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75.人助け
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俺達は魔物を狩りながら進むため、いつものように街道ではなく山道を進んでいた
「あ、ここは?」
ルークが外からは分かりにくい洞窟を見つけた
入り口が少し高くなってるから雨が降ったとしても水が入ってきにくい
こういう構造の洞窟は意外と少なかったりする
「いい感じだね。最近使われた形跡もないし中もかなり広い」
シャノンはもうここでいいんじゃない?と言いながら中に入っていく
前の町を出て5日、天候が悪い中テントで夜を明かしながら進んでいただけに、シャノンの疲労とストレスはかなり蓄積されてるらしい
疲れが溜まりすぎるといいことは何も起こらない
むしろ集中力が無くなったりミスが増えたりしてリスクが高まる
「とりあえず、ここで2~3日休むか」
正直俺もゆっくり休みたい
「やった」
相変わらずの素直な反応に苦笑する
「これくらいの洞窟は中々見つからないし僕も賛成」
俺達のテントを3つとも出してもまだ余裕のスペースがある広い洞窟
大きめの岩を作り出せば外敵を防ぐことも出来るから安眠できそうだ
「じゃぁシャノンは中を軽く掃除、ルークはかまどと囲炉裏づくりを頼む」
「了解」
「まかせて~」
旅の中ではもう慣れたもので二人は早速作業に取り掛かる
「俺は食糧調達に行ってくる」
「「よろしく~」」
こういう時は本当に息が合う
歩きながら軽く手を挙げて洞窟から外に出た
「さて、何があるか…」
近場をグルグルと回りながら魔物や木の実を探す
世界地図を使えばすぐに効率よく見つけられるとわかってるけど、こうして自分で探すのも意外と楽しいから最初から頼ることはしない
散策してる中での発見もあるしな
「それにしても…」
天候が悪かったにもかかわらず人が通った跡があまりない
街道からそれほど離れていないお陰か人はあまり通っていないらしい
まぁ街道があるのに山を抜けるもの好きは俺達のような魔物目当ての冒険者くらいだからな
「お、木の実が結構あるな」
『おいしそー』
前足を伸ばしてくるリトスに一つを渡してやると早速食べ始めた
食べ頃の果物や木の実を採りながら、食欲旺盛な2人の為には肉が必要かとさらに奥に足を進めた
「―――て―――や…っ…」
かすかに女性の声が聞こえた
「何だ?」
俺は声のする方に足を進める
こんな山の中に人がいること自体珍しいというのもあってちょっとした興味もそそられていた
「放して!」
悲鳴のような声に足を速める
興味なんて呑気なこと考えてる場合じゃないらしい
「無駄だよお嬢ちゃん。こんな場所に助けは来ない」
「そうそう。だから俺らと楽しもうぜ」
野太い男の声が次々と聞こえる
「5人か?」
気配と声から人数を特定する
「リトスはポーチに」
『はーい』
返事して木の実を抱えたままポーチに入って行った
無法者5人など魔物に比べれば楽なものだ
ただし、俺が姿を現したら魔物よりもしたたかな動きをするはず
よくも悪くも人はしたたかな生き物だから
「あ、ここは?」
ルークが外からは分かりにくい洞窟を見つけた
入り口が少し高くなってるから雨が降ったとしても水が入ってきにくい
こういう構造の洞窟は意外と少なかったりする
「いい感じだね。最近使われた形跡もないし中もかなり広い」
シャノンはもうここでいいんじゃない?と言いながら中に入っていく
前の町を出て5日、天候が悪い中テントで夜を明かしながら進んでいただけに、シャノンの疲労とストレスはかなり蓄積されてるらしい
疲れが溜まりすぎるといいことは何も起こらない
むしろ集中力が無くなったりミスが増えたりしてリスクが高まる
「とりあえず、ここで2~3日休むか」
正直俺もゆっくり休みたい
「やった」
相変わらずの素直な反応に苦笑する
「これくらいの洞窟は中々見つからないし僕も賛成」
俺達のテントを3つとも出してもまだ余裕のスペースがある広い洞窟
大きめの岩を作り出せば外敵を防ぐことも出来るから安眠できそうだ
「じゃぁシャノンは中を軽く掃除、ルークはかまどと囲炉裏づくりを頼む」
「了解」
「まかせて~」
旅の中ではもう慣れたもので二人は早速作業に取り掛かる
「俺は食糧調達に行ってくる」
「「よろしく~」」
こういう時は本当に息が合う
歩きながら軽く手を挙げて洞窟から外に出た
「さて、何があるか…」
近場をグルグルと回りながら魔物や木の実を探す
世界地図を使えばすぐに効率よく見つけられるとわかってるけど、こうして自分で探すのも意外と楽しいから最初から頼ることはしない
散策してる中での発見もあるしな
「それにしても…」
天候が悪かったにもかかわらず人が通った跡があまりない
街道からそれほど離れていないお陰か人はあまり通っていないらしい
まぁ街道があるのに山を抜けるもの好きは俺達のような魔物目当ての冒険者くらいだからな
「お、木の実が結構あるな」
『おいしそー』
前足を伸ばしてくるリトスに一つを渡してやると早速食べ始めた
食べ頃の果物や木の実を採りながら、食欲旺盛な2人の為には肉が必要かとさらに奥に足を進めた
「―――て―――や…っ…」
かすかに女性の声が聞こえた
「何だ?」
俺は声のする方に足を進める
こんな山の中に人がいること自体珍しいというのもあってちょっとした興味もそそられていた
「放して!」
悲鳴のような声に足を速める
興味なんて呑気なこと考えてる場合じゃないらしい
「無駄だよお嬢ちゃん。こんな場所に助けは来ない」
「そうそう。だから俺らと楽しもうぜ」
野太い男の声が次々と聞こえる
「5人か?」
気配と声から人数を特定する
「リトスはポーチに」
『はーい』
返事して木の実を抱えたままポーチに入って行った
無法者5人など魔物に比べれば楽なものだ
ただし、俺が姿を現したら魔物よりもしたたかな動きをするはず
よくも悪くも人はしたたかな生き物だから
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