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57.ゴミ掃除

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マウント取った気になるのは勝手だが…
「俺達をただの平民のガキと思うのはよした方がいい。言っただろ?俺達も手を打つ必要があるって」
「な…?」
「シア、それ脅してるみたいなんだけど?」
「脅してんだよ。どれだけ苦労してここまで来たと思ってんだ?俺達の望みはこの町でいい思い出をたくさん作る事だけだ。それはそんなに難しいことなのか?」
「そうよね。少なくともその2人がいなければ叶うことだし…」
「その女の人に望むのは僕たちに関わるなってことだけだよ?」
2人の言葉にニールとミーコが俺達に攻撃を仕掛けてきた

『反射』

「キャァ!!」
「痛っ…」
ニールの肩口がざっくり切れていた

「おいおい、話し合いの最中にナイフを出すなんてあり得ないだろ?」
「ニール!お前達一体…」
サントスの顔が青ざめる

「あんたが見てた通り俺達は手を出してない」
「そうそう。背後の人間に切りかかるなんて立ち上がらなきゃ無理だしね」
「それは…しかし…!」
「結界みたいなもんで攻撃を跳ね返しただけだ。つまりその男は背後から俺達にそうやって切りかかろうとしてたってことだ」
床に転がりのたうち回るニールを一瞥する
これが次期領主とかあり得ないだろ

「ここは私の家だ。お前たちの身柄くらい何とでも…」
「ならやってみればいい。その前にもう一度忠告しとく。俺達をただの平民のガキと思うのはよした方がいい」
「ふざ…けるな!」
サントスは喚きながら俺に殴り掛かってきた
その腕を掴んでひねり上げる

「ぐぅ…!放せ!平民のクソガキ風情が領主であるこの俺に!こんなことをしてタダで済むと思ってるのか!?」
「残念ながら思ってるよ」
「何?」
「この紋章に見覚えは?」
俺はコーラルさんからもらった短剣を取り出した

「これ…これは…!?」
サントスの体が震えだす

「あんた領主に向いてないな」
「な…に…?」
「俺達はカードを見せたよな?」
「それが…どうした?」
「成人したてのAランクの冒険者。頭の回転が速い人ならその情報だけで色々思い当たるはずなんだけど?」
「そうそう。一番最近貴族が後ろ盾になった冒険者パーティー、しかもその通達と同時にオークションの開催案内も回っただろ?」
「ま…まさかお前たちは“無限”だとでも…」
「その通り。もう一つ言えば俺達はこの旅で後ろ盾の貴族から依頼されてるんだ。クソみたいな領主がいたらすぐに報告してくれってな」
「ふふ…私達を平民の子供と思い込んで、不当に虐げる領主はこの国にいらないんですって」
俺はサントスを念動力で床に押さえつけたまま手紙を書いて魔道具で送った

「何をしている…?」
「報告」
「な…?」
「だってあんた最低だし。そこのミーコが領主の息子の婚約者って立場で好き放題してたの、ずっと見過ごしてたんだろう?」
「そんなことは無い!」
「今さら取り繕っても無駄だって。僕達に言い寄ったことだって一切疑いもしなかったもんな」
「普通、息子の婚約者が色んな男に言い寄る阿婆擦れだって聞いたら何らかの反応示すだろ?知ってても言えなかったんだよな?ミーコの家からかなり金も融通してもらってるみたいだし?」
「え?そうなの?」
「ああ。金だけじゃなく禁止されてる薬物も回してもらってるみたいだな。証拠も揃ってるし後は…あぁ、来たみたいだ」
魔道具に届いた手紙を開いた

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