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魔王の遺跡編
222.魔王の遺跡へと
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朝から飛竜を飛ばして日暮れ前、砂漠の中に灰色の建物が立ち並ぶ町が見えてきた。特徴から、魔王の遺跡と呼ばれる場所だろう。
雪乃たちを乗せた飛竜は、魔王の遺跡近くへと降り立った。
ここで一晩越して、翌朝から遺跡の調査に入る。
朝が来ると、雪乃たちは身支度を手早く済ませ、砂漠の中を歩いて進む。
ここまで来た以上、悩んでも仕方ないだろう。行くしかないのだ。
覚悟を決めた雪乃は、ぽてぽてと遅れないように付いていく。
辿り着いた町には、コンクリートを思わせる灰色をした四角い箱の家が密集していた。
かつては見慣れていたはずの建造物に似ているが、色や形が様々な家を見てきた今の雪乃には、殺伐とした景色に見えた。
「懐かしいね。まるで死んだ町みたいだけど」
同じ思いを抱いたのだろう。町の様子を見ていたムダイは、寂しそうに呟いた。
四人は一際大きな建物を目指して進んで行く。それは正面から見ると、まるで国会議事堂を思わせる外観をしていた。
「やはり以前の魔王も……」
「そうかもしれないね」
雪乃とムダイは、互いの言わんとしている事を正確に察しあったようだ。
「なに二人だけで理解してんのさ? おとーさんに秘密は駄目だよ?」
魔王の遺跡を前にしても変わらぬノムルは置いておいて、三人は国会議事堂(仮)に足を踏み入れた。その途端、雪乃の体がバチバチと火花をまとう。
「ユキノちゃん?!」
「雪乃!」
ノムルとカイが慌てて雪乃に手を伸ばすが、その手を何かが遮った。透明な膜のようだが、その向こうまで手を伸ばすことができない。
雪乃の体が浮遊し、幹から垂れた枝が力なく揺れる。
すぐさまノムルは杖を振るった。だが幕が眩しく輝いただけで、破壊はできなかった。
「ふざけんな」
ノムルの瞳孔が鋭く光る。杖を放り出し、両手を前方に突き出した。
閃光が辺りを覆い、カイとムダイは腕を日よけ代わりにして目を庇う。
その白光の世界で、宙に浮かぶ雪乃がわずかに振り返った。
「ノムル、さん」
枝を伸ばそうとしたが、そのまま力尽きたように、枝は垂れてぶらりと揺れた。雪乃の体は浮遊したまま、廊下の奥へと運ばれていく。
「ユキノーっ!!」
ノムルの絶叫が、国会議事堂(仮)に響き渡った。
雪乃が運ばれたのは、玉座のある謁見の間だった。
数段上の壇上に置かれた、赤い布張りの豪華な椅子。あれは自分の椅子だと、雪乃はおぼろげに認識した。
雪乃はぽてぽてと歩いていく。
段を一段ずつ、枝を突いては根っこを引き上げて上り、玉座に座……座ろうとしたのだが、雪乃の肩ほどまである玉座に、簡単に座ることはできない。
いつものように枝を突いて上ろうとしても、根を掛けることさえできず、力尽きた。
ぽてりと落ちた雪乃は、玉座の前で根を投げ出して座る。
頭がぽうっとして、考えることができない。霧の中に一人いるようで、雪乃は視点も定まらず天井を見上げていた。
「母上! お戻りくださったのですね」
扉が開き、若い男が入ってきた。赤い瞳が印象的な、褐色の肌を持つ少年は、黒い髪をなびかせながら雪乃へと近付いてくる。
彼の肩には、一匹のマンドラゴラが座っていた。
「……ダルク」
雪乃の口から、力ない声がこぼれ出る。
ダルクは破顔し、輝く笑みを咲かせた。
「嗚呼、母上。この日をどれほど夢見、お待ちしておりましたことか」
檀の下まで進み出たダルクは、片膝を付き頭を垂れる。肩のマンドラゴラも、真似をして膝を折り、根を曲げる。
「ダルク、それよりも、私を玉座に座らせて」
「仰せのままに、母上」
どこか上の空な雪乃の言葉にも、ダルクは笑みを浮かべたまま嬉しそうに従う。壇上へと上り雪乃を抱き上げると、玉座へと座らせた。
大きな椅子にちょこんと座る、樹人の子供。
「母上、ネズミが侵入しているようです。退治してきますね」
にこにこと喜びをあふれさせた笑みを浮かべているダルクへと、雪乃の顔が動く。
「だめ。ネズミさん、いじめちゃだめ」
ふっとダルクの顔から笑みが消えた。静かに雪乃を見つめる目は、何かを探っているようだ。
だがそれも少しの間だった。ダルクの顔が再び綻んだ。
「ネズミは例えですよ。母上に害を成そうとする、悪い人間たちのことです。本物のネズミではありませんからご安心ください」
