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75.人助け
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「気配を決して風魔法で体を浮かせればこっちの足音は立たないか」
そのまま少しずつ距離を詰めていく
所々破れたぼろのような服を着た男が5人
全身が汚れていて正直側に寄りたくない人種だ
その隙間から見えたのは透き通るような白い肌に燃えるような赤い目、黒い髪の女だった
見た感じ年は俺と同じくらいだろうけどどう考えてもおかしい
彼女の細い首と手首、足首に枷がありそこから延びる鎖が繋がっている
そのせいで彼女が必至で逃げようとしても思う様に動けないようだ
「へへ…こいつは上手そうだ…な!」
“ビリ…ッ”
「ぃ…やぁーーーっ!!」
何かが破られる音の直後その悲鳴は響き渡った
「ククク…その悲鳴がまたいい」
「おい、あとが使えてんだから早くしろ」
胸糞悪くなるような厭らしい笑いを零しながらの言葉に妙に腹が立つ
「やめとけ」
「はー?」
自分たち以外に誰もいないはずの場所でかけられた声に、一斉に振り向いた男たちを真っすぐ見据える
「何だガキかよ」
「悪いこた言わねえからどっか行っちまいな」
自分達は大人5人に、それに対して俺が1人とくれば簡単にあしらえると思ったんだろうけど…
「できない相談だな」
吐き捨てる様に答えながら少しずつ距離を詰める
「なら痛い目を見るまでだ!…ぐぅ…?!」
言い切る前に殴りかかってきた1人を返り討ちにする
「な…?」
「何しやがるクソガキ」
次々と殴り掛かってくる男達は大柄だがこっちはAランクの冒険者だ
遅く軽い拳なんてたとえかすったとしても痛くもかゆくもないだろう
その前に届かすつもりもないけど
案の定5人が地面に転がるまでさほど時間はかからなかった
「あんた大丈夫か?」
身体を起こしてやると服が引き割かれていたせいでその肌や胸が目に飛び込んで来た
「…悪い」
俺はすぐに視線を反らしてインベントリから取り出した上着を彼女の肩にかけてやる
「ちょっとだけ我慢しててくれ」
そう言って側で転がっている5人を縛り上げると大木に括り付けた
「もう大丈夫だ」
「あ…」
念動力で首と手首、足首の枷を破壊すると、怯えた目をしたまま彼女は倒れこんで来た
「おい?」
咄嗟に支えて体を起こしたものの意識がない
「マジか…」
とりあえずこのままにしておくわけにもいかないと抱き上げると羽織らせていた上着が落ちた
「…」
再びあらわになったきれいな肌に戸惑わないと言ったらウソになる
でも不思議なことに厭らしい気持ちは起きない
もちろん嫌悪もない
ただ怪我をさせてはならないと思わされる何かがあった
落ちた上着を上からかけ直して洞窟に戻ることにした
そのまま少しずつ距離を詰めていく
所々破れたぼろのような服を着た男が5人
全身が汚れていて正直側に寄りたくない人種だ
その隙間から見えたのは透き通るような白い肌に燃えるような赤い目、黒い髪の女だった
見た感じ年は俺と同じくらいだろうけどどう考えてもおかしい
彼女の細い首と手首、足首に枷がありそこから延びる鎖が繋がっている
そのせいで彼女が必至で逃げようとしても思う様に動けないようだ
「へへ…こいつは上手そうだ…な!」
“ビリ…ッ”
「ぃ…やぁーーーっ!!」
何かが破られる音の直後その悲鳴は響き渡った
「ククク…その悲鳴がまたいい」
「おい、あとが使えてんだから早くしろ」
胸糞悪くなるような厭らしい笑いを零しながらの言葉に妙に腹が立つ
「やめとけ」
「はー?」
自分たち以外に誰もいないはずの場所でかけられた声に、一斉に振り向いた男たちを真っすぐ見据える
「何だガキかよ」
「悪いこた言わねえからどっか行っちまいな」
自分達は大人5人に、それに対して俺が1人とくれば簡単にあしらえると思ったんだろうけど…
「できない相談だな」
吐き捨てる様に答えながら少しずつ距離を詰める
「なら痛い目を見るまでだ!…ぐぅ…?!」
言い切る前に殴りかかってきた1人を返り討ちにする
「な…?」
「何しやがるクソガキ」
次々と殴り掛かってくる男達は大柄だがこっちはAランクの冒険者だ
遅く軽い拳なんてたとえかすったとしても痛くもかゆくもないだろう
その前に届かすつもりもないけど
案の定5人が地面に転がるまでさほど時間はかからなかった
「あんた大丈夫か?」
身体を起こしてやると服が引き割かれていたせいでその肌や胸が目に飛び込んで来た
「…悪い」
俺はすぐに視線を反らしてインベントリから取り出した上着を彼女の肩にかけてやる
「ちょっとだけ我慢しててくれ」
そう言って側で転がっている5人を縛り上げると大木に括り付けた
「もう大丈夫だ」
「あ…」
念動力で首と手首、足首の枷を破壊すると、怯えた目をしたまま彼女は倒れこんで来た
「おい?」
咄嗟に支えて体を起こしたものの意識がない
「マジか…」
とりあえずこのままにしておくわけにもいかないと抱き上げると羽織らせていた上着が落ちた
「…」
再びあらわになったきれいな肌に戸惑わないと言ったらウソになる
でも不思議なことに厭らしい気持ちは起きない
もちろん嫌悪もない
ただ怪我をさせてはならないと思わされる何かがあった
落ちた上着を上からかけ直して洞窟に戻ることにした
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