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第7話。
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俺がブッ放した極炎魔法に、シェリー姐さん、サムシング辺境伯様、執事のザイルさんが盛大に吹き出した。
「何個もって…こんな超絶魔導具が…?」
「はい。奥様とリリミナお嬢様、他のお嬢様の分もありますからね」
サムシング辺境伯様は一妻三女で、嫡男はいない。何処かの高位貴族から婿を迎える予定だとか。
「家族の分まで…感謝する」
「いえいえ。お気になさらずに」
サムシング辺境伯様は素直に頭を下げる。何人かの貴族を知っているが、それと比べれば、こうして感謝の気持ちを表せるだけでも他の貴族とは雲泥の差だ。
立派な貴族様だなぁ。
この辺境伯領に本拠を置いているのは正解だな。
「辺境伯様。一つお願いがあるのですが」
「ん? 私にできる事なら、何でも聞こう」
「いえ。それ程の事ではないのですが、近々王都で社交パーティーがあるそうじゃないですか」
「ああ。あるな。何だ、参加したいのかい?」
「ご冗談を。聞くだけでも鬱陶しい社交パーティーなんかに興味はありませんよ。ただ」
「ただ?」
「国王陛下と王妃殿下に献上したい物があるので、辺境伯様から渡していただけないかと思いまして。ダメですか?」
「…陛下と王妃様への献上品…どんな物かな?」
サムシング辺境伯は、俺のとんでもブッ飛び頭を知っているので、献上品がただのドロップ品ではないと悟った。
「コレです」
テーブルの上に置いたのは、小さくてシンプルな二つの宝箱。
「見ても?」
確かめてから宝箱を開ける。
「指輪…?」
虹色の宝石が嵌っている指輪が二つ。
サムシング辺境伯様の額に、薄っすらと汗が滲む。
絶対に普通の指輪じゃない。
「この指輪には、どんな魔法が付与してあるのかな?」
ゴクリ。
唾を飲み込む音がした。
「【対物対魔攻撃絶対防御】です」
シェリー姐さんは、この世の終わりを見たような目をして、サムシング辺境伯様は頭を抱え、ザイルさんは額の汗をハンカチで拭いている。
それを尻目に、
「ドロップ品は今夜中に整理しておくから、今日はダンジョン踏破の報奨金だけ貰って帰るね」
俺は執務室から出て行った。
今回の報奨金額は聖銀貨5枚。日本円にして5,000万円だった。
「何個もって…こんな超絶魔導具が…?」
「はい。奥様とリリミナお嬢様、他のお嬢様の分もありますからね」
サムシング辺境伯様は一妻三女で、嫡男はいない。何処かの高位貴族から婿を迎える予定だとか。
「家族の分まで…感謝する」
「いえいえ。お気になさらずに」
サムシング辺境伯様は素直に頭を下げる。何人かの貴族を知っているが、それと比べれば、こうして感謝の気持ちを表せるだけでも他の貴族とは雲泥の差だ。
立派な貴族様だなぁ。
この辺境伯領に本拠を置いているのは正解だな。
「辺境伯様。一つお願いがあるのですが」
「ん? 私にできる事なら、何でも聞こう」
「いえ。それ程の事ではないのですが、近々王都で社交パーティーがあるそうじゃないですか」
「ああ。あるな。何だ、参加したいのかい?」
「ご冗談を。聞くだけでも鬱陶しい社交パーティーなんかに興味はありませんよ。ただ」
「ただ?」
「国王陛下と王妃殿下に献上したい物があるので、辺境伯様から渡していただけないかと思いまして。ダメですか?」
「…陛下と王妃様への献上品…どんな物かな?」
サムシング辺境伯は、俺のとんでもブッ飛び頭を知っているので、献上品がただのドロップ品ではないと悟った。
「コレです」
テーブルの上に置いたのは、小さくてシンプルな二つの宝箱。
「見ても?」
確かめてから宝箱を開ける。
「指輪…?」
虹色の宝石が嵌っている指輪が二つ。
サムシング辺境伯様の額に、薄っすらと汗が滲む。
絶対に普通の指輪じゃない。
「この指輪には、どんな魔法が付与してあるのかな?」
ゴクリ。
唾を飲み込む音がした。
「【対物対魔攻撃絶対防御】です」
シェリー姐さんは、この世の終わりを見たような目をして、サムシング辺境伯様は頭を抱え、ザイルさんは額の汗をハンカチで拭いている。
それを尻目に、
「ドロップ品は今夜中に整理しておくから、今日はダンジョン踏破の報奨金だけ貰って帰るね」
俺は執務室から出て行った。
今回の報奨金額は聖銀貨5枚。日本円にして5,000万円だった。
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