「そう、だったら任せる」
「必ずや」
胸に手を当て一礼すると、ダルクは謁見の間から去っていった。
残された雪乃は、背もたれに体を預け、気だるげに目を閉じる。なんだかとても疲れていて、眠い。
自分が誰だったのかさえ、おぼろげになっていた。
ノムルの機嫌は最悪だった。同行している二人の男は、気まずそうに歩いている。
「おい、狼! 本当にこっちで合ってるんだろうな?」
どんな構造なのか、国会議事堂(仮)の中は、迷路のように入り組んでいた。
その上に、上手く魔法を使うことができない。
本気で魔法を発現させれば使用できるが、どの程度の魔力でどれほどの威力となるのか、読みきれなかった。
下手に魔法を放てば、雪乃の身まで危険に晒しかねなず、ノムルは自力で雪乃の行方を追うことができない。
ムダイも剣を振るって壁を壊そうとしたのだが、傷一つ付けることができなかった。
「ああ、雪乃の匂いを辿っているから間違いない」
「ユキノちゃんの匂いって……っ! この変態狼め! ユキノちゃんを取り返すまでは生かしてやるけど、その後は二度と近付けさせないからな!」
げっそりと肩を落としながら、カイは廊下を進んでいく。
ノムルの暴言の数々はともかく、怒り狂うノムルから漏れ出ている魔力がきつかった。
肌をピリピリと刺激し、毛が逆立ち続けている。常に体を魔力で覆って強化していないと、怪我を負いかねない状態だった。
狼の獣人であるカイの嗅覚は、一キロ先のものでも嗅ぎ分けることができる。この程度の建物であれば、どこに誰がいるかなど、すぐに分かる。
だからこそ、それに気付いた。
「雪乃のいる部屋に、誰か入ってきた。人間ではないな。エルフに似ているが、魔物のようにも。マンドラゴラの匂いもする。」
「何っ?! ユキノちゃんは無事なのか?! 早く行くぞ! くそうっ! ユキノちゃんが傍にいれば、建物ごと吹き飛ばして見通し良くするのに!」
カイの言葉を遮り、ノムルは吼えた。
雪乃がさらわれたから探しているのだが、この魔法使いに言っても通じないのだろうと、カイは小さく息を吐く。
けれど雪乃の様子を窺うことは忘れない。
「知り合いみたいだな。雪乃のことを『母上』と呼んでいるようだが」
匂いからなのか音を聞き取ったのか、カイはつぶさに状況を伝えていた。たが拾った単語に、聞き間違えかと首を傾げる。
ムダイも眉を寄せて、意味が分からないとばかりにカイを見た。
しかしノムルは、その場に崩れ落ちて両手を突いた。
雪乃たちを乗せた飛竜は、魔王の遺跡近くへと降り立った。
ここで一晩越して、翌朝から遺跡の調査に入る。
朝が来ると、雪乃たちは身支度を手早く済ませ、砂漠の中を歩いて進む。
ここまで来た以上、悩んでも仕方ないだろう。行くしかないのだ。
覚悟を決めた雪乃は、ぽてぽてと遅れないように付いていく。
辿り着いた町には、コンクリートを思わせる灰色をした四角い箱の家が密集していた。
かつては見慣れていたはずの建造物に似ているが、色や形が様々な家を見てきた今の雪乃には、殺伐とした景色に見えた。
「懐かしいね。まるで死んだ町みたいだけど」
同じ思いを抱いたのだろう。町の様子を見ていたムダイは、寂しそうに呟いた。
四人は一際大きな建物を目指して進んで行く。それは正面から見ると、まるで国会議事堂を思わせる外観をしていた。
「やはり以前の魔王も……」
「そうかもしれないね」
雪乃とムダイは、互いの言わんとしている事を正確に察しあったようだ。
「なに二人だけで理解してんのさ? おとーさんに秘密は駄目だよ?」
魔王の遺跡を前にしても変わらぬノムルは置いておいて、三人は国会議事堂(仮)に足を踏み入れた。その途端、雪乃の体がバチバチと火花をまとう。
「ユキノちゃん?!」
「雪乃!」
ノムルとカイが慌てて雪乃に手を伸ばすが、その手を何かが遮った。透明な膜のようだが、その向こうまで手を伸ばすことができない。
雪乃の体が浮遊し、幹から垂れた枝が力なく揺れる。
すぐさまノムルは杖を振るった。だが幕が眩しく輝いただけで、破壊はできなかった。
「ふざけんな」
ノムルの瞳孔が鋭く光る。杖を放り出し、両手を前方に突き出した。
閃光が辺りを覆い、カイとムダイは腕を日よけ代わりにして目を庇う。
その白光の世界で、宙に浮かぶ雪乃がわずかに振り返った。
「ノムル、さん」
枝を伸ばそうとしたが、そのまま力尽きたように、枝は垂れてぶらりと揺れた。雪乃の体は浮遊したまま、廊下の奥へと運ばれていく。
「ユキノーっ!!」
