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第十二話 指さし確認ミギヒダリ
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第十二話 指さし確認ミギヒダリ
「痛ててて。」
ポッドでの翌朝、航は全身の痛みに悶えていた。
確かに昨日は急にあちこち動きはしたが、
山の中の移動がこれほど全身の筋肉を
使っていたとは。
そんな中でもベニーは通常運転だ。
「おはようございます、航。今日も資材調達と
周囲の探索ですね」
「う……む。」
「ベニーさん、体中が痛いです」
「筋肉の炎症による痛みですね、
重度の損傷は認められません」
オールグリーンですね……。
「せめて、痛みを緩めたりは……」
「解消は可能ですが、リソースの無駄遣い
であると判断します」
筋肉痛は無理せず動けばそのうち治るんですよね。
分かってはいるが、動くたびに走る電流のような
痺れる痛み。
だが、俺がやらなきゃ俺が詰む。
よし、とばかりに勢いで起き上がろうとすると。
「その行動は筋繊維へのダメージがあります」
ゆっくりとですよね。
起き上がることを止め、
ゆっくりと寝転がる。
体を少しずつほぐしながら起き上がる準備をしていく。
四つん這いになり壁に向かう。
壁に手をつき少しずつ起き上がる。
「んぎぎぎ」
太ももと基礎に電気が走る。
気合と根性で少しずつ立ち上がった。
「ふぅ」
一息つき、ジャケットを羽織る。
右のポケットを確認。
黒曜石よし。
左のポケットを確認。
ファイアスターターよし。
あれ?
と、もう一度左のポケットを確認。
ない、あれが無い。
おいおい、苦労して取った石が無いだと?
だがここで考える。
頼み忘れた、ストライカーをここで強請る
という選択肢も無くはない。
「ベニーさん、チャートがなくなりました
ポッド内も見当たりません。」
「探してください」
取り付く島もなし。
「でもですね……」
「そうですね、探して見つからなければ
仕方ありませんね」
お、脈あり、もう一押しか?
「足の骨折を負った場合に自力で修復する
覚悟があれば」
「探しましょう」
「承認します」
重い体を動かして、ベニーを抱え
外へと向かう。
外に出るとまずは、焚火へと向かう。
木の棒を使い、灰をほじくり返していく。
バキンッという音と共に何かが飛び散った。
「うぉ?」
派手な炸裂音に声が出た。
なんだなんだと周囲を見ると、
あちこちに石の破片が散乱している。
熱で割れたみたいだ。
慎重にいこう……。
きっちりと乾燥できる環境ではない事は重々承知。
想定内として、慎重に灰をどかしていくと火種が出てきた。
「よし、残ってた」
場所をずらして、火種を集め枝を載せていく。
ほどなく炎が上がり焚火が息を吹き返す。
「さて、本命はこちらだが……」
中央に作った石の山を崩していく。
焦げた木の枝が出てくる。
失敗したか……。
と思いながら木の棒でほじくり出していく。
黒焦げになった枝を触ってみようとした。
「まだ触れないな」
熱の残っている木の枝を灰に寄せまた木を並べて、新たな石で囲む。
もう一度だ。
昨日よりは少なめに、木を並べて
焚火の火を移し、再度上に格子を
組み、太い木を数本並べる。
灰をどうやって集めるかな。
そう考えながら、チャートを探す。
と、すぐに見つかった。
作業していた石の上に乗っかっていた。
助かった……。
疲れていたとはいえ、気を付けなければ
ならないな。
水場へ行き、水を汲み顔を洗って戻ってくる。
「非常食残り……」
「分かってるよ、食料調達だろ?」
「でもその前に、燃料を確保しないと
運動がてら、上の方を目指してみよう」
「それは推奨出来ません」
「昨日よりは遅いが、まだ時間はある
池の周囲の残りを回るよりも効率は良いはず」
「承認……します」
少し、間があいたのは気になるところだが
承認は得た。
定番となりかけている、非常食のかけらを
口に放り込み、水で流しこむ。
今朝も快晴で、雲一つない良い天気だ。
