水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました

ありぽん

文字の大きさ
65 / 111

第64話.モコモコ達の実力、そしてユースタスさんとアトウットさんの話し

しおりを挟む
 シードラゴンが街を襲ってきてからどれくらい経ったのか。シードラゴンによる攻撃で、爆発音と揺れが時々襲ってきていたけれど、それ以外。結界や他のことで問題は起こることはなく。

 ユースタスさんのよると、父さんも母さんも、街のみんなも。フルもルスも。応援に来てくれた他の大きなフルフル達、大きなプレルス達。そして魔獣達にも。大きな怪我をした人達はいないって。

 もちろん全く何もないって訳じゃない。少しの怪我をする人達も魔獣もいて。そういう時はすぐに後ろに下がって、治癒師に治してもらっているから問題ないって。
 それを聞いて安心したよ。いや、さっき1度だけだけど、大きな爆発が起きてさ。だから心配してたんだ。

 そして俺達の方だけど。俺達の方も大きな問題はなし。揺れにも慣れてきたし、みんなが街を守ってくれているから、こっちに攻撃は来ないし。

 もちろん応援も続けている。ずっと応援だけっていうのは、流石に体力が持たなくて、みんな休憩しながら応援をしているけど。俺に至っては、応援してない方が多いいかもな。それでも出来る限り応援はしている。

 今も少し前に昼寝から起きて、応援を再開しようとしていたところだ。

「たぁよ! ぱぁ、れ! まぁ、れ!」

「グレンヴィルは案外肝がすわっているかもしれないな。この騒ぎの中で寝ることができるとは」

『私も眠れなくなり、ご飯も食べてくださらず、体調を崩されたらと心配しておりましたが。どちらも問題ないようで安心いたしました』

「おやつもしっかりと食べていたからな。一応薬草を混ぜておいたが、次の食事の時は要らないだろう。なるべく使わずに、もしもの時に残しておいても良いかと思っている。薬草自体は1度摂取すれば、かなり効果が続くからな」

『そうですね。今は良いですが、この後どうなるか』

 そう、俺はしっかりと、でもまぁ、いつもよりは短い昼寝をした後、いつも通りにおやつを食べて、元気いっぱいだ。ジュースにはしっかりとユースタスさんが持ってきてくれた、元気になれる薬草を入れて。

 薬草入りのジュース。俺の体調を気遣ってくれているのは分かっていたから、苦くてもしっかりと飲もうと思っていた。だけど飲んでみれば、苦いなんてことはなく、それどころか、いつものジュースが更に甘く感じて。

 俺が甘くて美味しいって言ったのを、しっかりと姉さんが伝えてくれて。それを聞いたユースタスさんが、苦いのもあるが、塩辛い物、甘い物もあって、色々だって教えてくれた。
 薬草って苦いってイメージだったけど、これなら俺のような赤ん坊が食べても問題ないだろう。

 そうして元気になって応援を再開させた俺の隣で、一緒に応援をしているモコモコ達と小さいフルフル。それから父さんと母さんのブルーとフェリー。みんなも俺が昼寝をしている時休憩していたらしくて、今は元気いっぱいに応援をしている。

 ブルーとフェリーは、父さんと母さんが行ってから、少しの間心配そうな表情をしていた。それから途中で父さん達と一緒に戦うって、部屋から出て行こうとしちゃって。
 ユースタスさんとアトウットさんが何とか止めてくれたんだけど。その時に気になる会話が。

『旦那様も奥様も、あなた方の実力は分かっています。ですがいくらあなた方が、単独でキラーシャークを倒せるとはいえ、今回は変異種のシードラゴン。流石のあなた方でも、すぐに倒すのは無理です。あなた方の力が必要ならば、奥様も旦那様もお呼びになるでしょうから、それまではなるべく体力を温存しておきなさい』

 というなことを話していたんだ。そうしたらフェリーとブルーは少し何かを話した後、しっかりした顔をして頷き合い、その後は応援したり、パンチや蹴りの練習をしたり。

 と、それは良いんだけど。フェリー達が単独で倒せるっていう、キラーシャークのことなんだが。これはシードラゴンを群れで襲うサメ魔獣がいるって言っていただろう? そのサメ魔獣の中に、キラーシャークも入っていて。

 大きさはフルよりも大きいらしい。聞いた感じじゃ、クジラよりも大きな個体もいるとか。
 そんな大きくて凶暴なキラーシャークを、大きくても頭に乗るサイズの可愛いフェリー達が単独で倒せる? 俺、思わず図鑑とフェリー達を交互に見ちゃったよ。

 いやさ、確かにモコモコ達は見た目によらず、けっこう強いっていうのは、話しを聞いていたから知っている。だけどクジラ並みの、大きな危険なキラーシャークを倒せるほど強いなんて。

 この世界にきて、見た目と違ったり、魔獣達の行動は見てきたつもりだけど、こればかりはすぐに信じることができなかった。

「……動きが変わってきたな」

『そのようで』

「まぁ、このくらいは我々には問題はないが」

『ですが、そろそろ気をつけた方がよろしいかと』

「後ろにどれだけの力を持っている者達が控えているか。追放された者達の中には、なかなかの力を持っていた者達もいるからな。本当に危険な者達は追放せずに処分しているんだろう?」

『ええ。外に出して、そういう者達が集まれば問題ですので』

「バカが集まると何をするか分からないからな。1番の問題はその者達を従えている者だが。まだその気配は感じられない。気配を消しているのか、何処か離れた場所で様子を見ているのか。だが、奴らが魔法を使えている。それをやったのが、おそらく従えている者だろう」

 ん? 何の話しだ?

『ねぇねぇ』

 ユースタスさんとアトウットさんが話していると、姉さんが間に入った。

『のどかわいたの、ジュースのんでいい?』

『ええ。どのジュースがよろしいですか。リズ』

『は~い。ではお嬢様、あちらのジュースから選びましょう!』

 リズと一緒にジュースが何種類か置いてある場所へ移動した姉さん。話しも気になったけど、モコモコ達と小さいフルフルもジュースが飲みたいと訴えてきたので、俺もハイハイで姉さん達を追って。

 ユースタスさんとアトウットさんは何の話しをしていたんだ?
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

転生調理令嬢は諦めることを知らない!

eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。 それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。 子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。 最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。 八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。 それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。 また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。 オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。 同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。 それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。 弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。

転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流

犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。 しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。 遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。 彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。 転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。 そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。 人は、娯楽で癒されます。 動物や従魔たちには、何もありません。 私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!

一緒に異世界転生した飼い猫のもらったチートがやばすぎた。もしかして、メインは猫の方ですか、女神様!?

たまご
ファンタジー
 アラサーの相田つかさは事故により命を落とす。  最期の瞬間に頭に浮かんだのが「猫達のごはん、これからどうしよう……」だったせいか、飼っていた8匹の猫と共に異世界転生をしてしまう。  だが、つかさが目を覚ます前に女神様からとんでもチートを授かった猫達は新しい世界へと自由に飛び出して行ってしまう。  女神様に泣きつかれ、つかさは猫達を回収するために旅に出た。  猫達が、世界を滅ぼしてしまう前に!! 「私はスローライフ希望なんですけど……」  この作品は「小説家になろう」さん、「エブリスタ」さんで完結済みです。  表紙の写真は、モデルになったうちの猫様です。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

処理中です...