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第三章 黒犬が駆ける森
レーシア先生の精霊術詠唱法講座
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翌朝、僕たちは山小屋をあとにして、野犬が目撃されたというユヌーラ村跡地に向かうことになった。
街道に戻ってしばらく歩くと、ユヌーラ村跡地へと行ける道が見つかった。だけど利用者が少ないのか荒れ放題だ。
まあ、わざわざ廃村に行く人もいないだろうし、ここを通るのは木こりか獣くらいなんだろう。背の高い草が生えてないのがせめてもの救いか。だけど、大きい石も転がってるから気をつけないといけない。
出発してから二時間以上は経ったと思うけど、昨日とは打って変わって、すでに三回の休憩を挟んでいる。あちこちが筋肉痛の僕にはありがたいことだけど、どういう風の吹き回しなのか……。
「あんちゃん、疲れてねぇか?」
前を行くリムが肩越しに訊いてきた。
「まだ大丈夫だけど……今日は休憩が多いね」
リムはなにも言わず前を向く。
え? なんだろう……。
「ま、無闇にあんちゃんを疲れさせると、無能ってことになっちまうみてぇだからな」
そういえば昨日、そんなこと言っちゃいましたね。
「いやっ、リムくんは問題ないって。ぁ~ほら、僕は倒れたりとかしてないし」
「とても伸び伸びと横になっておられた記憶があるのですが……」
レーシアが要らんこと言った!
「あれは倒れたうちに入らないって」
「やっぱ俺は無能だったかぁ……リーダー失格だな」
そう言ってリムは大仰に肩を落とす。
「あっ、じゃあ、クーヤにリーダー替わってもらおうよ!」
「それいいな。たまにはいいこと言うじゃねぇか。じゃ、あとは頼んだぜ、クーヤ隊長」
「いやいやいや、無理だってそんなの。呆気なくパーティー全滅するから!」
まったく冗談じゃない。もしまた鹿が出たらテンパって轢かれて終わりだ。
と、誰からともなく吹き出し、笑い始めた。
「もぉ~、冗談だよクーヤ」
やられた。からかわれたらしい。まあでも、本気じゃなくてよかった。
「今日は森ん中だからな。街道より危ねぇんだ。昨日みてぇに無理はさせねぇよ」
「それって、またフタツノジカみたいな動物に襲われるかもしれないってことかい?」
あんな目に遭って、そう何度も生き残れる自信はないんだけど……。
「いえ、この辺りの動物は性格が穏やかですから、滅多に襲ってくることはありません。フタツノジカも元来臆病ですから、こちらから危害を加えない限り襲ってくることはありません」
「じゃあ、昨日のフタツノジカは僕が刺激しなければ無害だったってこと?」
「そうなりますね。可哀想なことをしました……」
レーシアは悲しそうな顔で天を仰いだ。
これじゃあ僕は完全に悪者じゃないか。……いや、知らなかったとはいえ僕が悪いのか。
「あの……みんな、昨日はごめん……」
「謝るほどのことじゃねぇよ。気にすんなって」
左手を振りながら、軽い調子でリムは言ってくれた。
「知らなかったんだから仕方ないよ。レーシアもあんまりクーヤをいじめちゃ駄目だよ?」
「……はい……」
マギナにたしなめられ、レーシアがしょげてしまった。
今回ばかりはレーシアが可哀想だな……そうだ、いい機会だからレーシアに精霊術を教えてもらおう。彼女の名誉挽回にもなるかもしれない。
「あ~その……レーシアさんは精霊術が得意なんだよね?」
レーシアは陰鬱な顔で僕を見た。
「はい……多少の心得はありますが……なんですか突然」
「僕もレーシアさんみたいに精霊術を使えるようになりたいんだけど、もしよかったらいろいろと教えてくれないかな?」
「……わたしがですか?」
「うん」
意外なことを言われて驚いてるようだ。
「い、いえっ、わたしは人に教えられるほどの術士ではありませんよ!?」
レーシアは首と手を振りながら言った。
ほかの精霊術士がどれほどかは知らないけど、僕が教えを請うには充分な使い手だと思う。
それに、精霊術を通して相互理解を深めることで、僕に対する敵愾心をなくすことができるかもしれない。
「是非、レーシアさんにお願いしたい」
安全な異世界生活を送るために!
