そしてまた、僕は君と付き合う

捌素人

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5章 最悪の詰め合わせルート

3話 最悪の詰め合わせルート 3

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「ここのドアを開ければ、中が分かる」
「………………」
ガチャ
「えっ……………………」
ど、どうして…………?
「零もやはり男だったということだよ」
「………………そ、そんな」
「なんて、淫乱な娘なんだかな」
「お、おかしい……あんた、何をしたんだ」
「あの二人に性交するように言ったのだよ。楽しそうだろ?」
「あんたまで興奮するとはな」
「君は、興奮しないのかい?」
「僕は、そう言うのに興味がないもんでな」
もし、犯されているのが美紗ではなかったら………もし、犯しているのが零ではなかったら、きっと興奮したのかもしれない。でも……。
「俄に信じられないんだよね。なんで二人があんなこと………」
「愛し合っているから。違うかい?」
「そんなことを聞いているんじゃない」
もしかしたら、僕はイラついているのかもしれない。未だに美紗のことが好きだ。だから、こんな事実を認めたくないのかもしれない。
「最初は、どちらも嫌がっていたよ。でもな………」
「…………」
「君を殺すと言ったら、するって言ったんだ。憎むんなら、自分を憎め。君が好きな娘は、私の息子によって犯されている。大丈夫さ。あの二人は生かしておく」
「僕の、せいなのか……………」
「そうだ。君のせいで、皆死んだのだ」
「…………どういうことだ?」
「……口が滑った。気にするな」
「僕の………両親を殺したのか?」
「………そうだ。ここの社員全員もな」
「………………」
セーブ
「あんた、この世界に生きてて良い人間じゃない」
「何を根拠に言っているのだ?」
「あんたは人の命をなんだと思っているんだ」
「命の価値とは、平等なのだよ。つまり、人それぞれの価値観でしか、価値を見出だせない」
「あんたにとっては価値がないかもしれないがな、誰かにとっては大切なもんなんだよ」
「誤りがあるな、その解釈には」
「はっ?」
「価値は平等だ。私は何人もの命を奪った。私にとって、命とは儚いものなのだよ。だがね、価値が平等なのに、自分だけ他の人より価値が上だと思っている奴がいる。それは我儘だ。傲慢だ」
「何が言いたいんだ」
「人は生きるために他の生き物を殺す。命とは平等なのに、なぜ咎められないのか、疑問ではないかな?」
「生きるために必要なことだ犠牲がなければ人の今の暮らしは無いんだ」
「そう。そして、君のにとっての命の価値とは、生きるためなら無くなっても良いもの、なんだろう?」
「……!!誰がそんな風に言った!」
「君自身さ」
「埒が明かない。強行突破させてもらう」
「私と戦うって言うのかい?」
「あぁ」
確実に、零よりも強い。でなくては、零が従う理由がない。
「さぁ、来たまえ」
「後悔させてやるよ」

~~~~~~~~~~~~~~~

戦闘の後、最後の絶望が!
それが終わり次第次の章に移ります。
面白いと思っていただけたらこれからもよろしくお願いします。

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