103号室

秋臣

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須藤と雪成

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「隣のイケメンは相変わらずイケメン?」
呑気な声で須藤未知香が聞く。
「新のアパート行けば会えるんだろ?写真とかねえの?」
三津谷雪成も話に乗ってくる。

須藤と雪成は大学の同期だ。
入学当初、知り合いもいない俺は履修登録に四苦八苦していると、
「履修登録わかる?俺よく分からなくて、教えてもらえる?」と雪成に声をかけられたのがきっかけで知り合った。
俺も雪成も結局分からなくて、近くにいた須藤未知香に「わかる?」と助けを求めが、須藤も分かってなくて、3人で学生課に行って教えてもらいながら登録したという経緯がある。
大学生にもなってこんなことも出来ないのかと恥ずかしかったが、
「高校生までの授業の取り方とは違うから戸惑うよね。分からないままにしちゃうとそっちの方が大変なことになるから来てくれてよかったよ」と言われて心底ホッとしたのを覚えてる。そこからなんだかんだ3人でいることが多くなった。

藤代さんのことは触れないでくれと思っても2人はなにも知らないし、今まで散々、俺のアパートのお隣さんはマジのイケメンと言いまくっていたツケだ。
「うん、相変わらずイケメンだね」と答えてそれで終わらそうとするが、
「男がいうイケメンって本物って気がするよね」
「確かにそれはそうな。でも女がいう可愛いは信用できねえ」
「それ酷くない?」
ゲラゲラ笑ってる2人にこいつらなにも知らずに…と複雑だがそれとは別に言ってることは真理だなと思って笑ってしまう。
「いつか写真でもいいからイケメン拝ませてよ」と須藤がいう。
もう無理だと思うよと心の中で答える。
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