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第1章・泣き止まない我が妃へ(ルナス視点)
4・受理できない嘆願と、泣くばかりの彼について②
しおりを挟む「そうだけど、そうだけど! それじゃダメだろ!」
「そうは言っても……ねぇ? 彼の方のお気持ちからして、泣かれるのも仕方がないのでは? あちらからすれば人質のように思われているのでしょうし。拒まれていないだけよろしいのではないかと思いますが。触れさせては下さるのでしょう? 何より……」
荒ぶる俺に返ってきた声は冷静で。また、そこで止まった言葉の続きは、俺にもわかって、苦々しい顔で頷いた。
「あの子は一夜で俺の子を宿してくれた」
子供など望まなければ宿せないこの世界で、たった一夜の交わりにもかかわらず、リュディは子供を宿したのである。
つまり真実、俺との子供を望んでくれたということだった。
なお、子供が出来て以降は子供を育てる為にも、もっと更に触れ合いが必要となるので、俺は夜毎、塔に通っているのだけれど、だからこそ余計に、俺はどうすればいいのかわからない。
「なら、真実拒まれているわけではないのでしょう。彼の方がご懐妊なさっている、それは何よりの証明となりますが」
「でも泣くんだよ、毎晩! 泣き止まないの! しくしくしくしく悲しそうで……俺が嫌なら抵抗してって言ったら頷いてはくれるんだよ」
「でも抵抗はなさらない、と」
「そう! それで、まぁ、俺もさ、やっぱり好きだし……触りたいし。子供のこともあるからさぁ……でもあんなに泣かれると……」
俺は真実リュディの、泣き顔しか見たことがなかった。
彼が初めてこの国に来て、塔へと案内した時も、彼は馬車を降りた時にはすでにはらはらと頬を涙で濡らしていて、なんとも憐れな風情で。俺としては精いっぱい、柔らかい態度で接したつもりなんだけど、やっぱり最後まで泣き止まなくて。
その日の夜に、彼の元へと訪れた時も、やっぱり彼は泣いていた。
そんな彼に手を伸ばすのは、大変にものすっごく心苦しかったのだけれど。
だから本当は、実は俺はあの日のうちに、彼に触れるつもりなんてなかった。でも。
そうして俺は思い出していた。
彼と初めて触れ合った、あの夜のことを。
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