ノムルの絶叫が、国会議事堂(仮)に響き渡った。
雪乃が運ばれたのは、玉座のある謁見の間だった。
数段上の壇上に置かれた、赤い布張りの豪華な椅子。あれは自分の椅子だと、雪乃はおぼろげに認識した。
雪乃はぽてぽてと歩いていく。
段を一段ずつ、枝を突いては根っこを引き上げて上り、玉座に座……座ろうとしたのだが、雪乃の肩ほどまである玉座に、簡単に座ることはできない。
いつものように枝を突いて上ろうとしても、根を掛けることさえできず、力尽きた。
ぽてりと落ちた雪乃は、玉座の前で根を投げ出して座る。
頭がぽうっとして、考えることができない。霧の中に一人いるようで、雪乃は視点も定まらず天井を見上げていた。
「母上! お戻りくださったのですね」
扉が開き、若い男が入ってきた。赤い瞳が印象的な、褐色の肌を持つ少年は、黒い髪をなびかせながら雪乃へと近付いてくる。
彼の肩には、一匹のマンドラゴラが座っていた。
「……ダルク」
雪乃の口から、力ない声がこぼれ出る。
ダルクは破顔し、輝く笑みを咲かせた。
「嗚呼、母上。この日をどれほど夢見、お待ちしておりましたことか」
檀の下まで進み出たダルクは、片膝を付き頭を垂れる。肩のマンドラゴラも、真似をして膝を折り、根を曲げる。
「ダルク、それよりも、私を玉座に座らせて」
「仰せのままに、母上」
どこか上の空な雪乃の言葉にも、ダルクは笑みを浮かべたまま嬉しそうに従う。壇上へと上り雪乃を抱き上げると、玉座へと座らせた。
大きな椅子にちょこんと座る、樹人の子供。
「母上、ネズミが侵入しているようです。退治してきますね」
にこにこと喜びをあふれさせた笑みを浮かべているダルクへと、雪乃の顔が動く。
「だめ。ネズミさん、いじめちゃだめ」
ふっとダルクの顔から笑みが消えた。静かに雪乃を見つめる目は、何かを探っているようだ。
だがそれも少しの間だった。ダルクの顔が再び綻んだ。
「ネズミは例えですよ。母上に害を成そうとする、悪い人間たちのことです。本物のネズミではありませんからご安心ください」
「そう、だったら任せる」
「必ずや」
胸に手を当て一礼すると、ダルクは謁見の間から去っていった。
残された雪乃は、背もたれに体を預け、気だるげに目を閉じる。なんだかとても疲れていて、眠い。
自分が誰だったのかさえ、おぼろげになっていた。
ノムルの機嫌は最悪だった。同行している二人の男は、気まずそうに歩いている。
「おい、狼! 本当にこっちで合ってるんだろうな?」
どんな構造なのか、国会議事堂(仮)の中は、迷路のように入り組んでいた。
その上に、上手く魔法を使うことができない。
本気で魔法を発現させれば使用できるが、どの程度の魔力でどれほどの威力となるのか、読みきれなかった。
下手に魔法を放てば、雪乃の身まで危険に晒しかねなず、ノムルは自力で雪乃の行方を追うことができない。
ムダイも剣を振るって壁を壊そうとしたのだが、傷一つ付けることができなかった。
「ああ、雪乃の匂いを辿っているから間違いない」
「ユキノちゃんの匂いって……っ! この変態狼め! ユキノちゃんを取り返すまでは生かしてやるけど、その後は二度と近付けさせないからな!」
げっそりと肩を落としながら、カイは廊下を進んでいく。
ノムルの暴言の数々はともかく、怒り狂うノムルから漏れ出ている魔力がきつかった。
肌をピリピリと刺激し、毛が逆立ち続けている。常に体を魔力で覆って強化していないと、怪我を負いかねない状態だった。
狼の獣人であるカイの嗅覚は、一キロ先のものでも嗅ぎ分けることができる。この程度の建物であれば、どこに誰がいるかなど、すぐに分かる。
だからこそ、それに気付いた。
「雪乃のいる部屋に、誰か入ってきた。人間ではないな。エルフに似ているが、魔物のようにも。マンドラゴラの匂いもする。」
「何っ?! ユキノちゃんは無事なのか?! 早く行くぞ! くそうっ! ユキノちゃんが傍にいれば、建物ごと吹き飛ばして見通し良くするのに!」
カイの言葉を遮り、ノムルは吼えた。
雪乃がさらわれたから探しているのだが、この魔法使いに言っても通じないのだろうと、カイは小さく息を吐く。
けれど雪乃の様子を窺うことは忘れない。
「知り合いみたいだな。雪乃のことを『母上』と呼んでいるようだが」
匂いからなのか音を聞き取ったのか、カイはつぶさに状況を伝えていた。たが拾った単語に、聞き間違えかと首を傾げる。
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