焚火の周りで乾かしている木や葦の向きを変える
昨晩造った石斧をもう一度緩みが無いか
試しに打ち付けてみる。
思ったよりやること多いぞこれ……。
周りのまだ手を付けていない資材を
眺めて、優先順位も整理しないとな
と、物が増える喜びと片付けの面倒を
思い出していた。
探索の準備も進めていく。
斧は大きすぎるから、黒曜石と鍬用の小さめの割れた
石を持っていこう。
木の穴開けは戻ってからだな。
木材見つけた場合の輸送方法は……。
あれこれと考えながら準備を進める。
動き始めると痛みはあるが、寝起きに
比べれば、ましになっていた。
体がほぐれてきたようで動けそうだ。
念のため、入念なストレッチを繰り返して
可動域を広げておく。
よし、じゃ行くか。
近くにある、木の根元の土の盛り上がった場所へ
軽く一礼をする。
そこには昨日俺の一部になってくれた初めての
獲物……。
偶然取れた獲物だが、この星で初めての
タンパク質。
敬意を表して、食べられない部分を、土に
返した……。
さてと、と膝を一叩きして
ベニーを抱え、水場へ行きカップで再度水を汲み
蓋をして、箱に入れておく。
「よしっ」
焚火を最後に確認し
火が大きすぎない事と
上に乗せた木に火がついていない
ものがあることも確認する。
では、行きますか。
ネクタイを締め直し、藪へと進んでいく。
藪を抜けるとブナやミズナラ等の広葉樹の世界。
強制する杉も目に入った。
倒木には苔が生えており、色々な雑草もある。
こうしてみてみると食べられそうな物
結構ありそうだな……。
そう思いながら、足場に気を付けて進んでいく。
途中でムカゴを見つけ、周囲を見渡すと幾つか
あったので、取り過ぎないように気を付けながら
出来るだけポケットに放り込んでいった。
もちろんベニーさんに確認済みだ。
「やっぱり籠は早く作らないとだな
出来れば粘土も欲しいところだな」
全てを同時並行で行うのは難しい、あれこれ考えながら
今は燃料を求めて上へ上へ。
燃料というか、なるべく乾いている倒木が
欲しいところだ。
昨日集めた分で今日はまだ持つと思うが、元々乾いている状態の
物は付近から集めてしまった感じがするので、
あとは生木や湿っている倒木を乾かしながらやっていくしかない。
着火用に針葉樹の枯れ木とかあると効率上がるのだが、と
思いながら進んでいく。
ゆっくりと、40分ほどかけて100m程を上がっていく。
急な斜面を足場を確保しながら進むのは時間がかかる。
一歩一歩確実に……。
「警告します乳酸蓄積値が急増しています」
「えっ?」
「あっ」
集中しすぎて無理をしていたようだ。
航はベニーの声に驚き足を滑らせてしまった。
ズザザザ
斜面を滑り落ちる。
運よく目の前に倒木が引っ掛かっておりそこで止まった。
「あっぶな……」
「無理をしてはいけないとあれほど……」
ベニーの声は遠く心臓が早鐘を打っている。
しばらく木に寄りかかり休憩しながら、体の状態を
確かめる。
小さな擦り傷はあるが、大きな損傷は無かった……。
ベニーを離さなくてよかった。
箱を開けてカップを取り出し
一口含んで、傷口を軽く洗う。
「そこの3番のケースを取り出してください」
と、ベニーが声を掛けてきた。
箱の中には、3と振られた胃薬でも入っていそうな
手のひらサイズの灰色のケースが収まっている。
「これは?」
「非常用の治療キットです」
「その程度ならこちらの方が効率的です」
どうやって使うのかなと手の中で回していると、
「傷口に近づけてください」
言われた通りに近づけると、
プシュという音とともに泡が張り付き、
直ぐにゴムのような質感に代わる。
「打ち身の痛みにも効果があります」
左の手の甲をしたたかに打ち付けて
いたようでジンジンしてきた。
言われると急に痛みが増した。
「ここで少し休憩しようか」
「承認します」
木に寄りかかりながらその場に座り
しばしの休憩タイムとなった。
「ところで、ベニーさんには肩掛けベルト
のようなものは装備されていないかな」
箱についた土を払いながら聞いてみる。
