LUF〜Connect Legend〜

ふずきまる

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番外編

月夜-1

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『産んだ家族はどんな想いをするのかわかってるのか!!』

私の中に果たして「家族」というものは心の中にいただろうか。私にはわからない。それはいつになってもわからない。

私はスペインの街、サラゴサで生を受けた。髪が銀色ということもあり母も父も驚いたと聞いている。二人からの愛とやらを注いでもらいながらここまで来たのだろう。
そして今でもはっきり覚えている。小学校に入学し少し経った頃だった。
当時のガキ大将らしき人物が私に言った。
「なんで皆金色とか茶色なのにお前だけ銀色なの?」
「なんだっていいじゃん。」
「うわぁ、こいつ髪の色が変なの!!」

それからと言うもの少しずつ、確実にいじめは過激化した。最初は無視程度で済んでいた。しかし段々とゆっくりと過激化した。
上靴はトイレの便器に中に入れられるわ、机には死ねだのと書かれるわ、おまけには無理矢理髪を切られるわ散々だった。
私は何も悪くなかった。何もしていないのに。何故外見だけで人と比べ上下つけるのかわからなかった。
また、私が被差別部落出身ということも響いていた。父が被差別部落出身だったということもあり母と結婚するときは母方の祖父母は猛反対したという。しかし無理を押し通して結婚し父の元へ嫁いだそうだ。
父方の祖父母は温かく迎えてくれたそうだが、私が小学校にいるときに父方の祖父が死去。それを追うように祖母も死去すると早く離婚してくれと母方の祖母が母に促したという。
そして最悪の事態が起こった。それは中学校在学してる時だった。
ここでも被差別部落出身だかという理由でいじめられていた。授業中の時だった。数学の授業を受けている時、別の先生がいきなり教室に入ってきた。焦った顔をしておりすぐに私を職員室へ連れて行き、受話器を取らせた。
内容は、私の母が事故死したことだった。

その時私はどんな顔していただろうか。ただ黙り込んで真実を受け止めていたのだろうか、それとも涙を堪えながらも真実を受け止めていたのだろうか。はっきり覚えていない。
葬式が済んだ後に父も変化した。
酒に浸る生活になり、酔えば暴力的になり、もうただの「クズ男」となっていた。
酒に浸るのもわからないこともない。被差別部落だというのに、親の反対を押し切ってでも結婚してくれた母を突如として失った絶望は大きい。愛していた母を失ったことにより生きる希望を失うのもよくわかる。
ついには判断もすらおぼつかなくなった。私はここで生活するのが嫌になった。学校でもいじめられ、家でも笑いのない生活。それが嫌になった。
そんな時だった。母方の祖父母が私を引き取ると来た。この時私は正直祖父母、とくに祖母には半信半疑の気持ちだった。
結婚には猛反対、父を何度も批判したのに突然引き取りに来た。私は不思議でしょうがなかったが、父はあっさり引き取りに合意し、遠く離れた都市のバルセロナに移った。私の生活は変わると信じていた。しかし、変わることはなかった。むしろ酷くなった。
祖父母宅で安楽の生活を信じていた。しかし祖母から告げられた一言。

「お前は家族ではない。これから奴隷として扱う。」と。
バルセロナの中学、高校でもいじめられた。被差別部落出身だということを隠していたのに、何故かバレていじめられ、家では一つ間違えれば蹴られ殴られ、どこかが汚れていれば汚水に顔面突っ込まれ、もう生きている価値が無くなってきた。

愛していた母が心のどこかにいた。けれども家族というものは無かった。
もうこりごり。生きている意味を感じられず、夜の山で一人自殺しようとした時、主様と出会った。
「いいのか。死んで。」
「いいの。私は生きる意味を感じられない。」
「君は綺麗な子だ。君みたいな子が自殺するのはもったいない。」
「そういうのいらないから。私は死んで母の元に行くの。」
「君にはどんな感情でいるかはわからない。けれど、少なくとも復讐しようとはしないのか?」
「そりゃしたい。けれど…。」
「いいのかい?復讐しなければ…君の環境はそのままだよ。いつまでも変わらない。それは大人になっても続く…。我なら少なくとも復讐するかな。」
「…あなたは誰なの?」
「さぁね。少なくとも君の救済者とでも言っておこう。付いて来る気はないかい?君はまだ若い。これからも輝く未来が待っている。」
「…。」
私はゆっくりと頷いた。その後にタルタロスへと向かい、今に至る。
それが私、フィーナ・ガルシア・デモトラントの全てである。


謙信の言葉がずっしり響いた。そこでもう一度考えた。家族とは何か?人とは何か?


「生きる」とは何か?を。
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