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第40話.姉さんを元気付けよう!!
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ぬるま湯に入っているフェリーのモコモコを堪能しているうちに、アトウットさんが他のモコモコ達をささっと拭いてくれて。それが終わったら今度はフェリー。もちろん最後まで触らせてくれたフェリーにはお礼を言ったよ。
「あとぉ!!」
これが今の俺のありがとうだ。
『ぴぴぴ!』
するとぬるま湯から出てきたフェリーが、いいのよって感じの顔をしてアトウットさんの方へ。ちなみにフェリーは女の子。ブルーは男の子。ルーちゃんは女の子。俺のモコモコ達は2匹とも男の子だ。
そうしてモコモコ達が全員乾くと、今度は俺と姉さんの番。お風呂場から出て、脱衣所で綺麗に体を拭いてもらって、いつもの洋服に着替えたら完了。ご飯までゆっくりする部屋で待つことに。
いやぁ、楽しかった。モコモコ達の新しいことを知ることができたし、水の中でもモコモコを堪能できることが判明した。他にもそんな魔獣がいるんだろうか。それともモコモコだけが特別なのか。
何にしろ海に出ても、水の中なら何処ででも、モコモコのもふもふモコモを堪能できるなんて、こんなに嬉しいことはない。
『お食事の用意が整いましたよ。さぁ、移動しましょう』
カータレットさんに抱っこしてもらって、食堂へ移動する俺達。今日は初めての姉さんと2人だけのご飯だ。父さんも母さんも海だからな。母さんなんて、ちょっと慌てているような感じだったし。俺のご飯はカータレットさんが面倒を見てくれる。
そうして2人だけの食事が始まって、少しして姉さんが話し始めた。それまで父さん達がいないせいか、姉さんも俺も一切何も言わなかったから、部屋の中は静まり返っていた。
『きょうのよるも、パパとママいない?』
『どうでしょう。お父様はまだお仕事の途中ですし。お母様は明日にはお戻りのなられると思いますが』
『パパもママも帰ってこない……』
それを聞いた姉さんの、いつもよりもゆっくりと食べていたスプーンの動きが、もっと遅くなった。そうりゃあ姉さんの歳じゃ、父さん達がいなかったら寂しいよな。あ、そうそう、姉さんの歳は4歳だ。
4歳の子が、父さん達がいなくて寂しくないわけない。それに母さんは突然だったから。これがもう少し、先に今日出かけるって分かっていれば、少しは違ったんだろうけど。
ここは本当は年上の俺が、姉さんを元気づけてあげなければ。それに姉さんはいつも、自分が遊んでいない時は、俺の面倒を見てくれるからな。
興味があると、その途中でも何処かへ行っちゃいけど。それでも面倒をよく見てくれてる、俺の自慢の姉さんだ。だからこういう時は俺が励まさなければ!!
『ねぇ、ねぇ』
俺は姉さんを呼ぶ。姉さんの『ねぇ』だけど、もう少しすれば、『ねぇね』っていえそうなんだけどな?
『グレンヴィル、パパもママも、きょうは、かえってこないの。さみしいねぇ』
『にょう、ねぇ』
今のは、そうだね、って言ったんだ。ええと、姉さんを元気付けるには……。俺に何ができる? そうだ!! 俺にできることは少ないからな。とりあえずこれで元気になってもらおう!