「ですから、わたしはそんな――」
「レーシアならできるよ!」
マギナがレーシアの手を取り、力強く言った。
最強の援軍だ。マギナの言葉ならレーシアも聞き入れてくれるだろう。
「ですが……」
マギナでも駄目か……。アプローチを変えてみよう。
「じゃあ、こういうのはどうかな。精霊術について質問するから、知ってたら答えてもらうっていうのは」
「それくらいでしたら……」
乗り気じゃなさそうだけど、首を縦に振ってくれた。
彼女の気が変わらないうちに早速質問してみよう。
「じゃあ、僕に向いてる精霊術が知りたいんだけど、いい方法はないかな?」
「そうですね……。クーヤさんは、これまでにどのような精霊術を使われたことがありますか?」
「えーっと、火と光は出したことがあるかな」
レーシアはきょとんとしたあと、苦笑いを浮かべた。
「初心者の方にそれは難しいかと。精霊術はなにかを出現させるより、操作するほうが代償が軽いですから」
「その……操作っていうのは、例えば川の水を操ったりとか?」
「そのとおりです。……実際にお見せしましょうか」
そう言ってレーシアは、空気をすくい上げるかのように両手を前に出した。
「それでは、光を操ってみますね」
『我が意に従い光よ集え』
詠唱が終わると、彼女の手の上が光り始め、少しずつ輝きが増し、拳大の光球になった。
「このように、光を操って収束させれば代償は軽いはずです。それでも昏倒するほど疲れるというのであれば、クーヤさんには不向きということになりますね」
「なるほど」
「それとですね、こうして集めた光は自在に動かすこともできます。このように――」
光球がゆっくりと上へ移動し、レーシアがマギナに視線を向けると、それを辿るように光球がマギナの目の前まで動いた。そして光は帯状に伸びてマギナを囲み、音もなく弾けた。
「わぁ~、綺麗だね~。精霊術ってこんなこともできるんだね」
ゆっくりと消えてゆく光の粒に囲まれながら、マギナは楽しそうに笑う。そんな彼女を見て、レーシアも嬉しそうに微笑んでいる。
いいなぁ、こういうの。おじさん癒やされちゃうなぁ――っと、あんまり顔を緩めてるとレーシアに睨まれかねない。
「えーっと、じゃあ今度、操作するやり方を試してみるよ。それで、僕向きな精霊術は……」
「そうですね……クーヤさんご自身は、どのような精霊術が向いていると思いますか?」
就職どころかやりたいことも分からないような奴に向き不向きを問われましても……。だけどまあ、強いて言うなら――
「闇……というか混沌?」
「闇はともかく、混沌を試される場合は人気のないところでお願いしますね。本当になにが起こるか分かりませんので、犠牲者は少ないに越したことはありませんし」
いっそこの場で試してみようか?
「リムくんはどう思います?」
「ん? そうだな……金属とかいいんじゃねぇか」
振り返ることもなくリムは答えた。
金属って……まあ、僕は武器が好きだし、前は金属加工の仕事をしてたわけだから見当違いでもないか。
「マギナちゃんはどうですか?」
「ん~~、落とし穴かな」
「精霊術の話をしてるんだよね?」
というか、なんで落とし穴? 異世界から召喚したのがこんなので、落とし穴に嵌められた気分って意味ですか?
「落とし穴を掘る精霊術だけが得意な方もいらっしゃるそうですよ?」
情報源を開示して頂きたい。
「あっ、ごめん、違ったよ。クーヤは落ちる人のほうだよね!」
「完全に精霊術の話じゃなくなってるよね?」
だけどなんでだろう? そっちのほうがしっくりくるんですけど。
「じゃあ、レーシアは?」
「そうですね……紐でしょうか……」
「――紐!?」
それはもう悪口だよね!?
