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第87話.やって来た女の人は危険? 安全?
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少しするとユースタスさんが入り口の方を見て、さっとリーシュに変身。俺の頭に乗って来た。それから全員に籠の中心に戻れって。どうも誰かが来たらしい。ジェフィリオンだろうか。
俺はすぐにハイハイで檻の真ん中へ。モコモコ達と小さいフルフルも付いてくる。シードラゴンの双子もすぐに戻って行った。
「ジェフィリオンではないだろう。この感じだと、普通の海に生きる者か? 奴の仲間か。それとも奴に捕まりここへ連れて来られた者か」
ユースタスさんが気配を調べた感じ、どうもジェフィリオンじゃないらしい。ホッとしたような、とりあえず敵がどんな奴か、会っておいた方が良かったのか。
なんとも言えなかったが、本当だったらこのままジェフィリオンに会わずに、ここから逃げられたらどんなに良いか。
もちろん双子も一緒にだ。親のシードラゴンとはどうなるか分からない。でもそれでも、双子は一緒に逃げないと。こんな場所で捕まっているなんてダメだからな。
少しドキドキしながら、誰かが来るのを待つ。そうして数秒後、静かにドアが開くと、1人の女の人が入って来た。手には籠を持っていて、籠にはタオルがかけられている。
女の人はそのまま静かに入ってくると、檻の前に立ち、ジッと俺を見てきて。その表情はかなり緊張しているように見えたが、すぐにニコリと笑うと、檻の鍵を開けて中へと入ってきて、また鍵をかけなおし。また静かに歩くと俺の前へ。
俺達は何で檻から出られないのに、この女の人は自由に出入りできるのかと思っていたら。これは後でユースタスさんに聞いたんだけど。
この時女の人はブレスレットをしていて。そのブレスレットには特別な魔法がかけられており。それが檻にかけられている魔法を封じ、自由に入れると。
入って来た女の人に、すぐにモコモコ達と小さいフルフルが警戒態勢をとる。そんな3匹を、リーシュ姿のユースタスさんが何も話さず止めに入って。それから俺を見て首を振ってきた。
大丈夫、俺は約束通り何も言わなよ。ユースタスさんが気づかれたらまずいからな。
『こんにちは』
そんな警戒をする俺達に、女の人は俺の前に座ると、静かに声をかけてきた。
『初めましてのご挨拶をしても良いかしら。私の名前はスカーレットって言うの。始めまして』
それはそれは優しい声だった。母さんや父さんと同じで。それからスカーレットさんと名乗った女の人が、俺の前に手を差し出してきた。
すると耳元でユースタスさんが向こうへ聞こえないように、大丈夫だと思いが気をつけろって、もう1回注意をしてきて。
優しく見せているだけで、実は……、なんてこともあるからな。俺は手を出すかどうするか考える。
その時だった。向こうにいた双子がこっちに寄ってきて、何かを言ってきた。ただその声は別に慌てているとか、怖がっている感じはなく。
『きゅう!』
『くきゅう!』
『ぷぴ?』
『ぷう?』
『くう?』
何だ? 何を話しているんだ? するとすぐにユースタスさんが、またこそっと教えてくれて。双子曰く、このスカーレットさんは。危険な人物ではないらしい。
双子達がここへ連れて来られてきてからずっと、面倒を見てくれていて、それからとても優しい人なのだと。
あの問題のジェフィリオンがいない時などは、檻の鍵を開けてくれて、この部屋でだけだが遊ばせてくれるらしい。檻から出る?
この時はブレスレットのことなんて知らないから、本当に? と様子を伺う俺。だがそんな俺達に対して、双子は女の人に向かって、ブンブンとしっぽを振ってアピールをしている。そんな双子の女の人は、優しく笑い返した。
双子がこんななら、本当に大丈夫なのか? 俺はそっと女の人の手に、自分の手を乗せてみた。すると女の人は今度は、ホッとしたように笑い。
『こんにちは。スカーレットよ、よろしくね』
と、もう1度挨拶をしてくれ。それから俺にもう少し近づくわねと。更に俺に近づいてきて、今度はそっと頭を撫でてきた。その間ずっと静かにしている俺達。
『私はね、あなたのお世話をしにきたのよ。お腹が空いているんじゃないかしら?』
そう言うと隣に置いてあった籠に手をかけ。今のところ危険なことはない、やはり双子の言う通り危険人物じゃないのか?