頑丈だから、乱暴に扱っても問題ないとは
言われているが、気にかかっていた。
持ち手、の部分に細かな線が浮かび音も無く
広がっていく。
頭を通し、肩にかけるとちょうどよい感じに
収まっている。
うん、これは丁度よい感じだ。
「ベニーさんありがとう」
お礼を言うが返事がない。
どうやら、ご立腹のご様子だ。
言いつけを無視した上でのこの状況。
ここは、しばらくそっとしておこう。
ゆっくりと体を動かしながら20分程休憩を
とり、気を取り直して、また登って行った。
「右よし、前よし、左よし、上よし、下よし、後ろよし」
大げさに呼称し、出発前のアピールをしておくことを忘れない。
15分程度登ったところで木の様相が変わってきた
まるで立ちはだかるように並んだ細めの針葉樹が
一帯に広がっている。
その木々の間を抜けると、少しなだらかな場所があり
周囲を見渡すと良さそうな枯れ枝や倒木がいくつか見える。
「少し横を見て回ろうか?」
「承認します」
標高があがったからか、少し涼し気な
空気を感じながら、歩きやすそうな
左手から見ていく。
少し歩くと、見覚えのある木々に変わった
「これ、松の木だ、あれは楓かな」
日本でよく見たなじみの木々が生えている。
「これは地球どころか、日本に近い環境
なのでは?」
つい独白してしまう。
「断定はできませんが、近似値であるとは
お伝え出来ます」
ベニーさんは真面目なのか、
まだお怒りなのか……。
近づいてみると、傘の開いていない
松ぼっくりが幾つかある。
これは持って帰ろう。
松ぼっくりを、ポケットに突っ込んでいった。
うーん、ここは日が当たって気持ちがいい。
どこか懐かしい、見慣れた景色を見ながら、
ここからどうやって乾いた倒木を持ち出すか
悩ましいなと考えている航であった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
徐々に資材が増えてきました。
これからどうやって拠点を確保するのか。
内容とのバランスで、どうしても進みが
遅くなってしまうのですが、
着実に進めていければと考えています。
おきにいり、いいねを頂けると励みになります。
それでは、次回もお楽しみいただければ幸いです。
「痛ててて。」
ポッドでの翌朝、航は全身の痛みに悶えていた。
確かに昨日は急にあちこち動きはしたが、
山の中の移動がこれほど全身の筋肉を
使っていたとは。
そんな中でもベニーは通常運転だ。
「おはようございます、航。今日も資材調達と
周囲の探索ですね」
「う……む。」
「ベニーさん、体中が痛いです」
「筋肉の炎症による痛みですね、
重度の損傷は認められません」
オールグリーンですね……。
「せめて、痛みを緩めたりは……」
「解消は可能ですが、リソースの無駄遣い
であると判断します」
筋肉痛は無理せず動けばそのうち治るんですよね。
分かってはいるが、動くたびに走る電流のような
痺れる痛み。
だが、俺がやらなきゃ俺が詰む。
よし、とばかりに勢いで起き上がろうとすると。
「その行動は筋繊維へのダメージがあります」
ゆっくりとですよね。
起き上がることを止め、
ゆっくりと寝転がる。
体を少しずつほぐしながら起き上がる準備をしていく。
四つん這いになり壁に向かう。
壁に手をつき少しずつ起き上がる。
「んぎぎぎ」
太ももと基礎に電気が走る。
気合と根性で少しずつ立ち上がった。
「ふぅ」
一息つき、ジャケットを羽織る。
右のポケットを確認。
黒曜石よし。
左のポケットを確認。
ファイアスターターよし。
あれ?
と、もう一度左のポケットを確認。
ない、あれが無い。
おいおい、苦労して取った石が無いだと?
だがここで考える。
頼み忘れた、ストライカーをここで強請る
という選択肢も無くはない。
「ベニーさん、チャートがなくなりました
ポッド内も見当たりません。」
「探してください」
取り付く島もなし。
「でもですね……」
「そうですね、探して見つからなければ
仕方ありませんね」
お、脈あり、もう一押しか?