傍から見ればそうかもしれない。衣食住はすべてマギナに面倒をみてもらってるし、武器も服も買い与えられたものだけれども、これだけははっきりと言っておきたい。
「いや、働いてるから! 精霊書店も手伝ってるし、こうして冒険にも同行してるから!」
リムが「なに言ってんだこいつ」って顔で僕を見ているのが気になる。
「ねぇ、紐ってなにか縛ったりする時に使うあれだよね?」
「――!!」
僕はこのとき思った。マギナのこの穢れなき眼は保護せねばならない、と。
「そうそう、紐ってこう……風に流されるとひょろひょろするよね? だから僕も働いてないように思われてて、ひょろひょろしてるよう見えるのかなって思っちゃったわけですよ。そうだよね、レーシアさん?」
「いえ、さすがにそこまでは……。なんとなく頼りないイメージでしたので……」
裏切られた気分だ。
……いや待てよ。そもそもこの世界の「紐」って言葉にアレの意味が含まれていないのかもしれない。となると、僕は紐って言葉に過剰反応した痛い奴なのではなかろうか。
……穴があったら入りたい。
ぁ、落とし穴でも掘ってみようかな。自分用に。
「あの……少しは参考になりましたか?」
「うーん、参考にはなったけど選択肢が増えたような……」
「そうでしょうか? クーヤさんご自身や周りの人が抱く印象は、あなたに向いている精霊術を探すのに役立つはずです」
「なるほど。それじゃあ、みんなが言ってくれた精霊術を今度試してみるよ。落とし穴も含めてね」
「はい。まずは混沌から試してみてはいかがでしょう? あ、場所は選んでくださいね」
今すぐ試してやろうか。
それにしても、レーシアは人にものを教えるのが下手だとは思えない。なのに、なんで嫌がったんだろう? 自己評価が低いのかな……。
「ねぇ、クーヤ……」
マギナが笑顔を向けていた。
「帰ったらウチのチラシ作って、街で配ってみようか?」
「それは、僕が働いてるってことを知らしめるためかい?」
街道に戻ってしばらく歩くと、ユヌーラ村跡地へと行ける道が見つかった。だけど利用者が少ないのか荒れ放題だ。
まあ、わざわざ廃村に行く人もいないだろうし、ここを通るのは木こりか獣くらいなんだろう。背の高い草が生えてないのがせめてもの救いか。だけど、大きい石も転がってるから気をつけないといけない。
出発してから二時間以上は経ったと思うけど、昨日とは打って変わって、すでに三回の休憩を挟んでいる。あちこちが筋肉痛の僕にはありがたいことだけど、どういう風の吹き回しなのか……。
「あんちゃん、疲れてねぇか?」
前を行くリムが肩越しに訊いてきた。
「まだ大丈夫だけど……今日は休憩が多いね」
リムはなにも言わず前を向く。
え? なんだろう……。
「ま、無闇にあんちゃんを疲れさせると、無能ってことになっちまうみてぇだからな」
そういえば昨日、そんなこと言っちゃいましたね。
「いやっ、リムくんは問題ないって。ぁ~ほら、僕は倒れたりとかしてないし」
「とても伸び伸びと横になっておられた記憶があるのですが……」
レーシアが要らんこと言った!
