百合好き転生令嬢は、黒髪に生まれたことで親族たちから疎まれていますが、念願通り百合に囲まれ今日も幸せです

tataku

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第26話 アリシア様のお部屋

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 そして、とうとう――アリシア様のお部屋までやってきた!

 やべ、まじでドッキドキだよ。

 でも何で私、こんなにもドキドキしてるわけ? 自分のことなのに、意味が分かりませんね!

「あの――そんなに、期待しないでくださいね」

 と、アリシア様は私の顔を見てそんなことを言った。

 べ、別に、期待なんてしてないんだからね!

「始めは……何も意識していなかったのですが、お友達に自分の部屋を見せる、ということは――こんなにも、緊張してしまうものなのですね」
「アリシア様、仕方がありませんよ。だって、姉様はスケベな方ですから」
「だから、スケベじゃないからね!」

 妹は私を見て、鼻で笑いやがった。

 こ、こやつめぇ。

 さっきは、噛み噛みだったくせにぃ。

 短時間で、成長しやがったなぁ。

 ん?

 成長?

 ……ふむ。

 なるほど。

 妹は、私のおかげで成長できたわけか。

 お姉ちゃん――なんだか嬉しいかも✩

 だけど、少し寂しくもある――そんな、複雑な姉心なのです。
 
「そ、それでは、開けますね」

 アリシア様は、恥ずかしげに扉を開いた。

 部屋の風景が私の目に広がっていく。

 私の部屋よりも、広々としていた。
 

 そして私は、衝撃を受けることになる。
 

 部屋の左端に、ベットと机が押し込まれるようにして置かれているのは、普通なのだが――。

 何故か!

 周りの壁には、色んな武器が立て掛けられている。剣だけでなく、槍や斧、弓矢まで。


 これでは――まるで武器庫のようではないか!


 真ん中には打ち込み台や打ち込み人形が部屋を圧迫しており、弓矢用の的まである。部屋というよりは訓練場そのものですね!

 だけど、傷や汚れなどは一切なく綺麗にしてあるのはさすがアリシア様!

 だとしてもここは――お姫様のお部屋では決してない。

 ここに、ドキドキ要素は皆無ですね!

「ど、どうですか?」

 アリシア様は、恥ずかし気に指をもじもじとさせながら――上目遣いで私たちを見る。何処か、期待したような眼差し。

 私は妹の方に目を向けると、視線が合った。

 困惑しているのがよく分る。

「い、いい部屋、だと思いますよ?」

 私はアリシア様の方に顔を向けると、そんなことを口にした。

 だって、他に言うことないですよね!?

「そ、そうですか? それなら、良かったです」

 いや、よくはないだろ。

 何、安心しきった顔をしているんですかね?

 私たちの引きつった顔で、少しは察しては頂けませんか!

 そして、アリシア様はむふふ顔になると、この剣は――この槍は――これはあれだ、これはそれだ、と説明を始めた。

 あ、この人――オタクだ。

 間違いない。

 自慢げに長々と話す姫様を見て、不覚にもキュンときてしまいそうだ。

 突如、服の裾を引っ張られる。

 妹が、あれをどうにかしてください――と私に無言で催促してきた。

 しばらく眺めていたい気もするのだが、そうも言っていられないか……。

「アリシア様」

 熱くなっている姫様の二の腕を、つんつんと突っついた。

「どうしましたか、レナ様。なにか、気になる武器でもありましたか?」

 ずいっと、顔を近づけられた。

 ち、近い。

 そして、圧が凄い。

 そんな、期待に満ちた目で私を見ないでくれ!

「えっと……」

 アリシア様が嬉しそうな顔で、頷かれる。

「あの――剣とか、変わってますね」

 私は適当な剣を指差した。

「流石はレナ様ですね。目の付け所が違います」
「え? そうかな?」

 そう言われて、悪い気はしない。
 
「はい、大したものです」
「まぁ、それほどでも――あるかな!」

 適当に選んだつもりだったのだが、私、とんでもない目利きの才能があったのか!

 いたっ!

 妹が、私の足を蹴りやがった。

 しかも、なんかめちゃくちゃ睨んできてる!

 姉様、ちゃんと分かってます? という顔をしてきた。

 失礼な!

 ちゃんと、分かってるから! と顔で返事を返した。

 それなら、早くしてください! と顔で追い討ちをかけてくる。

 仕方なく、私は再び姫様の方へと身体を向けるのであった。
 
「あ、アリシア様、それよりも――婆やさんに連絡して貰ってもいいかな?」

 私の言葉で、アリシア様はハッとされた。

「す、すみません。そうでしたね。危うく、我を忘れてしまうところでした」

 アリシア様は恥ずかしげに、少しだけ舌を覗かせ、てへっと笑った。

 か、可愛い~✩

 でもね、アリシア様。

 残念ながら、完全に我を忘れていましたよ!



 * * *



 アリシア様は魔法のベルで、婆やさんに状況の確認をしてくれた。

 すると、メリエーヌさまが私に会いたい、ということで直ぐに彼女がいる場所まで向かうことになった。

 うん。

 緊張!
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