異世界でダンジョンと過ごすことになりました

床間信生

文字の大きさ
71 / 78

突然気づいたこと!

しおりを挟む
一夜明けていよいよ今日はコーネリアへ向かう日。
準備も済ませて、ガイアス様、カロリー、ルカといった居残り組に挨拶も済ませて後は本当に旅立つだけとなって時、突然事件が発生した。

今、俺はフローラ、レント、ミンネの三人とは別行動で小屋の中だ。
三人には悪いと思ったが急遽時間を貰い教会の中で待って貰っていて、準備ができたら俺の方で迎えに行くと行っている。

ことの発端は昨夜、フローラが俺に向けて喋った夕食時の一言。

「タカヒロさんってモンスター調教士テイマーなんですよね?それでしたら、明日、調教テイムモンスターは何を連れていくんですか?」

と言われたときに、そう言えば俺は前日ゴブリンから助けた時、フローラにそのようなやりとりをしたのを思い出した。
だが、もちろん俺はモンスター調教士テイマーなどではない。
あの時そう言ったのは、ああ言った方が場の空気を早めにしずめれるからと判断したからだ。
そして事実、結果としても言ったことでルカもおさまってくれた。
あの時の話、俺の中ではあの場限りの話だと思ったのだが…

どうやら違ったらしい。

昨日、夕食の最中ミンネ、フローラ、レントを交えて俺はコーネリアという街について色々な事を聞いた。
彼女たちは答えれることは答えてくれて、分からないことは一緒に考えてくれたりしたわけなのだが、そんな時にフローラが、モンスターを連れていくのか?という一言。

彼女に言葉の真意を聞いてみると、俺が興味を示した杖の存在、あれは吸血樹というモンスターを倒すともらえるアイテムなんだとか。

倒しても魔石が手に入れれないことから、どうやら領域守護体ガーゴイルっぽい。
と言うことはだ、領域守護体ガーゴイルということは、ダンジョンに潜る必要性があるわけで、俺がモンスター調教士テイマーということであるならば、支配モンスターをつれていったほうが絶対に良いという内容だった。

更にテイムしたモンスターというのは、どうやら街に入る前に登録をしておくと、犬猫のペットなどのように調教士テイマーの責任として連れて歩けるらしい。
流石に宿屋に泊まるときや施設を利用する際に、追加の料金はいくらかかかるらしいので、全てが全ていつも通りとはいかないらしいが、ダンジョンに潜るということを考えた場合、絶対に連れて行った方が良いとも言われた。

話を聞いて俺は「なるほどな」と納得する。
今の状態で街に行ってダンジョンに入るとすると、メンバーは俺とコロンの二人だけだ。
事前情報などがどのくらいまで揃うか分からない状況で二人でダンジョンとなると、不安な部分も出てくる。
そう言った意味でも頭数というのはいた方が良いのではないかとも思う。
だが直ぐに「今からか?」と考えてしまったが、近くで一緒に話に参加していたカロリーによると「大丈夫です」という返事が返ってきたので、俺は彼女に任せることにした。

そして一夜明けて、リンゴが二匹のゴブリンと一緒に拠点を訪ねてきたのだが…
その時に初めて俺はヤバイと感じる。

と言うのも
目の前にいるのは一昨日まで、自分を監禁していたモンスター。
いくら今は俺が調教テイムしているから安全だとしても、それを「はい。了解です!」と笑顔で割りきれるはずがない。
元冒険者だというルカでも、あんな調子だったのだ。
フローラの方は、もしかしたらという感じはするがレントやミンネに、そんなモンスターと「二三日一緒にいてください」なんて俺には言えない。
絶対に無理に決まっている。
特にミンネなんて、なんの経験もない若干9歳の少女に過ぎないのだ。

もし俺が彼女たちの立場だったら、恐らくそんな行動をとった人物がいたとしたら一生許さないのはもちろん、絶対に一生かけて復讐してやると誓うことだろう。

なのでヤバイどうしようということで、俺は今、小屋の中で試行錯誤をしている真っ最中だった。

ちなみにこの二匹のゴブリン、昨日夜にカロリーがゴブリンダンジョンに行ってリンゴに用意をさせたゴブリンである。
リンゴは元々、ゴブリンダンジョンとゴブリンを管理させるために進化させたモンスターということになっている。
決して深夜の変なテンションとかは関係ない。
なので昨日、挨拶をした時にゴブリンダンジョンとゴブリンの管理を任せるということで、これらに対する権限というのを一部認め、そして育成に関してある程度のことを教えていた。
言うなればリンゴにとっては記念すべき初仕事ということになる。

そんな意気込みの中で彼は合成を使いゴブリンを☆1のレベル20まで上昇させていたのだ。
合成なので、恐らくは部下のゴブリンを犠牲にしたのだろう。
更にはレベル20でキッチリ止めている辺りシッカリ仕事をしている感じが伺える。

だが、そんな中でもリンゴも雰囲気的に今の流れを察知しているのだろう。
さっきからコチラをチラチラと見ている。

今さらコイツらを連れていかないなんて言ったら、多分この二人だけじゃないリンゴも落ち込むんだろうな…
そんな考えが頭の中で何度も過っていく。

もはや変なことは言い出せないと感じた俺は、仕方がなく目の前のゴブリン二匹をネームドにして人化してもらってから連れていくことにした。

ゴブ(03 ☆2)
種族 妖魔族ゴブリンガーダー
レベル   1
体力     15
聖力        9
力   18
俊敏     12
器用     11

適性 内政F 戦闘D+ 生産F
スキル 集団行動…複数行動時、ステータス補正(微)。ただし限界値は無い。(パッシブ)
    病は気からプラシーボ…自己免疫機能増加(微)。
    
トゴブ(03 ☆2)
種族 中妖魔族ホブゴブリン
レベル   1
体力     20
聖力     11
力   20
俊敏     16
器用     10

適性 内政F 戦闘D+ 生産F
スキル 一番槍…ファイト一発。男は度胸。
    無鉄砲…近接戦闘時能力上昇(パッシブ)

適性 内政F 戦闘D+ 生産F
スキル 集団行動…複数行動時、ステータス補正(微)。ただし限界値は無い。(パッシブ)
    無鉄砲…近接戦闘時能力上昇

土壇場で増えた新しいネームド。
なんとか無駄遣いと思わないように、二人にはシッカリと働いて貰いたいものだ。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら『塔』の主になった。ポイントでガチャ回してフロア増やしたら、いつの間にか世界最強のダンジョンになってた

季未
ファンタジー
【書き溜めがなくなるまで高頻度更新!♡٩( 'ω' )و】 気がつくとダンジョンコア(石)になっていた。 手持ちの資源はわずか。迫りくる野生の魔物やコアを狙う冒険者たち。 頼れるのは怪しげな「魔物ガチャ」だけ!? 傷ついた少女・リナを保護したことをきっかけにダンジョンは急速に進化を始める。 罠を張り巡らせた塔を建築し、資源を集め、強力な魔物をガチャで召喚! 人間と魔族、どこの勢力にも属さない独立した「最強のダンジョン」が今、産声を上げる!

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

処理中です...