「あれは倒れたうちに入らないって」
「やっぱ俺は無能だったかぁ……リーダー失格だな」
そう言ってリムは大仰に肩を落とす。
「あっ、じゃあ、クーヤにリーダー替わってもらおうよ!」
「それいいな。たまにはいいこと言うじゃねぇか。じゃ、あとは頼んだぜ、クーヤ隊長」
「いやいやいや、無理だってそんなの。呆気なくパーティー全滅するから!」
まったく冗談じゃない。もしまた鹿が出たらテンパって轢かれて終わりだ。
と、誰からともなく吹き出し、笑い始めた。
「もぉ~、冗談だよクーヤ」
やられた。からかわれたらしい。まあでも、本気じゃなくてよかった。
「今日は森ん中だからな。街道より危ねぇんだ。昨日みてぇに無理はさせねぇよ」
「それって、またフタツノジカみたいな動物に襲われるかもしれないってことかい?」
あんな目に遭って、そう何度も生き残れる自信はないんだけど……。
「いえ、この辺りの動物は性格が穏やかですから、滅多に襲ってくることはありません。フタツノジカも元来臆病ですから、こちらから危害を加えない限り襲ってくることはありません」
「じゃあ、昨日のフタツノジカは僕が刺激しなければ無害だったってこと?」
「そうなりますね。可哀想なことをしました……」
レーシアは悲しそうな顔で天を仰いだ。
これじゃあ僕は完全に悪者じゃないか。……いや、知らなかったとはいえ僕が悪いのか。
「あの……みんな、昨日はごめん……」
「謝るほどのことじゃねぇよ。気にすんなって」
左手を振りながら、軽い調子でリムは言ってくれた。
「知らなかったんだから仕方ないよ。レーシアもあんまりクーヤをいじめちゃ駄目だよ?」
「……はい……」
マギナにたしなめられ、レーシアがしょげてしまった。
今回ばかりはレーシアが可哀想だな……そうだ、いい機会だからレーシアに精霊術を教えてもらおう。彼女の名誉挽回にもなるかもしれない。
「あ~その……レーシアさんは精霊術が得意なんだよね?」
レーシアは陰鬱な顔で僕を見た。
「はい……多少の心得はありますが……なんですか突然」
「僕もレーシアさんみたいに精霊術を使えるようになりたいんだけど、もしよかったらいろいろと教えてくれないかな?」
「……わたしがですか?」
「うん」
意外なことを言われて驚いてるようだ。
「い、いえっ、わたしは人に教えられるほどの術士ではありませんよ!?」
レーシアは首と手を振りながら言った。
ほかの精霊術士がどれほどかは知らないけど、僕が教えを請うには充分な使い手だと思う。
それに、精霊術を通して相互理解を深めることで、僕に対する敵愾心をなくすことができるかもしれない。
「是非、レーシアさんにお願いしたい」
安全な異世界生活を送るために!
「ですから、わたしはそんな――」
「レーシアならできるよ!」
マギナがレーシアの手を取り、力強く言った。
最強の援軍だ。マギナの言葉ならレーシアも聞き入れてくれるだろう。
「ですが……」
マギナでも駄目か……。アプローチを変えてみよう。
「じゃあ、こういうのはどうかな。精霊術について質問するから、知ってたら答えてもらうっていうのは」
「それくらいでしたら……」
乗り気じゃなさそうだけど、首を縦に振ってくれた。
彼女の気が変わらないうちに早速質問してみよう。
「じゃあ、僕に向いてる精霊術が知りたいんだけど、いい方法はないかな?」
「そうですね……。クーヤさんは、これまでにどのような精霊術を使われたことがありますか?」
「えーっと、火と光は出したことがあるかな」
レーシアはきょとんとしたあと、苦笑いを浮かべた。
「初心者の方にそれは難しいかと。精霊術はなにかを出現させるより、操作するほうが代償が軽いですから」
「その……操作っていうのは、例えば川の水を操ったりとか?」
「そのとおりです。……実際にお見せしましょうか」
そう言ってレーシアは、空気をすくい上げるかのように両手を前に出した。
「それでは、光を操ってみますね」
『我が意に従い光よ集え』
詠唱が終わると、彼女の手の上が光り始め、少しずつ輝きが増し、拳大の光球になった。
「このように、光を操って収束させれば代償は軽いはずです。それでも昏倒するほど疲れるというのであれば、クーヤさんには不向きということになりますね」
「なるほど」
「それとですね、こうして集めた光は自在に動かすこともできます。このように――」
光球がゆっくりと上へ移動し、レーシアがマギナに視線を向けると、それを辿るように光球がマギナの目の前まで動いた。そして光は帯状に伸びてマギナを囲み、音もなく弾けた。
「わぁ~、綺麗だね~。精霊術ってこんなこともできるんだね」
ゆっくりと消えてゆく光の粒に囲まれながら、マギナは楽しそうに笑う。そんな彼女を見て、レーシアも嬉しそうに微笑んでいる。
いいなぁ、こういうの。おじさん癒やされちゃうなぁ――っと、あんまり顔を緩めてるとレーシアに睨まれかねない。
「えーっと、じゃあ今度、操作するやり方を試してみるよ。それで、僕向きな精霊術は……」
「そうですね……クーヤさんご自身は、どのような精霊術が向いていると思いますか?」
就職どころかやりたいことも分からないような奴に向き不向きを問われましても……。だけどまあ、強いて言うなら――
「闇……というか混沌?」
「闇はともかく、混沌を試される場合は人気のないところでお願いしますね。本当になにが起こるか分かりませんので、犠牲者は少ないに越したことはありませんし」
いっそこの場で試してみようか?