「足の骨折を負った場合に自力で修復する
覚悟があれば」
「探しましょう」
「承認します」
重い体を動かして、ベニーを抱え
外へと向かう。
外に出るとまずは、焚火へと向かう。
木の棒を使い、灰をほじくり返していく。
バキンッという音と共に何かが飛び散った。
「うぉ?」
派手な炸裂音に声が出た。
なんだなんだと周囲を見ると、
あちこちに石の破片が散乱している。
熱で割れたみたいだ。
慎重にいこう……。
きっちりと乾燥できる環境ではない事は重々承知。
想定内として、慎重に灰をどかしていくと火種が出てきた。
「よし、残ってた」
場所をずらして、火種を集め枝を載せていく。
ほどなく炎が上がり焚火が息を吹き返す。
「さて、本命はこちらだが……」
中央に作った石の山を崩していく。
焦げた木の枝が出てくる。
失敗したか……。
と思いながら木の棒でほじくり出していく。
黒焦げになった枝を触ってみようとした。
「まだ触れないな」
熱の残っている木の枝を灰に寄せまた木を並べて、新たな石で囲む。
もう一度だ。
昨日よりは少なめに、木を並べて
焚火の火を移し、再度上に格子を
組み、太い木を数本並べる。
灰をどうやって集めるかな。
そう考えながら、チャートを探す。
と、すぐに見つかった。
作業していた石の上に乗っかっていた。
助かった……。
疲れていたとはいえ、気を付けなければ
ならないな。
水場へ行き、水を汲み顔を洗って戻ってくる。
「非常食残り……」
「分かってるよ、食料調達だろ?」
「でもその前に、燃料を確保しないと
運動がてら、上の方を目指してみよう」
「それは推奨出来ません」
「昨日よりは遅いが、まだ時間はある
池の周囲の残りを回るよりも効率は良いはず」
「承認……します」
少し、間があいたのは気になるところだが
承認は得た。
定番となりかけている、非常食のかけらを
口に放り込み、水で流しこむ。
今朝も快晴で、雲一つない良い天気だ。
焚火の周りで乾かしている木や葦の向きを変える
昨晩造った石斧をもう一度緩みが無いか
試しに打ち付けてみる。
思ったよりやること多いぞこれ……。
周りのまだ手を付けていない資材を
眺めて、優先順位も整理しないとな
と、物が増える喜びと片付けの面倒を
思い出していた。
探索の準備も進めていく。
斧は大きすぎるから、黒曜石と鍬用の小さめの割れた
石を持っていこう。
木の穴開けは戻ってからだな。
木材見つけた場合の輸送方法は……。
あれこれと考えながら準備を進める。
動き始めると痛みはあるが、寝起きに
比べれば、ましになっていた。
体がほぐれてきたようで動けそうだ。
念のため、入念なストレッチを繰り返して
可動域を広げておく。
よし、じゃ行くか。
近くにある、木の根元の土の盛り上がった場所へ
軽く一礼をする。
そこには昨日俺の一部になってくれた初めての
獲物……。
偶然取れた獲物だが、この星で初めての
タンパク質。
敬意を表して、食べられない部分を、土に
返した……。
さてと、と膝を一叩きして
ベニーを抱え、水場へ行きカップで再度水を汲み
蓋をして、箱に入れておく。
「よしっ」
焚火を最後に確認し
火が大きすぎない事と
上に乗せた木に火がついていない
ものがあることも確認する。
では、行きますか。
ネクタイを締め直し、藪へと進んでいく。
藪を抜けるとブナやミズナラ等の広葉樹の世界。
強制する杉も目に入った。
倒木には苔が生えており、色々な雑草もある。
こうしてみてみると食べられそうな物
結構ありそうだな……。
そう思いながら、足場に気を付けて進んでいく。
途中でムカゴを見つけ、周囲を見渡すと幾つか
あったので、取り過ぎないように気を付けながら
出来るだけポケットに放り込んでいった。
もちろんベニーさんに確認済みだ。
「やっぱり籠は早く作らないとだな
出来れば粘土も欲しいところだな」
全てを同時並行で行うのは難しい、あれこれ考えながら
今は燃料を求めて上へ上へ。
燃料というか、なるべく乾いている倒木が
欲しいところだ。
昨日集めた分で今日はまだ持つと思うが、元々乾いている状態の
物は付近から集めてしまった感じがするので、
