そしてまた愛と成る

愛早さくら

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第1章

1-122・間近。それに向て①

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 婚姻式自体は、滞りなく終わったと言っていい。
 厳かで盛大で。俺やルスフォルの心情はどうあれ、大変に華やかで、祝福に満ちたものだったことは確かだった。
 聞く所によると、10年前の前王妃との婚姻式を踏襲し、同規模を想定したのだが、結果的にはそれより規模の大きなものとなったのだと聞いている。
 それは偏に俺自身の出自の所為だったのだろう。
 否、参席者ゆえと言うべきだろうか。
 隣国リセデオの準王族とも言うべき公爵家からの輿入れ。なおかつ、ナウラティスの王族を母に持ち、婚姻式には他でもないリセデオの現国王のみならず、ナウラティスの前皇帝までもが珍しくも身分を明らかにした・・・・・・・・・上で参席した。
 例えば通常、招待状を送ったとしても、王族やそれに連なる者が直接参席することなど、割合にしては半分程度なのだという。
 にもかかわらず、それが今回に限ってはほぼ全ての国が国王本人、あるいは王太子などの次期国王、そうでなくとも王族やそれに準ずるものが実際に足を運んでくれている。
 それもひとえにリセデオの国王やナウラティスの前皇帝の出席が、大きく影響していることだっただろう。

「うーん、ごめんね、ちょっと大げさになっちゃったね」

 なんて、申し訳なさそうに告げてきたのはナウラティスの前皇帝、つまり、俺にとっては伯父だった。
 なお、リセデオの国王に関しては、義父が来る以上、共に来るのだろうなとは思っていた。
 なにせ義父とリセデオの国王は大変に仲が良く、平生へいぜいから何があってもなくても頻度高く城に呼び立てているぐらいなのだから。
 あのリセデオの国王が義父を一人でなど国外へ行かせるはずがないのである。
 なお、実際には義父は随分足しげく気軽に母のもとへ通っているようなのだが、それに関しては止められていないだけなのだろう。多分、国王は不本意に思っているはずだ。
 ただ、王妃は置いてきたというのは少し意外ではあった。否、あの王妃のことなので、義父と長く共にいたくなく、留守番役を引き受けたのかもしれないけれども。
 王妃とは久しぶりに会いたかったとも思ったけれど、後日通信でもすればよいかと思い直した。
 リセデオの国王は義父を大変に好いていて、だからこそ義父に可愛がられている俺が気に入らないようなのだけれども、反対にだからこそ伴侶たる王妃は義父を嫌っていて、俺をかわいがってくれていたので、つまり俺はリセデオの国王より彼の伴侶たる王妃との方が仲が良いのである。
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