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第1章
1-44・未明。だから次へ②
しおりを挟むつまり一度ここまで来てしまうと、なかなか容易に里帰りさえできないということだ。
そういった事情も踏まえ、これほどの人数、皆、よかったのだろうかと俺は疑問に思っていたのだけれど、彼ら彼女ら曰く、構わないのだそうだ。
そもそも、他国へ興味があった者などもいるし、むしろそんなこと気にしないでくれた方がいいとまで言われ、そういうものなのかと曖昧に頷いたのだが、この城の状況を見るに、別な意味で、むしろ足りなかったのではないかとさえ思えてくる。
圧倒的に、王宮として機能するための人員数が足りてない上に、彼ら彼女らの技量も、どう控えめに見ても未熟なばかりだったのである。
特にそれらは末端に行けば行くほど、気になる有様だった。
一応、事前に、人手が足りていないのだと聞いてはいた。だからこそ、連れて行く人員の数については何も言われず、むしろ歓迎されたほど。だが、聞きしに勝るとはこのこと。
それも、俺がここを去る前、ルスフォルが王位に就いた頃からずっと今に至るまでそんな状態が続いているというのだから空いた口が塞がらないというものだろう。
10年である。短くはない年数が経過しているように思うのだが、どうしてそんなことさえいまだに改善されていないのか。
当時、俺はこの王宮で、俺へと割かれた人員が少ないのは、俺の立場ゆえだとばっかり思っていた。
まさかたった一人しかいなかった乳母や数人のみつけられていた使用人がそれでも厳選されていたのだなんて思いもよらない。
少なくとも彼ら彼女らは、仕事の技量という意味ではある程度申し分のない者達で、だから俺はこの王宮の程度はそれぐらいで、特に問題とはならない程度だと把握していたのだが、違っていたらしい。
特に当時の俺に、使用人の仕事ぶりのよしあしなどわかるはずがない。過不足を感じないということは、優秀なのだろうと思っていたぐらいである。
俺が元々平民で、使用人に傅かれる生活に慣れておらず、いないならいないでむしろその方が気が楽だとすら感じていたというのも大きい。
彼ら彼女らの技量はおそらく問題なかったなというのは、後々になって思い返して判断したことだった。
これほどまでにひどい人員不足がもし10年前にわかっていれば。否、わかっていて何になるというのだろう。当時の俺に出来たことなど何もない。
全て、今だからこそ可能なのである。
何が、かというと、多少なり彼ら彼女らの状況を改善して、技術を補うことが、だった。
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