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第1章
1-21・以来。しかし未だ⑦
しおりを挟む俺やルスフォルへの態度はともかく、少なくとも健康上の問題は見受けられなかった10年ぶりの我がことの再会を経て、その次の予定へと移る前に、非常に気が進まないながらも、リセデオ、あるいはナウラティスから俺へと着いて来てくれた侍女や侍従に促され、リモヌツ公爵、つまり俺の今の養父へと連絡を入れることにした。
なお、この養父は俺の実母をへと心酔している人物たちの一人で、決して誰かひとりの伴侶になどけっしてならない実母に、それでも操を立てて独身を貫いているらしい。
聞く所によると今も、可能な限り通い詰めているということなので、その心酔具合は相当のものなのだろうと思う。
実母にはそういった相手が何人も存在しているのだとか。実は俺はあったことがないのでよくわからないのだが、随分と問題がある、ある意味では病気とも言える性質を患っている人物なのだとも聞いている。
おかげで俺には会ったこともない兄弟が数多く存在しているらしいのだが、彼らとは今後も会うことはないだろうからどうでもいいと言えばどうでもいい話だった。
ともあれ、義父であるリモヌツ公爵自身は非常に見目の良い、俺と並ぶと精々が兄弟にしか見えない、年齢を感じさせない人物である。
確か実年齢は50と言っていたか60と言っていたか。正直あまり興味がなくてよく覚えていないのだが、流石に後継が必要だとなった時に、せめて自分の子供の可能性がある存在はいないだろうかと、方々へと養子に出されていた実母の生んだ子供を探し始めたのだそうだ。
勿論、父はそのうちの誰か一人であっても、自分の元へ迎え入れられるとは考えていなかったのだそうだ。
ただ探して、そんな都合のいい存在などいないのだということを確認したい。そんな思いで方々を探し回って、そして俺を見つけ出した。
俺を見つけた時、義父は奇跡だと思ったと聞いている。なんでも俺を成した核となった魔力は、間違いなく義父のものだったのだそうだ。
ただし、義父の痕跡はそれのみで、その後育つのに使用された魔力も、産み落とす際に形と成したそれも、ついでに言えば生まれてから存在を固定するため、生後1年に渡って母を通して注がれた魔力だって、義父の要素は微塵も含まれていないに等しいらしいのだが、それでも、核だけであっても自分の魔力で成っている子供があったのは奇跡なのだとか。
おまけに俺は、義父が迎え入れるのに問題とならない状況だったのである。
義父は、俺の存在を義父へと伝えた相手に感謝した。その相手こそが、他でもない俺の伯父、実母の兄、大国ナウラティスの前皇帝で、ナウラティスから俺へとついてくれている侍女や侍従、護衛を用意してくれた人物でもあるのだが、それはともかくとして。
そんな義父と、ついでに件の伯父へと連絡はどうにも気が重いばかりなのだった。
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