「リムくんはどう思います?」
「ん? そうだな……金属とかいいんじゃねぇか」
振り返ることもなくリムは答えた。
金属って……まあ、僕は武器が好きだし、前は金属加工の仕事をしてたわけだから見当違いでもないか。
「マギナちゃんはどうですか?」
「ん~~、落とし穴かな」
「精霊術の話をしてるんだよね?」
というか、なんで落とし穴? 異世界から召喚したのがこんなので、落とし穴に嵌められた気分って意味ですか?
「落とし穴を掘る精霊術だけが得意な方もいらっしゃるそうですよ?」
情報源を開示して頂きたい。
「あっ、ごめん、違ったよ。クーヤは落ちる人のほうだよね!」
「完全に精霊術の話じゃなくなってるよね?」
だけどなんでだろう? そっちのほうがしっくりくるんですけど。
「じゃあ、レーシアは?」
「そうですね……紐でしょうか……」
「――紐!?」
それはもう悪口だよね!?
傍から見ればそうかもしれない。衣食住はすべてマギナに面倒をみてもらってるし、武器も服も買い与えられたものだけれども、これだけははっきりと言っておきたい。
「いや、働いてるから! 精霊書店も手伝ってるし、こうして冒険にも同行してるから!」
リムが「なに言ってんだこいつ」って顔で僕を見ているのが気になる。
「ねぇ、紐ってなにか縛ったりする時に使うあれだよね?」
「――!!」
僕はこのとき思った。マギナのこの穢れなき眼は保護せねばならない、と。
「そうそう、紐ってこう……風に流されるとひょろひょろするよね? だから僕も働いてないように思われてて、ひょろひょろしてるよう見えるのかなって思っちゃったわけですよ。そうだよね、レーシアさん?」
「いえ、さすがにそこまでは……。なんとなく頼りないイメージでしたので……」
裏切られた気分だ。
……いや待てよ。そもそもこの世界の「紐」って言葉にアレの意味が含まれていないのかもしれない。となると、僕は紐って言葉に過剰反応した痛い奴なのではなかろうか。
……穴があったら入りたい。
ぁ、落とし穴でも掘ってみようかな。自分用に。
「あの……少しは参考になりましたか?」
「うーん、参考にはなったけど選択肢が増えたような……」
「そうでしょうか? クーヤさんご自身や周りの人が抱く印象は、あなたに向いている精霊術を探すのに役立つはずです」
「なるほど。それじゃあ、みんなが言ってくれた精霊術を今度試してみるよ。落とし穴も含めてね」
「はい。まずは混沌から試してみてはいかがでしょう? あ、場所は選んでくださいね」
今すぐ試してやろうか。
それにしても、レーシアは人にものを教えるのが下手だとは思えない。なのに、なんで嫌がったんだろう? 自己評価が低いのかな……。
「ねぇ、クーヤ……」
マギナが笑顔を向けていた。
「帰ったらウチのチラシ作って、街で配ってみようか?」
「それは、僕が働いてるってことを知らしめるためかい?」
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