あとは生木や湿っている倒木を乾かしながらやっていくしかない。
着火用に針葉樹の枯れ木とかあると効率上がるのだが、と
思いながら進んでいく。
ゆっくりと、40分ほどかけて100m程を上がっていく。
急な斜面を足場を確保しながら進むのは時間がかかる。
一歩一歩確実に……。
「警告します乳酸蓄積値が急増しています」
「えっ?」
「あっ」
集中しすぎて無理をしていたようだ。
航はベニーの声に驚き足を滑らせてしまった。
ズザザザ
斜面を滑り落ちる。
運よく目の前に倒木が引っ掛かっておりそこで止まった。
「あっぶな……」
「無理をしてはいけないとあれほど……」
ベニーの声は遠く心臓が早鐘を打っている。
しばらく木に寄りかかり休憩しながら、体の状態を
確かめる。
小さな擦り傷はあるが、大きな損傷は無かった……。
ベニーを離さなくてよかった。
箱を開けてカップを取り出し
一口含んで、傷口を軽く洗う。
「そこの3番のケースを取り出してください」
と、ベニーが声を掛けてきた。
箱の中には、3と振られた胃薬でも入っていそうな
手のひらサイズの灰色のケースが収まっている。
「これは?」
「非常用の治療キットです」
「その程度ならこちらの方が効率的です」
どうやって使うのかなと手の中で回していると、
「傷口に近づけてください」
言われた通りに近づけると、
プシュという音とともに泡が張り付き、
直ぐにゴムのような質感に代わる。
「打ち身の痛みにも効果があります」
左の手の甲をしたたかに打ち付けて
いたようでジンジンしてきた。
言われると急に痛みが増した。
「ここで少し休憩しようか」
「承認します」
木に寄りかかりながらその場に座り
しばしの休憩タイムとなった。
「ところで、ベニーさんには肩掛けベルト
のようなものは装備されていないかな」
箱についた土を払いながら聞いてみる。
頑丈だから、乱暴に扱っても問題ないとは
言われているが、気にかかっていた。
持ち手、の部分に細かな線が浮かび音も無く
広がっていく。
頭を通し、肩にかけるとちょうどよい感じに
収まっている。
うん、これは丁度よい感じだ。
「ベニーさんありがとう」
お礼を言うが返事がない。
どうやら、ご立腹のご様子だ。
言いつけを無視した上でのこの状況。
ここは、しばらくそっとしておこう。
ゆっくりと体を動かしながら20分程休憩を
とり、気を取り直して、また登って行った。
「右よし、前よし、左よし、上よし、下よし、後ろよし」
大げさに呼称し、出発前のアピールをしておくことを忘れない。
15分程度登ったところで木の様相が変わってきた
まるで立ちはだかるように並んだ細めの針葉樹が
一帯に広がっている。
その木々の間を抜けると、少しなだらかな場所があり
周囲を見渡すと良さそうな枯れ枝や倒木がいくつか見える。
「少し横を見て回ろうか?」
「承認します」
標高があがったからか、少し涼し気な
空気を感じながら、歩きやすそうな
左手から見ていく。
少し歩くと、見覚えのある木々に変わった
「これ、松の木だ、あれは楓かな」
日本でよく見たなじみの木々が生えている。
「これは地球どころか、日本に近い環境
なのでは?」
つい独白してしまう。
「断定はできませんが、近似値であるとは
お伝え出来ます」
ベニーさんは真面目なのか、
まだお怒りなのか……。
近づいてみると、傘の開いていない
松ぼっくりが幾つかある。
これは持って帰ろう。
松ぼっくりを、ポケットに突っ込んでいった。
うーん、ここは日が当たって気持ちがいい。
どこか懐かしい、見慣れた景色を見ながら、
ここからどうやって乾いた倒木を持ち出すか
悩ましいなと考えている航であった。
最後までお読みいただきありがとうございます。
徐々に資材が増えてきました。
これからどうやって拠点を確保するのか。
内容とのバランスで、どうしても進みが
遅くなってしまうのですが、
着実に進めていければと考えています。
おきにいり、いいねを頂けると励みになります。
それでは、次回もお楽しみいただければ幸いです。
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