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第1章
1-123・間近。それに向て②
しおりを挟む特に立場として同じよう、一国の王妃となるので、相談できることも学べることもあるだろうとそうも思えて。
ともあれ、残念だけれども仕方がない。
婚姻式の数日前、早めに到着した義父とリセデオの国王と話したのだけれども、二人とも相変わらずだったなと俺は遠い目になるより他なかった。
「ティーシャくぅん!」
対応したのは来賓室にある応接スペースで、ソファに向かい合って、だったのだけれども、そう俺を呼ばわったかと思うと、うぇーんと年甲斐もなく泣きだした義父。溜め息を吐きたくなる俺と、頭が痛いと言わんばかりの顔をしたリセデオの国王。
そして、そんな俺たちの様子に、全く構わない義父である。
「会いたかったよぉ、大丈夫だった? 辛いことはない? しんどいことは? ねぇ今からでもこんな婚姻やめよぉよぉ、さっきちょっとルスフォルくんってのを見たけどね、君があんな子に、」
「……、……リ、リリ!」
捲し立てる義父を何度も呼び掛けて遮る国王は申し訳なくなるぐらい、苦労している様子だった。
だが俺はここで俺が義父の養い子として、国王に申し訳ない、なんて態度を見せようものなら、それはそれでこの国王は面白くないと言わんばかりの顔をすることを、これまでの経験からよく理解していて、だからこそ国王に向けて、労うような視線は敢えて送らないように心がけた。
なにせこの国王は、好きでこんな義父の世話を焼いているのである。そりゃ王妃が義父を嫌うのも納得できるというものだろう。
「公爵閣下、」
「なんでそんな他人行儀なのぉ! お父さん、もしくはパパって言って!」
「……父上」
「うーん、まぁいっかー」
呼びかけ一つで躓いて、いや、礼儀的には、と思いはすれど、めんどくさくてある程度、義父の意向を汲んでおく。
ギリギリの呼びかけは、辛うじて納得できたのだろう、ある意味いつも通りのやり取りの後、ようやく挨拶までこぎつける。
「いらして下さってありがとうございます」
「うんうん、いいよぉ、そんなの! 来るに決まってるじゃない! それより遅くなってごめんねぇ、もっと早く来たかったんだよ? なのにグトくんがさぁ、」
「リリ。お前は何日前から滞在するつもりだったんだ、そんなもの、迷惑に決まってるだろうがっ!」
「何言ってるの! 準備とか何とか、僕だって関わりたかったの!」
しかし、案の定、真っ当に挨拶を交わすことさえ難しく、剰え国王とのやり取りの末、頬を膨らませる始末。
相変わらずの子供っぽい様子と、本当にいったいいつから来るつもりだったのか、頭が痛くなりそうなその内容に、俺は浮かべた笑顔が引きつりそうなのをこらえるのに必死だった。
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