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序章 プロローグ1 ~始まりの【自分】~

【精霊王】たちの【挨拶】……!!

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「フォーッフォッフォッフォッフォッ!!!!」





 またもや、場違いな、笑い声が、巨大な天井の吹き抜け、および、大神殿ラーマの大広間『玉座の間』にて、木霊するっ!!





 木の精霊王『レグノス』だっっ!!!





 「皆様?失礼では、ございませんかっ!?」





 「先方より、遠路はるばる、ご足労頂いて、異世界【アースラッド】が我が主、マナシス様の御心とお力によって、遥かこの地に、赴いてくださったシュンタロ殿に、労いの言葉コトバどころか、挨拶のひとつすら無い!!是は、如何にっ!?」





 と、叫ぶ、レグノス…。

 尚も、演説は、続き…





「皆様、そうで、ございましょうっ!?挨拶も、労いも、持て成しも無しに、【全界の救世主】とは?などと、おこがましいっっ!!」





 そう、豪語するレグノス…。



 華々しく、皆からの視線を浴びて、悦に浸るレグノス…。



 と…





 「私、木の精霊王『レグノス』と、申します…。以後、お見知り置きをっっ!!」





 華麗に、僕、シュンタロの目の前で、跪く、レグノス…。



 

 分かったよ…。



 

 君が、気の良いヤツで、憎めないヤツなんだって…。





 「グカッカッカッカッ!!」





 金の精霊王『オーリオ』が、またもや、笑い出す…。





 「いやいやぁ!!すまぬな。シュンタロ殿…。申し遅れた…。我が輩は、金の精霊王『オーリオ』。つい、熱が、入ってしまってな…。我が郷【アースラッド】を、想えばこそっ!!だからといって、誰ひとり、シュンタロ殿を、無下には、しておらぬ……。」





 「私事とはいえ、議題に、かまけて、目の前の料理にも、目もくれず……。……シュンタロ殿には、申し訳ないことをした……。我が金の精霊たちよ……シュンタロ殿に、お持て成しをっっ!!!」





 金の精霊王『オーリオ』が、そう、叫ぶと………

 たちどころに、金銀細工、ありとあらゆる宝石を、着飾った美女たちが、現れ、僕を、とり囲む………。



 ジッと、僕を、見つめる美女たち……。

 目が合って……。





 ダメだ!!

 ダメだっ!!シュンタロっっ!!

 マナさんが、見てるぅっっ!!

 プルプルした、それは、何っっ!?





 ……







 静かに、黙っていた火の精霊王『ファイガ』君が、口を、開く……。





 「我が名は、『ファイガ』……。忠誠の証に、これを……納めて下さい……」





 と、剣つるぎ!!!





 出ました!!ソードっっ!!!!





 「我が身が火炎の身体が一部を納めし大剣を……ここに……!!」





 両刃の赤い刀身!!!!





 僕の、身の丈より、太くてデカイっっ!!!!





 これを、振れるのかっ!?





 「攻防一体と、なっております……。故、話すことも、可能です……」





 しゃべる剣んん!!!?



 びっくりだ!!



 そんなの待ってた……。





 「【火の剣神フーコ】よ……新しき主、シュンタロ殿に挨拶をするのだ……」



 

 フーコ……。

 あんまり、強そうな名前じゃないな……。





 「は、はじめまし、て…。フ、フーコ…で、ござい…ま、すぅ………。シュ…シュンタロ様……を、おま……お守りいた…致しま、すぅ……」





 しゃ、しゃべった……!?

 け、剣なのにっ!?



 不器用に、女の子の声で、しゃべった……。

 以外に、カワイイ声。

 人の姿に、顕現するのかもしれないっ!!

 楽しみだ………。





 そして………





 「私たち、三姉妹が、星の3大精霊王……」



 「風のウィンドラ」



 「水のヴェネシス」



 「土のテラ」





 「と、申します…。」





 揃えて、口々に、そう言った後………





 「我らが、合わさりし、『力ちから』!!【星スター惑星ブループラネット】を、ここに!!」





 と、とんでもなく、深く澄み切った、とてつもなく青い、手の平ほどの玉石を、差し出す……。





 なんだか、何が起きるか分からない、超ド級の手の平サイズの『玉』である………。





 力の塊が、渦巻いている………。





 最後に、ずっと、押し黙っていたままの、無の精霊王『アナスタシオン』……。





 「改めて申し上げます……。無の精霊王とは、名ばかりの、アナスタシオンに、ございます……。シュンタロ様…。このように、我らが、兄弟姉妹、大変仲が、良く、時に、悪ふざけの過ぎることも、ございます………。何卒、ご容赦を………。」





 そう言って、………ッフ、と、笑い、絶妙なる角度で、口角を、上げた………。





 「では、最新の情報を、差し上げます………。実は、シュンタロ様………こちらの世界に、来られる際に、生み落とされてしまわれました……。」





 え……?

 何のこと?





 「シュンタロ様ご自身の……、【影なる存在】を……です………」





 びっくりした……。

 僕の……



 影……?





 挨拶の内容を、グルグルずっと、考えてたのに………。





 頭の中の思考回路が、停止ショートした……。





 【全界の救世主】の説明も、聞きたかったけど……。







 ………







 僕は、椅子から、パタリと、転がり落ちて、倒れた………。





 神王デウスお父様と、女神マナさん。

 そして、力の根源ともいえる、精霊王たち……。





 なんだか…





 目の前が…





 白くなる…。





 クラクラして………





 もう、限界………。





 駄目だ…………。































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