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11.ルークのランクアップ

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「ばぁか」
「痛っ…殴んなくてもいいじゃん」
「馬鹿なこと言ってるからだ」
キッパリ言って返すとジト目で見返された

「でも事実じゃん。シアは余裕で倒して俺らにアドバイスまでしてんだぞ?」
「経験の差だからそこは気にすんな。それにお前らの戦い方見て自分の手札も増やしてる」
「え?」
そんなに驚かなくてもいいと思うんだが…

「魔法はイメージの影響が大きいのは分かってるだろ?」
「ああ」
「イメージってのは人によって違うもんだろ」
「違うって言ってもそんな大きく変わるもんでもないと思うけど…」
ルークの言葉にシャノンも頷いていた

「お前らは似たイメージを持つのかもしれないけどな。俺が初めて母さんに魔法を教えてもらった時にそれを思い知った」
「初めてって生活魔法でしょ?」
シャノンがそれをすぐに口にしたのは少し前の泣きごとを言ってた頃のおかげか?

「そ。俺とリアムで手を洗うための水を出すってお題だ」
「水って、これよね?」
2人は水球を目の前に浮かべた

「お前らは当たり前のようにそれを浮かべる。リアムもそうだった。でも俺は…」
あの時出した水道のイメージで水を出す

「は?」
「何それ…」
「俺のイメージは前世の記憶に引っ張られることが多いんだよ。母さんもだけど、前世で手を洗うって言われれば水道しか思い浮かばない」
「水道ってキッチンにある水の魔道具みたいのだよね?」
「ああ。つまりお前らと俺ではイメージする形が全くの別物の事があるってことだ」
「お母さんの柔らかい光もそれが関係してる?」
「ん?あぁ、だろうな。この世界と違って色んな灯りがあったから。それこそお前の言う柔らかい光から、目を反らしたくなるキツイ光までな」
「ひょっとしてシアがアドバイスしてくれた時に持ってるイメージと、僕らが実際に使った魔法でも違うことがある?」
「まぁ…あるな」
驚くほどにある
それが楽しかったりもするけどな

「…シアが得るものがあるならいいか」
「得るものならある。お前らが強くなれば余計にな」
「?」
「成人前後で同等のランクはいないんだぞ?」
「そっか。そうだよね」
「僕たちが強くなればパーティー組んだままでいれるってこと?」
「そうあってほしいとは思ってるな」
そう言うと2人は互いに顔を見合わせてからはにかむような笑みを見せた
こういうところはいくつになってもそっくりなんだよな…
この会話が2人の刺激になったらしく休憩後の動きが少し変わったような気がした




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