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番外編 その後の二人
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ルイスレーンからの手紙は私に心の安寧をもたらしてくれた。
「あなたたちのパパはお仕事を頑張っているのよ。とっても優秀なの」
お腹を擦り子どもたちに声をかけた。
まだ動かないが、明らかに大きくなりつつあるお腹を見ると、そこに間違いなく命が宿っていることを実感する。
「早くあなたたちに会いたいわ」
次の日は朝から小雨が降っていた。
朝はゆっくり起きて朝食を取り、昨日は出来なかった手紙の整理から始めた。
いくつか手紙の返事を書き、侯爵家の管理についての報告を読み、私にできる範囲で指示を出した。
ルイスレーンが侯爵家当主でありながら軍にも籍を置いているため、彼が不在の時は私が侯爵夫人としてリンドバルク侯爵家の印章を押す権限を与えられている。
愛理の時に仕事のことには一切口出しさせてもらえなかった。
家を切り盛りするためのお金も、毎月決まった額を夫から渡されて、毎週どれにどれだけ使ったか報告させられていた。
少しでも無駄遣いだと思われたらこんなこともできないのかと、無能呼ばわりされた。
リンドバルク家の資産規模は一流企業の会社並みで、私が前世で管理していた家計とは規模がまったく違う。
多くの使用人たちを抱え、広大な土地と邸、飼っている馬や家畜、所有する領地に関する書類が毎日山のように積み上げられている。
領地には優秀な管理人を置いているが、彼らもある程度の権限を与えられているとは言え、領主として判断しなければならないことは後を絶たない。
私が采配したことはルイスレーンが帰った時に報告し確認してもらっているが、それに対して追加で指示を出すくらいで、私の決定を尊重してくれている。
真っ向から否定したりはしない。
私もどうしても判断がつかなければルイスレーンの決定を仰ぐようにしているし、今の所大きな問題はない。
「急ぎのものは取り敢えずこれくらいかしら」
処理済の書類の山を見て、満足した頃に丁度お昼になった。
雨は本降りになってきてお昼だというのに空はどんよりとしていて薄暗い。
風も強くなってきて庭の木々が揺れ木の葉が風に呷られ吹き飛んでいく。
「きゃ!」
閃光が空を走り、しばらくして雷鳴が鳴り響いた。
思わず目を閉じてその場に踞った。
雨はまるで滝のように激しくなり、連続して稲妻が光り、轟音が大地を震わせた。
「あ…」
ふと、あの日の光景が蘇った。
テレビのお天気キャスターがこれから台風がゆっくり勢力を保ったまま東に進んでいると伝えている。
外は風が吹き荒れ、激しい雨が窓を叩く。
そしてそこで愛理の人生は終わった。
痛みは感じなかった。熱も音も匂いさえも感じなかった。
死を迎えた瞬間のことが蘇り、体が勝手に震えだした。
その場に踞ったまま、今蘇った一人で迎えた死の瞬間の記憶に押しつぶされそうになった。
「あ…ルイスレーン…」
床に手を突いて四つん這いになり、湧き出る冷や汗を止めることができなかった。
「ル…ルイス…」
肺に空気が入らず肩で必死に呼吸する。過呼吸になっている自覚があったが、どうすれば治せるのか思い出せない。
耳鳴りがして降り続く雨の音も轟く雷鳴も次第に遠くなる。
視界もぼやけ、誰かに名前を呼ばれた気がして振り返ると、慌てて駆け寄ってくる人影が見えたが、そこで意識がぷつりと途絶えた。
「あなたたちのパパはお仕事を頑張っているのよ。とっても優秀なの」
お腹を擦り子どもたちに声をかけた。
まだ動かないが、明らかに大きくなりつつあるお腹を見ると、そこに間違いなく命が宿っていることを実感する。
「早くあなたたちに会いたいわ」
次の日は朝から小雨が降っていた。
朝はゆっくり起きて朝食を取り、昨日は出来なかった手紙の整理から始めた。
いくつか手紙の返事を書き、侯爵家の管理についての報告を読み、私にできる範囲で指示を出した。
ルイスレーンが侯爵家当主でありながら軍にも籍を置いているため、彼が不在の時は私が侯爵夫人としてリンドバルク侯爵家の印章を押す権限を与えられている。
愛理の時に仕事のことには一切口出しさせてもらえなかった。
家を切り盛りするためのお金も、毎月決まった額を夫から渡されて、毎週どれにどれだけ使ったか報告させられていた。
少しでも無駄遣いだと思われたらこんなこともできないのかと、無能呼ばわりされた。
リンドバルク家の資産規模は一流企業の会社並みで、私が前世で管理していた家計とは規模がまったく違う。
多くの使用人たちを抱え、広大な土地と邸、飼っている馬や家畜、所有する領地に関する書類が毎日山のように積み上げられている。
領地には優秀な管理人を置いているが、彼らもある程度の権限を与えられているとは言え、領主として判断しなければならないことは後を絶たない。
私が采配したことはルイスレーンが帰った時に報告し確認してもらっているが、それに対して追加で指示を出すくらいで、私の決定を尊重してくれている。
真っ向から否定したりはしない。
私もどうしても判断がつかなければルイスレーンの決定を仰ぐようにしているし、今の所大きな問題はない。
「急ぎのものは取り敢えずこれくらいかしら」
処理済の書類の山を見て、満足した頃に丁度お昼になった。
雨は本降りになってきてお昼だというのに空はどんよりとしていて薄暗い。
風も強くなってきて庭の木々が揺れ木の葉が風に呷られ吹き飛んでいく。
「きゃ!」
閃光が空を走り、しばらくして雷鳴が鳴り響いた。
思わず目を閉じてその場に踞った。
雨はまるで滝のように激しくなり、連続して稲妻が光り、轟音が大地を震わせた。
「あ…」
ふと、あの日の光景が蘇った。
テレビのお天気キャスターがこれから台風がゆっくり勢力を保ったまま東に進んでいると伝えている。
外は風が吹き荒れ、激しい雨が窓を叩く。
そしてそこで愛理の人生は終わった。
痛みは感じなかった。熱も音も匂いさえも感じなかった。
死を迎えた瞬間のことが蘇り、体が勝手に震えだした。
その場に踞ったまま、今蘇った一人で迎えた死の瞬間の記憶に押しつぶされそうになった。
「あ…ルイスレーン…」
床に手を突いて四つん這いになり、湧き出る冷や汗を止めることができなかった。
「ル…ルイス…」
肺に空気が入らず肩で必死に呼吸する。過呼吸になっている自覚があったが、どうすれば治せるのか思い出せない。
耳鳴りがして降り続く雨の音も轟く雷鳴も次第に遠くなる。
視界もぼやけ、誰かに名前を呼ばれた気がして振り返ると、慌てて駆け寄ってくる人影が見えたが、そこで意識がぷつりと途絶えた。
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