俺は俺の近くに置いてあった、ある果物を掴んだ。と、リズがそれを止めようとして、アトウットさんにさらに止められる。
『リズ、少し待ちなさい』
『ですが、手も服も、べちゃべちゃになってしまいますぅ』
『おそらく大丈夫だと思いますよ。まぁ、見ていなさい』
俺は力の加減がまだ上手くいかなくて、柔らかい果物は握り潰しちゃうことがあるんだ。それで手も服も周りもべちゃべちゃに。だからリズは俺を止めようとしたんだけど。それを止めてくれたアトウットさん。
そうそう、今回はちょと待ってくれ。これは姉さんを元気にするための行動だからさ。
俺はいつもみたいに潰さないように、でもしっかりと果物を握った。そして姉さん向かって手を伸ばす。
「ねぇ、ね、りょ!!」
姉さん、これをあげる、って言ったんだ。そんな俺を何? って感じで見てくる姉さん。今回は姉さん、俺の言っていることは分からなかった。
いつもはこれくらいなら分かってくれるんだけど。でも今は寂しい方が大きいから、そこまで気にしていられないんだろうな。
でも姉さんの代わりに分かってくれた人が。アトウットさんだ。アトウットさんは俺を抱き上げて姉さんお所まで連れていってくれ。そして姉さんに伝えてくれる。
『坊っちゃまからお嬢様に、果物のプレゼントだそうですよ。坊っちゃまはこの果物を食べて、元気になってと。そうですよね坊っちゃま』
『たぁ!!』
『あたしに? これたべてげんき?』
『はい。坊っちゃまはお嬢様に、いつもの元気のいい、お嬢様になってもらいたいのです。そして一緒だから寂しくないと』
『いっしょ……、さみしくない……』
そうそう、俺達2人だから寂しくないよ。モコモコ達だって側に居てくれるんだから。
『……うん!! あたしげんき!!』
少し黙っていた姉さん。でもその後椅子に立ち上がって、スプーンを掲げて、あたし元気!! と。それからスプーンを振り回して、途中でカータレットさんに止められていたけど。
でも良かった。姉さんが元気になってくれて。確か明日には母さんが帰って来てくれるみたいだから、それまでは姉さんと一緒に過ごして、2人で乗り越えよう。ただ予定通り、母さんが戻ってくればいいけど。
調べていて何かがあって、それを解決しているうちに、遅くなるってこともあるしな。何もないのが1番なんだけど。それは調べないと分からないからな。
そして食事が終わってからも、ずっと姉さんとモコモコ達と過ごした俺達。ただちょっとした問題が起きた。俺の渡した果物を食べて、元気になった姉さん。元気になり過ぎた。
廊下で遊んでいて、勢い余って花瓶を割ったんだ。そのせいでカータレットさんに怒られて、結局しょんぼりした姉さんだった。
「あとぉ!!」
これが今の俺のありがとうだ。
『ぴぴぴ!』
するとぬるま湯から出てきたフェリーが、いいのよって感じの顔をしてアトウットさんの方へ。ちなみにフェリーは女の子。ブルーは男の子。ルーちゃんは女の子。俺のモコモコ達は2匹とも男の子だ。
そうしてモコモコ達が全員乾くと、今度は俺と姉さんの番。お風呂場から出て、脱衣所で綺麗に体を拭いてもらって、いつもの洋服に着替えたら完了。ご飯までゆっくりする部屋で待つことに。
いやぁ、楽しかった。モコモコ達の新しいことを知ることができたし、水の中でもモコモコを堪能できることが判明した。他にもそんな魔獣がいるんだろうか。それともモコモコだけが特別なのか。
何にしろ海に出ても、水の中なら何処ででも、モコモコのもふもふモコモを堪能できるなんて、こんなに嬉しいことはない。
『お食事の用意が整いましたよ。さぁ、移動しましょう』
カータレットさんに抱っこしてもらって、食堂へ移動する俺達。今日は初めての姉さんと2人だけのご飯だ。父さんも母さんも海だからな。母さんなんて、ちょっと慌てているような感じだったし。俺のご飯はカータレットさんが面倒を見てくれる。
そうして2人だけの食事が始まって、少しして姉さんが話し始めた。それまで父さん達がいないせいか、姉さんも俺も一切何も言わなかったから、部屋の中は静まり返っていた。
『きょうのよるも、パパとママいない?』
『どうでしょう。お父様はまだお仕事の途中ですし。お母様は明日にはお戻りのなられると思いますが』
『パパもママも帰ってこない……』
それを聞いた姉さんの、いつもよりもゆっくりと食べていたスプーンの動きが、もっと遅くなった。そうりゃあ姉さんの歳じゃ、父さん達がいなかったら寂しいよな。あ、そうそう、姉さんの歳は4歳だ。
4歳の子が、父さん達がいなくて寂しくないわけない。それに母さんは突然だったから。これがもう少し、先に今日出かけるって分かっていれば、少しは違ったんだろうけど。
ここは本当は年上の俺が、姉さんを元気づけてあげなければ。それに姉さんはいつも、自分が遊んでいない時は、俺の面倒を見てくれるからな。
興味があると、その途中でも何処かへ行っちゃいけど。それでも面倒をよく見てくれてる、俺の自慢の姉さんだ。だからこういう時は俺が励まさなければ!!
