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第2章・まるで夢のような日々(リュディ視点)
5・世界は輝いている⑤
しおりを挟むとにもかくにも僕はシュネリニアに向かう馬車の中でも泣いて泣いて泣いていたので、当然、馬車から降りた際にも勿論のように泣き顔を晒していた。
僕が泣いていたからか、もしくは他の理由でか、13年ぶりにお会いしたルナス様は数瞬、惚けたように僕を見つめていらっしゃった。
そんな顔もカッコよくて、否、昔よりもっともっと素敵になっていて。
ああ! ほんと、なんてかっこいんだろ! ヤバい! 好き! 心臓壊れちゃうよぉ~~!
なんて、心の中は大嵐。
ルナス様はすっごくすっごく気を使って、僕に優しく優しく接して下さったのに、僕の壊れた涙腺が涙を留めることなんてなくて。結局ずっと泣き続けるばかりだった僕に、ルナス様は大変に困惑していらしたように見えた。
かっこよくて尊くてお優しいルナス様を困惑させている自分が情けなくて申し訳なくて。余計にますます泣けてしまって。
涙を。きっと止めなければいけないのに、そうやって簡単に我慢できるなら、僕はこんなにも人生でずっと泣き続けていないのである。
きっとなんかそういう病気なんだろうなぁって僕は実は思っている所もあったりするぐらい、僕が泣いていない時は少ないのだから。
そして困っているルナス様もやっぱりかっこよかったのだった。
「ユセアナ~! どうしよう!! ルナス様かっこいいよぉ、素敵~!」
これから僕が滞在することになるのだという塔に案内されて、一番上の、多分寛ぐ為なんだろう、応接スペースのようなソファのある、扉を入ってすぐのお部屋に案内されてすぐ、ソファに腰を落ち着けるのと同時ぐらい、そう言いながら泣く僕に、ユセアナはやっぱり呆れかえった溜め息を吐いた。
荷物はすでに運び込まれていて、ユセアナは今からその整理をしなくてはいけなくて、僕はむしろいっそ邪魔だから手伝うなと言われていて……――僕が下手に触るといろいろなものが涙で濡れてしまうのだ。いずれにせよ、忙しかったから、僕の相手なんてしていられなかったんだと思う。
でもそんなのある意味いつものことだから僕は気にしない。
ただ、ほんのついさっき見たルナス様を思い出してはうっとりする。
「ヤバいかっこよかった……超ヤバい……」
呟きながらうっとりと涙する僕を、流石に聞き咎めたユセアナはもう何度目だろう、深く、深く溜め息を吐いた。
「リュディ様。お言葉遣いをお直しくださいと何度も申し上げておりますでしょう」
どうも公族、否、ルナス様と婚姻が済んでいるので今日から王族になった! に適していないと口調を咎められたらしい。
僕は頬を膨らませた。
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