む彼女を目の当たりにした者達が次々に囃し立て、喧騒をより大きくしていく。
 その喧しさに紅は我に返り、警戒を兼ねて周囲を一望。少し離れた先から金属の防具を纏った武装集団が、騒ぎを嗅ぎつけて迫って来る。
「ねぇ“あべる”とやら。この辺で落ち着いて話しが出来る場所ってあるかしら?」
「そ、そんなの…! あー、えっとぉ……あ、そうだ! このまま後ろ向いて!!」
 言われた通り紅は振り向き、場所を確認する──視線の先には、複数の山々が重なり連なっている場所が見える。おまけに街からもかなり離れていた。
 あそこまで行けば追手からは逃れるだろう。と、紅の直感が告げる。
「向こうの山だったらたぶん大丈夫! あそこならそう簡単にやって来れないはずだよ!」
「そう…ならば跳んで行くから、舌噛まないよう気をつけなさいね!」
 と、紅は目的地を目指して再び跳躍──次々に建物から建物へと八艘飛はっそうとび、所々人目を横切っての移動だったこともあり、幾度となく悲鳴を上げられてはそれを無視して横切り、異界の空を駆け抜ける。 
 そう──それはかつて、京の都で暴れ回っていた頃の感覚──この何とも云えない高揚感が、次第に紅の鎮まっていた魂を燻らせていく。
 彼女の口元には自然と獰猛な笑みが浮かんでいた。
「あっはっはっはっ!!! そぅらどいたどいたぁ!! “灼炎姫しゃくえんき”お紅がまかり通ぉぉぉる!!!」 

 実に爽快──そして、愉快だ。

 眼下をちらりと見やれば、こちらを見失うまいと懸命に追いかけて来る集団が見事に足掻いている。その者達を尻目に、挑発と嘲りを込めて紅はさらに速度を上げた。


「良い! 良いぞ!! 存分に私を追いかけて来るが良いさねぇ!!!」


 ──と、気分が絶好調に達している彼女の傍ら──


「た──だれか、タスケてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーッッ!!!!」


 何とも憐れな目ばかりに遭っているアベルの悲鳴は、晴れやかな大空に只々木霊するばかりだった。
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