『ねぇ、ねぇ』
俺は姉さんを呼ぶ。姉さんの『ねぇ』だけど、もう少しすれば、『ねぇね』っていえそうなんだけどな?
『グレンヴィル、パパもママも、きょうは、かえってこないの。さみしいねぇ』
『にょう、ねぇ』
今のは、そうだね、って言ったんだ。ええと、姉さんを元気付けるには……。俺に何ができる? そうだ!! 俺にできることは少ないからな。とりあえずこれで元気になってもらおう!
俺は俺の近くに置いてあった、ある果物を掴んだ。と、リズがそれを止めようとして、アトウットさんにさらに止められる。
『リズ、少し待ちなさい』
『ですが、手も服も、べちゃべちゃになってしまいますぅ』
『おそらく大丈夫だと思いますよ。まぁ、見ていなさい』
俺は力の加減がまだ上手くいかなくて、柔らかい果物は握り潰しちゃうことがあるんだ。それで手も服も周りもべちゃべちゃに。だからリズは俺を止めようとしたんだけど。それを止めてくれたアトウットさん。
そうそう、今回はちょと待ってくれ。これは姉さんを元気にするための行動だからさ。
俺はいつもみたいに潰さないように、でもしっかりと果物を握った。そして姉さん向かって手を伸ばす。
「ねぇ、ね、りょ!!」
姉さん、これをあげる、って言ったんだ。そんな俺を何? って感じで見てくる姉さん。今回は姉さん、俺の言っていることは分からなかった。
いつもはこれくらいなら分かってくれるんだけど。でも今は寂しい方が大きいから、そこまで気にしていられないんだろうな。
でも姉さんの代わりに分かってくれた人が。アトウットさんだ。アトウットさんは俺を抱き上げて姉さんお所まで連れていってくれ。そして姉さんに伝えてくれる。
『坊っちゃまからお嬢様に、果物のプレゼントだそうですよ。坊っちゃまはこの果物を食べて、元気になってと。そうですよね坊っちゃま』
『たぁ!!』
『あたしに? これたべてげんき?』
『はい。坊っちゃまはお嬢様に、いつもの元気のいい、お嬢様になってもらいたいのです。そして一緒だから寂しくないと』
『いっしょ……、さみしくない……』
そうそう、俺達2人だから寂しくないよ。モコモコ達だって側に居てくれるんだから。
『……うん!! あたしげんき!!』
少し黙っていた姉さん。でもその後椅子に立ち上がって、スプーンを掲げて、あたし元気!! と。それからスプーンを振り回して、途中でカータレットさんに止められていたけど。
でも良かった。姉さんが元気になってくれて。確か明日には母さんが帰って来てくれるみたいだから、それまでは姉さんと一緒に過ごして、2人で乗り越えよう。ただ予定通り、母さんが戻ってくればいいけど。
調べていて何かがあって、それを解決しているうちに、遅くなるってこともあるしな。何もないのが1番なんだけど。それは調べないと分からないからな。
そして食事が終わってからも、ずっと姉さんとモコモコ達と過ごした俺達。ただちょっとした問題が起きた。俺の渡した果物を食べて、元気になった姉さん。元気になり過ぎた。
廊下で遊んでいて、勢い余って花瓶を割ったんだ。そのせいでカータレットさんに怒られて、結局しょんぼりした姉さんだった。
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