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*1・今の話、結果。

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「ユリィ様、さぁ、復唱してください」
「やっ、ぁっ、ぁっ、やぁっ……!」
「ユリィ様」
「ぁあっ!」

 ビクンと、僕は体を震わせた。
 気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。
 頭がくらくらと眩んで惚けて、もはや疾うにそれだけしか考えられない。
 がくがくと揺さぶられて、お腹の中をめちゃくちゃに掻き回されているのはわかるけれど、ただそれが気持ちいいということしかわからないのだ。
 ここは住み慣れた僕の部屋、僕の寝室、そのはずだ。
 だけどそれさえ、今の僕の意識にはない。

「ユリィ様、さぁ。なんと言えばっ、いいのかは……先程、お伝えしたばかりで、しょう……? ぅっ、」

 言いながらガツンと、ひときわ強く突き上げられ、ぐぽっとお腹の中から、初めて聞くような音が聞こえた気がした。
 頭が真っ白になる。
 お腹の中に途端どばっと強烈な何かがあふれ出た。

「ぁあああああっ……!」

 その強烈な何かが何なのかさえ分からない。
 ただ全身が熱くって熱くって、気持ちよくって。

「ユリィ、様……」

 また、ねだるように名を呼ばれた。
 ああ、なんだったっけか。
 そうだ、言わなければいけない言葉があるのだ。確か……。

「ぁっ、ぅっ、ぁあっ、ぁっ、ぼ、僕ぅっ……あ、赤ちゃん、ほしぃっ……! から、孕ませてぇっ……! ラシェぇっ……! あっ!」

 必死に、そう口に出した瞬間、僕を抱きしめて揺さぶっている彼が、ふわっと柔らかく気配を綻ばせたのがわかった。

「ふふっ……よく出来ました、ユリィ様……さぁ、でしたらそのまま、本心から・・・・望んで下さい……私との子供を。ユリィ様……大丈夫です、補助は私がしますから。ユリィ様はただ、望まれればよいのです。私を受け入れて……」

 どろどろと溶けだしてしまいそうな気持ちよさの中で。

「ぁっ、ぁあっ、ぁあんっ、赤ちゃんんっ……! 赤ちゃんほしぃよぉ、ラシェぇっ……! ぁあっ!」

 僕は必死に、何度もそう繰り返した。
 何故なら大変執拗に、そう言わなければいけない、そう望まなければいけないと教え込まれていたからだ。
 ほんの僅か残った心の片隅で。

(なんでこんなことになったんだろう……?)

 そう、小さく首を傾げながら。
 そんな風に僕はラシェとの初めての子供を、その夜のうちに授かったのである。
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