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12.合同で迷宮へ

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「お、珍しいな。今日は合同か?」
「たまにはな」
俺は頷きながら魔道具を渡す
受付の男がそれを別の魔道具にセットすると一瞬だけ淡く光った

「これで即席パーティーは解散だ」
「サンキュ」
俺とマリクは皆が待つテーブルに向かった

「後は素材だな」
「いや、素材はお前らのにしてくれてもいいんだけどな」
マリクが言うと他の4人も頷いている

「気にすんなよ。これがヨウのでこっちはリアム」
言いながらそれぞれの前にドロップ品を置いていく

「で、こっちは3人の分な」
「…そういや分けて保管できるんだったか」
マリクは小さい頃に父さんと母さんに預けていた時の事を思い出したらしい

「ああ。だから俺らの分はちゃんとある」
「そういやお前たちはどうやって分けてるんだ?」
「俺ら?4等分」
「4?」
「3/4はそれぞれに分配してその先は自由。残りの1/4は換金して旅に出るための貯金だ。宿代とか食費、他にも色々かかってくるだろうから、共有の簡易カードを作ってある」
といっても作ったのは最近だけど…
簡易カードはギルドの口座を使うためのカードで冒険者でなくても作ることが出来る
パーティーの共有資金の為に作ったり、家計の為のカードとして作ったりもする

「共有のカードか…それは有りかもしれないな?」
「ああ。俺達も作ろう」
マリクたちは宿代を払うときに4人で分割して出していたらしい
共有のカードがあればその手間は無くなるし色んな管理も楽になる

「ギルドのない町も多いみたいだし、魔物倒したからってすぐに換金できるとは限らないから現金は必要でしょ」
「…お前らが食いすぎなきゃもう少し楽なんだがな」
「それはどうしようもないわ~」
「そうそう。そこは諦めてくれよな」
シャノンもルークも絶対無理と断言した
まぁ別にいいんだけどな

「お年頃の女の子とは思えないセリフだな?」
「大丈夫。その分動いて消費してるから」
即答だった
最近シャノンのこういう切り返しが増えてきた気がする
昔なら泣いてしがみ付いてきただろうけど…

「…何?」
「いや。成長したなと思ってな」
「シアが爺くさい…」
「うるせ」
シャノンの額とコツンと小突くと恨めしそうにこっちを見て来た
勿論そのままスルーする

「じゃぁ俺らはそろそろ行くよ」
「ああ。今日は助かった」
何がとはこの場では口にしない
それが出来ない相手なら一緒には行ってないけどな

「そうだ、明日こいつらの祝いだって」
「まじ?絶対行くって言っといて」
リアムが食い気味で言ってきた

「了解。伝えとく」
必要なことは全て伝えたから俺達は先にギルドを出た
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