34 / 260
9.弟妹
4
しおりを挟む
マリクと入れ替わる様にルークがくっついてきた
「どうした?」
「…何となく?」
自分でもわからないらしい
「まぁ、丁度いいか」
「?」
首を傾げるルークに包みを渡す
「何?」
「踏破祝い。母さんのがありゃ十分だろうけど…」
「開けていい?」
「ああ」
頷くとルークはすぐに包みを開けた
「あ…」
取り出したブレスレットをルークはじっと見ていた
「シアの魔力が乗ってる?」
「デフォルトは闇強化で身体強化を乗せてある」
「へへ…」
ルークは嬉しそうに笑って早速身に着けた
「シア、私のは?」
「うぉ…」
ルークにあるなら自分にもあって当然だとシャノンが背後から飛びついてきた
「お前にもちゃんとある」
ほら、と渡してやると嬉しそうな奇声を上げた
悲鳴とも喜びの声ともいえないから奇声で間違いないはず…
「デフォルトは光強化、ルークと同じように身体強化を乗せてある」
「ありがとシア!大好き」
これだけ素直に喜ばれるとプレゼントし甲斐があるなぁ…
2人は暫く俺の側で色々話してたけど、少しすると母さんたちに見せに行った
食事の後、俺は何となく一人で屋上に上がった
身体を包み込むような木の椅子に身を預けて空を見上げる
前世で病院から見た夜空とは違う空だ
「父さんが選んでくれた…」
呟きながら左手を目の前にかざす
そこにあるのは中指に嵌めたリング
『あいつはそんな風に3時間くらいかけて選んだんだよ。シアがBランクになったんだって嬉しそうに言いながらな』
商会の親父の言葉が何度も浮かんでくる
俺はこれを貰った時ルークやシャノンと同じように嬉しかった
それこそ顔がニヤケルくらいに
「でも…」
『余ってるやつだからやるよ』
父さんのその言葉を聞いてその嬉しさは一気に消えていったんだよな
だから俺はお礼すら言えなかったんだ
さっきの双子みたいに伝えていたら何かが違ったんだろうか…?
「どうしたシア」
「!?」
突然背後からかけられた声に椅子からずり落ちそうになるほどびっくりした
「何でも…ない。父さんこそどうしたんだよ?」
「何となくお前の様子がおかしかったからな」
「へ…?」
「町で何かあったか?」
何で…
何で父さんがそこまで気付くんだよ…
「言いたくないなら無理には聞かない。でもお前が話したいならいつでも聞いてやるからな」
そう言いながら父さんの手が俺の頭に乗せられた
少しの間感じた温もりが離れると同時に父さんが中に戻ろうとするのが分かった
「…父さん!」
俺が呼ぶと父さんの動きが止まる
どこか縋る様な声になって俺自身驚いた
「このリング…なんだけどさ」
「リング?」
父さんは振り向いて、俺の差し出した手を見て固まった
「それは…」
父さんの言葉はそれ以上続かなかった
「どうした?」
「…何となく?」
自分でもわからないらしい
「まぁ、丁度いいか」
「?」
首を傾げるルークに包みを渡す
「何?」
「踏破祝い。母さんのがありゃ十分だろうけど…」
「開けていい?」
「ああ」
頷くとルークはすぐに包みを開けた
「あ…」
取り出したブレスレットをルークはじっと見ていた
「シアの魔力が乗ってる?」
「デフォルトは闇強化で身体強化を乗せてある」
「へへ…」
ルークは嬉しそうに笑って早速身に着けた
「シア、私のは?」
「うぉ…」
ルークにあるなら自分にもあって当然だとシャノンが背後から飛びついてきた
「お前にもちゃんとある」
ほら、と渡してやると嬉しそうな奇声を上げた
悲鳴とも喜びの声ともいえないから奇声で間違いないはず…
「デフォルトは光強化、ルークと同じように身体強化を乗せてある」
「ありがとシア!大好き」
これだけ素直に喜ばれるとプレゼントし甲斐があるなぁ…
2人は暫く俺の側で色々話してたけど、少しすると母さんたちに見せに行った
食事の後、俺は何となく一人で屋上に上がった
身体を包み込むような木の椅子に身を預けて空を見上げる
前世で病院から見た夜空とは違う空だ
「父さんが選んでくれた…」
呟きながら左手を目の前にかざす
そこにあるのは中指に嵌めたリング
『あいつはそんな風に3時間くらいかけて選んだんだよ。シアがBランクになったんだって嬉しそうに言いながらな』
商会の親父の言葉が何度も浮かんでくる
俺はこれを貰った時ルークやシャノンと同じように嬉しかった
それこそ顔がニヤケルくらいに
「でも…」
『余ってるやつだからやるよ』
父さんのその言葉を聞いてその嬉しさは一気に消えていったんだよな
だから俺はお礼すら言えなかったんだ
さっきの双子みたいに伝えていたら何かが違ったんだろうか…?
「どうしたシア」
「!?」
突然背後からかけられた声に椅子からずり落ちそうになるほどびっくりした
「何でも…ない。父さんこそどうしたんだよ?」
「何となくお前の様子がおかしかったからな」
「へ…?」
「町で何かあったか?」
何で…
何で父さんがそこまで気付くんだよ…
「言いたくないなら無理には聞かない。でもお前が話したいならいつでも聞いてやるからな」
そう言いながら父さんの手が俺の頭に乗せられた
少しの間感じた温もりが離れると同時に父さんが中に戻ろうとするのが分かった
「…父さん!」
俺が呼ぶと父さんの動きが止まる
どこか縋る様な声になって俺自身驚いた
「このリング…なんだけどさ」
「リング?」
父さんは振り向いて、俺の差し出した手を見て固まった
「それは…」
父さんの言葉はそれ以上続かなかった
応援ありがとうございます!
13
お気に入りに追加
522
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる