あなたのタマシイいただきます!

さくらんこ

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★本編★あなたのタマシイいただきます!

【5-1】もういいよ※R15

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×tatumi side×


今日は喫茶【シロフクロウ】は休みの日なんだけど、マスターに頼まれて講義終わりに那由多と買い出しに行く途中だ。
買物と言っても、ランチに使う野菜、肉はマスターの管轄で“エーテル”と言う、彼の持ち会社から卸してもらっているし、紅茶やコーヒーはマスターのお兄さんで、神功財閥の跡取り、〈神功十輝央─じんぐう ときお〉さんが仕入れをしてくれている。
【シロフクロウ】で提供しているスイーツも店で作るものもあるが、提携先のケーキ屋があるのでそこから持ってきてもらっているものも多い。
勿論、ケーキ屋のオーナーもマスターと顔見知りだ。
そこもマスターの知り合いと言うんだから、どんだけあの人は顔が広いんだろ。
元から彼も、養子と言えど神功財閥の一員である。
財界で強いのは言うまでもなく、更に個人で展開している事業が幾つもあり個人的なネットワークも既に持っているだろう。
勿論、闇の組織に対しても強いのは言うまでもなく、僕とは全く違う世界に住む住人だ。

そんな僕がなぜ、この世界に足を踏み入れたというと。
今自分の横にいる、那由多がマスターにスカウトされたからだ。
高校時代に遡るので、那由多はその時のことをあまり覚えていない。
勿論僕達の関係も、だ。
親友だった那由多が、僕に隠し事をしてマスター達と危ない事を始めたとき、僕は那由多にかなり酷いことをした。
今となってはそれも記憶に無いようなので、いいのか、悪いのか分からない。
少なくとも、再びそうならないようにする為、僕も喫茶【シロフクロウ】で働き続けている。
初めは一人で働く母親の負担を減らそうと考え、独り暮らし用の部屋も準備されると言うことでマスターの誘いに乗ったところもあったが、那由多がここでバイトすることになった為に、もうやめる訳には行かなくなった。

そしてだいぶ話がそれてしまったけど、今から買いにいくのは季節イベントに使えそうなものと、那由多がカフェボードを書くことになったのでその材料だ。

「那由多ー?何見てんのー?」

「んー?なんか、書くのに良さそうなペン。」

俺の横を歩きながら那由多は携帯をいじっている。
人通りはまだそんなに多くないから危なくは無いけど、俺は那由多が人にぶつかられないようにと少し近付く。
昨日から買い物に行くことはわかっていたのに下調べしてないのは那由多らしいというか…、きっとまた夜遅くまでゲームをしていたんだと思う。
ヤル気が無さそうに画面を見つめている那由多に小さく肩を竦めた。

複合施設が入ったショッピングモールが近づいてくると人も多くなってくる。
近くに公園もあるせいかちびっこ達も増えてくる、と、思った瞬間に前から数人後ろを向きながらダッシュしてくる子達がいる。

「那由多、危ないッ…」

「うぉっ………と。」

那由多の腕を組むように引っ張ると自分の方へ寄せる。
「すいませんー!」「ごめんなさーい!」と、子供達の明るい声が響き渡ると、「おー、気をつけろよー」と、那由多が気の抜けた声が返される。
俺は改めて溜息を吐いた。
小さく吹き抜けた風が俺の長い方の髪を弄ぶ。
チラッと那由多の手許を見るとまだ、携帯をいじっていたので俺は手を伸ばした。

「那由多。もう、人増えてきたから止めときなよ。」

「んー。わかった。
てか!触んなって、巽が触るとぜってー携帯の調子おかしくなるから!」

「ひどいなー、人をウイルスみたいに。」

「機械音痴ってわかってんだろ?
大学から支給されたパソコンだって壊してたし。」

「あれは、初期不良だったんだって。」

ジトと、見上げてくる那由多は相変わらずで俺はおかしくて肩を揺らす。
携帯は諦めたようでポケットになおしている姿を確認すると近い距離のまま俺達は歩き始めた。

「じゃあ、俺はチョークボードと、マスターに頼まれたもの買ってくるから、那由多は文房具よろしくねー。
集合は、あそこの公園で待ち合わそ。
早く終わりそうなら連絡入れるねー。」

「はいはい。わかった、わかった。」

ショッピングモールの外にある公園のベンチを指差し、待ち合わせ場所を決めておく。
そうしないと、機械音痴の俺は場所を調べて行くという現代社会では簡単な方法が取れないので時間がかかってしまうからだ。
ヒラヒラと手を降って目的地へと急いだ。




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巽は基本俺といるとめちゃくちゃお節介だ。
元から誰にでも優しいけどそれが更に拍車がかかる。
晴生とはまた別のタイプの、世話焼きである。
別に悪い気はしねぇーが、過保護過ぎるところもあって肩を落とす。
巽は方向音痴な上、機械音痴なので、別れて行動するときは必ず待ち合わせ場所を決める必要がある。
アイツはたまーに電池の切れた携帯を持ち歩いている事もあるくらいだからな。
決めないでバラバラになったときはめちゃくちゃ恥ずかしい館内放送に頼るしかなくなるという始末だ。
大学生になってまで、アレで呼び出されたくはない。

文具屋に着くと少しだけ俺の気分が高揚した。
実のところ、マスターは俺の字が好きだが俺は別に字を書くのは好きではない。
自分の字もそんなに好きでは無いし、小さい頃習字は習わされていたような気もするけど、だからといってめちゃくちゃ字がうまくなりたくて習ったわけではなく、ただただ家が近かったからという理由で選んだだけだ。
ただ、文房具に関しては少しだけ拘りを持って選ぶようにはしている。
さっき調べた感じだと、チョーク、ポストチョーク、オイルパステル、ボードマーカーなどが、チョークアートに向いているようだ。
自分の頭でイメージしているものに必要な色と、よく使いそうなセット物を選んでいく。
ステンシルもちょうどフクロウの形が入ったものがあったのでそれも一緒に購入することにした。
まとめて会計に持っていくと結構いい値段になったが、店の経費で出すとのことなので領収書を書いてもらう。
少し、早く終わってしまった気もするが、巽に携帯で連絡すると俺を探して迷子になるのは明白なので、俺は待ち合わせの公園で待つことにした。



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「はー、疲れた。」

公園の入口にはベンチがなかった為中まで入ってベンチへと腰掛ける。
実は昨日遅くまでゲームをしていたのであまり寝ていない。
ここ数日、“もう一つの仕事”関連でゲームができていなかったのだか、昨日久々にゲームをする事ができた。
勿論、やり始めたら止まることはなく、気付いたら明け方だったのは言うまでもない。
巽と買い出しの約束はしてたので仮眠は取ったが、正直動いてないとめちゃくちゃ眠い。

「あー!さっきのお兄ちゃんだー!」

「ねー?ねー?何してるの?」

「オレンジの髪のお友達は?」

ベンチに座っていると先程俺にぶつかった小学校、低学年くらいの子たちが俺に気づいたようだ。
人懐っこい彼等は俺の周りにゾロゾロと集まってくる。
基本人見知りなのだが、これくらいの子供は嫌いではない。
と、言うかどちらかと言えば好きな方である。

「今そのお友達を待ってるとこだけど…」

「じゃ、さ!遊ぼ遊ぼ!!」

「え?ちょ……ま、来るまでならいいけどよ。なにすんだ?」

「んー!かくれんぼ!!」「私もやりたーい」「俺も!」「私もー。」

「よーし!じゃあ、皆でやろうぜ!
お兄ちゃんが鬼な、ほら、いーち、にー、さーん」

俺が近くの電柱に顔を隠すように伏せて、数を数え始めるとキャー、と、声を上げてみんな隠れ始めた。
声を出してしまうと丸わかりなんだけど、と、思ったが年相応の無邪気さに自然と唇が緩んだ。
眠気覚ましには、ちょうどいいかと、俺は数字を並べていく。


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侮っていた。
連続「まーだだよ。」攻撃を食らったあと、「100まで数えてー!」と注文を付けられ、百まで数えた後顔を上げると小学生たちは見事に隠れていた。
マジか、と、面倒くさい思いが前面に出てきたが、ここで全力を出さないと子供と遊ぶ意味がなくなる。

俺は公園内を隈無く探し始めた。
自動販売機の裏、遊具の中、遊具の後ろ、茂みの中。
一人また一人と見つかっていき、最後にトイレの後ろを覗いた。

「おーし、もう一人、みーつけた!

と、こんなもんか?まだ誰か残ってるか?」

「全員見つかっちゃったー。おにいちゃん強すぎー!!」

「でも、全員隠れるのうまかったぞー。探すの苦労した…」

全員からブーイングを受けてしまったが、それでも彼等は楽しそうに笑っていた。
俺もつられて笑っていたが、流石に身体を動かして疲れたので大きく息を吐いた。

「あ!やべ!もうかえんねぇーと。」
「あ!私も、それじゃあ、お兄ちゃんバイバーイ!」

「おー!気をつけてなー。」

一人の男の子が子供用携帯を見ると声を上げる。
そうすると、彼等は一致団結するかのように全員公園から帰り始めた。
俺はその様子を見送るように手を振っていると、入れ違いに公園の外から巽が歩いてきた。
なんか、すっげー量の荷物を全く重たくなさそうに抱えている。

店の前に出すチョークボードもあるから当たり前なんだけど、アイツは配送という文字を知らないかの如く全てを抱えていた。

「あ、那由多。
おつかれさまー、早かったんなら連絡くれればよかったのに」

「あー、悪ぃ、小学生と遊んでた。」

「那由多って意外と子供好きだもんね。」

「意外は余計だっつーの!つーか、それ持って帰れるのか?配送してもらう?」

「ん?このくらいなんともないから持って帰るよ。」

ニコニコとした巽の表情は全く変わらなかった。
普通の人なら持てないだろう量を平気で抱えている。
そうだ、コイツもバケモノ並みだった。
改めて自分の親友の馬鹿力を、確認してしまい、俺は肩をすくめた。

そのとき向かい合っている巽の視線が俺から外れて、俺の背後へと流れる。
小さい足音が聞こえて俺は背後を振り返った。

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急いで買い物は済ました筈なんだけど待ち合わせの場所には既に那由多が居た。
待たせちゃったな、と、小走りで相手の前まで来ると立ち止まる。
俺的にボードは重くないんだけど、かさばるのは事実だ。

不意に感じた違和感のある気配に、俺は那由多越しに視線を向ける。
それに気づいた那由多は背後へと視線を向けた。

黒いロングへアーの女の子がそこには立っていた。
年齢的には先程すれ違った小学生と変わらないので彼女たちの友達かと俺は首を傾げた。
俺は那由多のすぐ横まで歩きその小さな女の子を見下ろす。

「なんで見つけてくれなかったの?」

「あ、わりぃ。もしかして、まだ隠れてたとか?
おっかしーな、さっきアイツ等に聞いたときはあれで全部って言ってたのに。
もう、遅いからさっさと帰れよ、ごめんな?」

那由多と女の子が会話している。
どうやらかくれんぼをしていたようだ。
那由多は同年代には人見知りするのに小さい子とは積極的に関わる所がある。
今日もそのパターンだったのだろう、親しげに近付く那由多を見つめていたが、違和感を感じた俺は後ろから那由多の肩をガシっと掴んだ。

「那由多…待って…その子…


足、無いから。」

ドサッと俺の荷物が地面に落ちる。
目の前の少女は右足が無かった、と、言うか彼女の少し後ろに踝から下が落ちている。
血が出たりはしておらずまるで人形の足が取れたかのように転がっていた。

慌てて俺は那由多を抱き寄せるようにして後ろに大きく飛び、身軽になるためにカバンも捨て置く。
勿論那由多は青褪め、小さく震えて声も出ないようだった。

「あ…取れちゃった…。
足はちゃんと見つけたんだよ…偉い?
あ、手も取れちゃった……おかしいな。
こうやって、ちゃんと人間に見えるようにしたら、誰か見つけてくれるはずなんだけどなぁ…。

ねぇ、なんで、お兄ちゃんはカナを見つけてくれかかったの?
ぶつかった時、ちゃんとごめんなさいしたでしょ?
かくれんぼ、皆でやろうって言ったでしょ?

カナ、何も悪いことしてないのになんで見つけてくれないのかなぁ。」

黒髪の隙間から彼女の顔が覗いた。
青白い肌にくるっと大きな瞳は人形のように大きかった。
しかし、その表情は生気を宿しておらず、瞳の奥の方に紅く何かが揺らめいているのが見えた。
きっと彼女は《紅魂ーあかたまー》 だ。
しかも、那由多が実体化したものだろう。
焦燥が心に渦巻く、落ち着かせるように深い呼吸へと切り替える。
多分、あまりよろしくない出来事だ。

足をくっつけたあとは、左手が腕の途中からぼとりと落ちる。
少女はその腕を拾うとまた、自分の腕にくっつけた。

「那由多、大丈夫?………じゃないよね。」

「な、………なんなんだよ、あれ…」

「多分、《紅い魂─あかいたましい─》 だと思うな。
那由多エプロン持ってきた?」

「は?買い物に持ってきてるわけねーだろ…」

「今度からちゃんと持ってくるように。
取り敢えず、俺の貸しとくから、何かあったらこれで身を隠してね。」

俺はカバンから縮小化したマントを取り出すとバサリと振るようにして通常のマントの形に戻し那由多にかけてやる。

「那由多…………くる、よ。」

「うーん。…やっぱり、こんな手足だから見つけてもらえないのかなぁ。
ねぇ、お兄ちゃん…。
この手足と、お兄ちゃんの手足………交換しよ?」

そう言って少女が小首を傾げた瞬間。
ボトリ、と、彼女の頭が地面に転がった。

「─────────っ!!!????」

「那由多走るよッ!」

「あれ、お兄ちゃんたちが逆さまにみえるよ?
カナどうしちゃったんだろ。

あ、待って、ドコイクの?
ちゃんと、カナに手と足を───────ちょうだい?」

少女は落ちた頭を拾うと首へとつけなおす。
その様子を視線だけで確認しながら那由多の手を引いて走る。
ここは山間を切り開かれたショッピングモールなので、すぐ側に茂みがある。
山の中へと入っていくように走ると、少女も俺達を追うように走ってきた。
走ってきたと言う表現よりも幽霊のように地面スレスレを飛ぶようについてきた。
かなりの速さだったため俺は数度瞬く。
このままじゃ追いつかれるな、と、小さく苦笑した。



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な、何なんだよぉぉぉぉおお!!!
俺か!俺が悪いのか!?
確かにちゃんと人数確認しなかったけど、……けど!!

女の子はまるでオバケのように俺達を追いかけてくる。
目が血走り、表情も無く、肌も血の気が引くくらい白い。
最初に見たかわいい顔とは掛け離れたその表情に俺は心底恐怖した。
今までの《紅魂ーあかたまー》 とは毛色が違う。

巽に手を引かれて走るのはいいが、かなり速い。
でも、その速さで逃げないと………

「ヒッ!な、なんか、見た目ッ…かわって……ッ!」

「んー、まぁ、魂だしね。どうとでもなりそうかも。
それよりも、那由多もうちょっと速く走れない?」

「無理ー!絶対無理ー!!」

肩越しに少女を見た時は先程の姿はなく。
捥げた手足は関節がおかしい状態でくっついており、目玉は垂れ下がったり入ったりとまるでホラー映画に出てきそうなおどろおどろしい見た目をしていた。
怖い、とにかく怖い。
そして、俺のスピードも限界だ。

「んー。そんなこと、ないと思うんだけどな。」

巽は繋いでいる手を引っ張って俺を更に引き寄せる。
繋いでいた手を引き、腰に回されるとこのまま担がれるのかと思ったが違った。

「この辺、お腹の辺りに集中して?
ほら、跳ぶよッ、…ほら、できた。やっぱり那由多は凄いなぁ。」

「ヒィィィ!俺高いとこはッ!」

「これ以上、上にはあがらないから大丈夫だよ。」

事もあろうが巽は地面を蹴り上げて木の枝に乗った。
そのまま、剣成のように枝の上を移動する。
それが、何故か俺もできている。
もしかしたら、俺も凄いのかもしれない。
いや、嘘をついた、これはきっと今巽が横にいて手伝ってくれているからに違いない。
それよりも、高所恐怖症なんだって!
こ、これくらいならなんとか耐えられる。てか、巽がまた手を繋いで走ってくれているからなんとかなってる。
少し、懐かしさを感じて俺はすぐ近くで揺れるオレンジ色の髪を見つめた。

「かくれんぼの次はおにごっこだね、那由多。」

俺の視線に気づいた巽はこっちを向いてにこやかにそう告げたが、それは絶対違うと否定したかった。
こんなホラーなおにごっこは映画の世界だけで充分だ。

暫く、木の上を跳ぶように移動しているとふと、巽が何かに気づいたのか足を止めた。
俺も巽の視線の向く方へと視線を向けるとそこにはお菓子やお花のお供え物があった。
巽は鞄から携帯電話を取り出すと番号を押し始めた。
少女のお化けとは結構距離が開いた気はするが、止まるのは自殺行為な気がする。

「おい、巽ッ……止まったら、ヤバイって」

「ちょっと待ってね、那由多。
もしもしー、日当瀬?ちょっと、今、この場所で何か昔に事件なかったか調べてほしいんだけど。
え?位置情報?位置情報、送ったらいいの?わかった。」

電話口から晴生の嫌そうな声が聞こえる。
剣成にしろ、巽にしろ、こういう時は晴生に連絡する。
何だかんだ言いつつもアイツは必ず電話に出るし、返答もくれるからだと思うが、俺は毎回あんなに嫌そうに対応されたら挫けると思う。
傍でジーと見ていると、今時は大変レアになってしまったガラケーについてる線を引っ張って、…抜いた。
あれ、巽のそれって緊急時の皆に連絡いれるやつじゃ…と、思うと同時にマナーモードにしていなかった俺の携帯はけたたましい音を立てる。

「ちょ!確かにそれでも、位置情報は送れるけどよ!
晴生がいってるのは多分違うやつ!」

「あれ?そうだっけ?──那由多、危ない!」

焦る俺を他所に、間の抜けた巽の声が漏れたが、次の瞬間巽から一気に緊張感が走る。
俺の携帯から発された音でオバケが俺達に気付いたようだ。
巽は、俺を引き寄せると同時に俺についている巽のマントを二人共を包見込むようにたなびかせる。

シュッ─────!!

と、鋭い音を立て、白いマントに何かが刺さる。
それは、黒い針のようなもので、俺は飛んできた先に視線を向けた。

「見つけたよ…………お兄ちゃん…たち」

マズイ、追いつかれたようだ。
少女の髪がウネウネとまるでメデューサのように蠢いている。
針だと思っていたのは、先程のおどろおどろしい少女の髪が飛んできたものだった。
マントが針を防ぐと何事も無かったように針は髪に戻りはらりと、地面に落ちる。

「ヤバイ、巽、逃げねぇと……!てか、《食霊─しょくれい─》 できねぇのかよ?
《紅い魂─あかいたましい─》 なんだろ!?」

「んー………、どうだろ…、斬ってみてもいいなら、できるかもだけど…」

そう言って巽は携帯のストラップについている簡易なカッターナイフをちらつかせた。
切るっていうのは少女をか?
確かにもう少女の面影もないほどバケモノ化してはいるが、俺は彼女を傷付けると言われるとどうしても受け入れられず首を横に振った。

「それは、駄目だ…、…やんなきゃいけないかもだけど、…なんか、駄目だ」

「那由多は相変わらず優しいね。」

チキ、チキ、チキ…

と、音を立てて出していたカッターナイフの刃を巽は引っ込めた。
少女との間合いを保ちながら俺達はゆっくりと後ずさる。
絶体絶命とはこのことだろうか。

「カナはお兄ちゃん達のことちゃんと見つけたよ…?
お兄ちゃんはカナのこと見つけてくれなかったのに。

お兄ちゃんだけじゃない…
友達も…
先生も…
パパも…
ママも…

誰もカナのこと見つけてくれないんだ…

だからね。

カナはもっと大きくならないといけないと思うんだ。

だからね。

その手と足、貰うね───────ッ!!」


次の瞬間、俺達の足元に落ちた髪が鋭さを持ち、無数の針が地面から俺達に向かって飛んできた。

「那由多ッ─────!!!」

「ぅわっ…………って、オイ、巽!?」

間一髪で、巽が俺をマントに包めるようにして茂みへと押し飛ばす。
しかし、下からシャワーのように撃ち込まれてくる細い針は両手で防ぐ体勢を取っている巽に刺さり、切り裂き、木の幹へと突き飛ばす。

「─────グッ!!はッ……那由多、来ないで───ッ!」

更に追い打ちを掛けるように、太めの針が、巽を木へと縫い付けるように左肩を貫通する。
慌てて茂みから巽の元に走り出そうとした俺を、滅多に聞かない巽の大きな声がその場へと留める。

巽は俺の方を向くといつもの笑みを浮かべた。


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一瞬だけ痛みが体、腕、手から走る。
よく考えるべきだった、彼女は落ちた手足も動かせるんだから髪も例外ではないと。
俺の掌を貫通して木へと刺さってしまったので左手を動かすことができなくなった。

《紅魂ーあかたまー》 がここまで負の感情を顕にして襲ってきたことはない。
那由多が実体化したと見るべきだけど、そう考えると、那由多はすごい、と、言う結論に陥る。

「どうして…どうして…」と、消え入りそうな声を上げる少女。
彼女から手足が離れるときに血が滲んでくれたら、俺は簡単に《食霊》出来るんだけど。
不意に俺の携帯が震えた。
日当瀬から先程の返答かと、まだ自由な手で内容を盗み見る。
画面上の文面に俺は小さく眉を寄せた。

「オレンジいろのお兄ちゃんが、捕まっちゃった…

カナを見つけてくれなかったのは、青いお兄ちゃんなのに。

でも、いいや、お兄ちゃんの方が大きいし、大きい方がパパもママも見つけてくれるよね?」

もう、殆ど少女とは言えない化物がゆっくりと近づいてくる。
髪がキュルキュルと、編み込まれ。
俺の腕や足を切断するつもりなのか、鎌のような形を形成していく。

「巽っ!!」

「那由多、大丈夫。
ちょっとだけ待ってて。」

少し離れた箇所にいる那由多はいまにも俺のところに駆け付けてきそうだ。
那由多は優しい。
きっと、この子を傷つける事は出来ない。

だから、そういう役割は親友の俺がしないといけない。
俺はゆっくりと少女と言う名のバケモノに微笑みかけた。

「ねぇ、カナちゃん。
カナちゃんって、見つけてもらえなくてどうなったの?」

「──────────ッ」

「どうして見つけて欲しかったの?」

「カナは…カナは……」

「カナちゃんはどうして死んじゃったの?」

彼女の記憶を呼び戻すかのような問いかけに、髪で形成された鎌の動きが止まる。
バケモノと化していた彼女が嘘のように少女の姿に戻っていき頭を抱えワナワナと震え出した。

「カナ、痛いって言ったんだよ?
痛い痛いって、でも全然やめてくれなくて…
体中痛くて、何度も何度も逃げようとしたけど…
髪も切られて、脚も切られて、手も切られて、喉も切られて………」

彼女の肉体に変化が起こる。
実際に刺された場所が張り裂け赤い血が吹き出す。
彼女の記憶どおり、脚、手、喉、と順番通りに何かに刺されたように肌が避け血飛沫が上がる。
彼女が彼女自身の血で真っ赤に染まったその瞬間、俺は刺さった針で自分の手を裂くようにして拘束から解放される。

「──────ッ、カナちゃん、ごめんね、見つけてあげれなくて、助けてあげれなくて」

真っ直ぐに彼女に駆け寄るとその血に染まった小さな体を抱きしめて、血に塗れた頬に優しく口吻け〈くちづけ〉る。
少女は目を瞬かせながら俺を見上げた。

「あれ…カナ…痛くなくなったや…」

「うん、そうだね。」

「お兄ちゃんが魔法を掛けたの?」

「うーん…少し違うけど、そうしとこっか?」

「そっか……、お兄ちゃんはちゃんとカナ、見つけてくれる?」

「もちろん。カナちゃんはどこに隠れているの?」

「そこ…」

そう言うと、カナちゃんは先程俺が張り付けられていた木の根元を指差した。



∞nayuta side∞


何も出来ない自分がもどかしい。
巽に牽制されてしまったため近づく事もままならない。
巽が自分の掌を裂くように針の拘束から抜け出したときは血の気が引いた。
俺が今にも巽に向かって走り出そうとしたとき、彼の《食霊》が始まったのだ。

巽の唇が血塗れの少女の頬に触れた瞬間、バチバチと乾いた空気に輝く黄色い短い光が走る。
パキ、パキと、黄金色の光が地上に向けて何本も走り、静電気で浮かされた落ち葉が辺りを浮遊する。

巽が少女の指差す木を見つめた時、どこか冷たい表情をしていて俺の喉は引き攣った。

「うん。ちゃんと見つけるよ。
ほら、カナちゃん。もう痛くないように魔法をかけてあげるから、もう眠っていいんだよ。」

「ありがとう、おにいちゃん……カナを見つけてくれて…ありがとう……」


地面に向けて走っていた黄金色の空気の割れ目が、巽が抱きしめた少女を中心に集まる。
空気を引き裂いたような黄金色の稲光が走り、彼女を中心に眩い放電現象が始まる。

神秘的で儚い光が少女を包み、やがてそれは大きく発光し輝きで埋め尽くされていく。
バチッと一際大きな音を立てたあと、一瞬にして光は消え、光の中に居たはずの《紅い魂》の存在も消えてしまった。

「ごちそうさま。」

そういって微笑む巽はいつもの巽で、俺はホッとして彼に駆け寄った。

「おい、巽。
大丈夫か、怪我………と、か、ってあれ、そっか…お前」

「那由多大丈夫?…あれくらいの傷、俺にはなんともないからさ。
もう癒〈なお〉っちゃった」

そうだ巽は、傷付かないんだ。
傷付かないと言う表現には語弊があるが、彼の能力は自然治癒力、体内の活性化や巽自身が負った傷を治癒する事が出来る。
なので擦り傷も切り傷も、掌にできた傷も既にもう消えていた。
近づいた俺をいつものようにニコニコ見つめていたが、巽がポケットから携帯を取り出す。
どうやら着信が入ったようだ。

「もしもーし。」

『おい、テメー!なんで、緊急通知で位置情報送ってくんだよ、この前やり方教えただろうが!』

「そうだっけ?でも、ありがと、日当瀬が送ってくれた情報であってたよ。
《食霊》は終わったんだけど、なんかまだ残ってるっぽいんだよねー、死体の一部。
あ、今ちょうど那由多がいる地面の下くらいかな? 」


……………………………え?


「多分、手と足が残ってるっぽいから回収お願いしといていい?」

『…………チっ、手回ししといてやるよ』


電話越しから不機嫌そうな日当瀬の声が聞こえる。
それはいいんだ、それよりも。

「巽、今何て………?」

「ん?那由多が居るところにカナちゃんの手と足が埋まって──」「わ──────!!もういい!!わかった、わかったから!!そーゆうのは、俺が踏む前に言えよな!!」

×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞×∞

後から聞いた話だけど。
どうやら、あそこでは昔、小学生のバラバラ殺人事件があったらしい。
死体はバラバラに解体され、血抜きまでもされていたようだ。
犯人は見つかったけれど、証言どおりに探しても少女の手と足は出てこなかったとか。

あの後、巽と荷物を取りに戻って二人で一緒に帰ったけど、俺はず───っと怖い。
なんなら、一人で部屋に来た今も怖い。
風呂は共同スペースで入ったからなんとかなったけど、これから一人で寝るとか拷問かもしれない。

あれ、俺、なんか忘れてねぇ?
あれを《食霊》したってことは、いつものパターンのやつが俺に来る?

その後青褪めた俺が巽の部屋に駆け込んだのは言うまでもない。




◉何者でもない誰か(語り部)◉


光の届かない純白の地下の部屋に今日も一人、朱く揺らめく瞳を揺らめかせ、お人形“イデア”の前に跪く青年が一人。

血も熱も通っていない、無機質な手に自分の手を添え、温めるようと両手で包み込む。
彼、神功左千夫〈じんぐう さちお〉は今宵もヒューマノイドのイデアの傍に居た。
儀式のように彼女に言葉を紡ぎ、肌を触れ合わせる。
ゆっくりとした時間の流れを感じていると、エレベーターが地下二階へと到達する。
待ち侘びていた人物の到着に神功は腰を上げ、入口を双眸が見つめる。

「お疲れ様でした。巽くん。」

「こんばんは、マスター。
どうして、俺が来るってわかったんですか?」

「…どうやら、那由多くんが実体化した魂はエネルギーが増すみたいなので、巽くんもエネルギー蓄積量が一気に溜まるかと思いまして。
それに、緊急通知も来ましたし。」

そう告げると神功は彼の持ち物である、黒い携帯をチラつかせる。
緊急通報装置を発動させると喫茶【シロフクロウ】 のメンバー全員に居場所が通達されるようになっているのだ。
天夜巽〈あまや たつみ〉 は苦笑を、零し戯けたように肩をすくめてみせた。

「那由多はやっぱり、凄いなぁ…。
共同スペースで、一緒にご飯食べる約束をしているので早めに終わらせますね。」

天夜がそう告げると、神功は一つの鳥籠の扉を開いた。
天夜巽〈あまや たつみ〉 は神功の手を煩わせる事なく《idea─イデア─》 化が出来るのである。
それは彼の自然治癒力から派生する能力だと捉えられている。

天夜の体が蓄電されたものを外に出すようにと発行を始める。
初めは青白い光が彼の周りを惑い、流れ、過ぎ行く。
段々と発光が激しくなり、黄色く、橙色に染まり黄金色に爆ぜる。
バチバチと小さく周りの空気に黄金色の亀裂を走らせ、段々と空気が乾いていく。
天夜の髪が静電気に弄ばれるようにふわふわと棚引く。
両の指先を合わせ天夜の胸の前に球体を作るように手を象ると、その手の中で幾度も稲妻が走り消える。
その数が段々と増え、バチバチバチバチッとけたたましい音を上げていくと、最後は、バチンッと、大きな音を立てて弾けとんだ。

今まで起きたことのない現象に天夜は、瞳を大きくさせ瞬く。

「あれ?なんで…」

キョトンとしたまま、神功の方を見ると、彼はいつもと変わらない笑みのままだが、緋色の瞳が怪しく揺らめく。
そうして、天夜の少し上を指差すと笑みを深めた。

「お礼を言いに来られたようですよ。」

実体化され人格を持った《紅魂ーあかたまー》 は《idea─イデア─》 化されても少しの間意識が残る。
その残った意識で、彼女、カナは、天夜にお礼を言いに来たようだ。

“おにいちゃん、だきしめてくれて──ありがとう”

お人形のようにきれいな顔立ちの少女がくるりと天夜の周りを飛び、囁くような声でお礼を告げると、クルクルと円を書くようにただの《idea─イデア─》 に戻っていく。
エネルギー体は、導かれるように鳥籠の中へと入っていった。
天夜は終始変わらぬ、笑顔で彼女を見つめ、鳥籠の光となった彼女に向かい手を合わせた。

また一つ《idea─イデア─》 は灯る。
イデアが動くその日まで。


End


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