『色々用意してきたのよ。ミルクに下着に。ここには何もないから、遊べる物も持ってきたわ。後でふかふかのクッションも持ってくるわね』
籠の中からどんどん物を出す女の人。今言った通り、ミルク瓶に下着。それからみんなが遊べるボールやぬいぐるみが何個も出てきた。
『どうかしら。気に入ってくれると良いのだけれど……。私はちょっと下がるわね』
そう言って後ろに下がる女の人。いや、しっかりと名を呼んでも良いかもしれない。スカーレットさんと。
心配そうに俺達を見てくるスカーレットさん。何となくまだ警戒を解いていない俺。俺よりもまだ警戒をしているモコモコ達と小さいフルフル。ユースタスさんは今は黙ったまま。
おそらくスカーレットさんは、俺達の様子を見たいんだろう。俺が握手をしたまでは良い。だがそれ以上に近づくのは、これからの様子を見てからと。
急にガツガツ俺達に近づいて来て、俺達が不安になり、スカーレットさんから離れてしまったら? スカーレットさんと双子の言うことが正しくて、本当に俺達の世話をしに来ただけなら、俺達が離れてしまっては、色々と面倒だろうからな。
さて、どうするか。ずっとこのままでいるワケにもいかなし。本当に俺達のことを考えてくれる優しい人なら、怖がったり警戒したりし続けるのも悪いし。
『ぷぴ?』
『ぷい?』
『くう?』
『きゅう!!』
『くきゅう!!』
と、モコモコ達がまた何かを話しだした。すると双子が向こうの方へ。さっきは色々会って気づかなかったけど、よく見れば向こうの方に、岩のような物が置いてあってそれには穴が。その穴に入っていく双子。そしてすぐに出てくると、口にボールとぬいぐるみを咥えていた。
それを俺達の近くの方へ置いていくと、またすぐに穴に戻り今度は何かでできている輪っかと、棒を持ってきて。
『どうやら、あれらを用意したのはこの者らしい』
俺はすぐにハイハイで檻の真ん中へ。モコモコ達と小さいフルフルも付いてくる。シードラゴンの双子もすぐに戻って行った。
「ジェフィリオンではないだろう。この感じだと、普通の海に生きる者か? 奴の仲間か。それとも奴に捕まりここへ連れて来られた者か」
ユースタスさんが気配を調べた感じ、どうもジェフィリオンじゃないらしい。ホッとしたような、とりあえず敵がどんな奴か、会っておいた方が良かったのか。
なんとも言えなかったが、本当だったらこのままジェフィリオンに会わずに、ここから逃げられたらどんなに良いか。
もちろん双子も一緒にだ。親のシードラゴンとはどうなるか分からない。でもそれでも、双子は一緒に逃げないと。こんな場所で捕まっているなんてダメだからな。
少しドキドキしながら、誰かが来るのを待つ。そうして数秒後、静かにドアが開くと、1人の女の人が入って来た。手には籠を持っていて、籠にはタオルがかけられている。
女の人はそのまま静かに入ってくると、檻の前に立ち、ジッと俺を見てきて。その表情はかなり緊張しているように見えたが、すぐにニコリと笑うと、檻の鍵を開けて中へと入ってきて、また鍵をかけなおし。また静かに歩くと俺の前へ。
俺達は何で檻から出られないのに、この女の人は自由に出入りできるのかと思っていたら。これは後でユースタスさんに聞いたんだけど。
この時女の人はブレスレットをしていて。そのブレスレットには特別な魔法がかけられており。それが檻にかけられている魔法を封じ、自由に入れると。
入って来た女の人に、すぐにモコモコ達と小さいフルフルが警戒態勢をとる。そんな3匹を、リーシュ姿のユースタスさんが何も話さず止めに入って。それから俺を見て首を振ってきた。
大丈夫、俺は約束通り何も言わなよ。ユースタスさんが気づかれたらまずいからな。
『こんにちは』
そんな警戒をする俺達に、女の人は俺の前に座ると、静かに声をかけてきた。
『初めましてのご挨拶をしても良いかしら。私の名前はスカーレットって言うの。始めまして』
それはそれは優しい声だった。母さんや父さんと同じで。それからスカーレットさんと名乗った女の人が、俺の前に手を差し出してきた。
すると耳元でユースタスさんが向こうへ聞こえないように、大丈夫だと思いが気をつけろって、もう1回注意をしてきて。
優しく見せているだけで、実は……、なんてこともあるからな。俺は手を出すかどうするか考える。
その時だった。向こうにいた双子がこっちに寄ってきて、何かを言ってきた。ただその声は別に慌てているとか、怖がっている感じはなく。
『きゅう!』
『くきゅう!』
『ぷぴ?』
『ぷう?』
『くう?』
何だ? 何を話しているんだ? するとすぐにユースタスさんが、またこそっと教えてくれて。双子曰く、このスカーレットさんは。危険な人物ではないらしい。
双子達がここへ連れて来られてきてからずっと、面倒を見てくれていて、それからとても優しい人なのだと。
あの問題のジェフィリオンがいない時などは、檻の鍵を開けてくれて、この部屋でだけだが遊ばせてくれるらしい。檻から出る?
この時はブレスレットのことなんて知らないから、本当に? と様子を伺う俺。だがそんな俺達に対して、双子は女の人に向かって、ブンブンとしっぽを振ってアピールをしている。そんな双子の女の人は、優しく笑い返した。
双子がこんななら、本当に大丈夫なのか? 俺はそっと女の人の手に、自分の手を乗せてみた。すると女の人は今度は、ホッとしたように笑い。
『こんにちは。スカーレットよ、よろしくね』
と、もう1度挨拶をしてくれ。それから俺にもう少し近づくわねと。更に俺に近づいてきて、今度はそっと頭を撫でてきた。その間ずっと静かにしている俺達。
『私はね、あなたのお世話をしにきたのよ。お腹が空いているんじゃないかしら?』
そう言うと隣に置いてあった籠に手をかけ。今のところ危険なことはない、やはり双子の言う通り危険人物じゃないのか?
『色々用意してきたのよ。ミルクに下着に。ここには何もないから、遊べる物も持ってきたわ。後でふかふかのクッションも持ってくるわね』
籠の中からどんどん物を出す女の人。今言った通り、ミルク瓶に下着。それからみんなが遊べるボールやぬいぐるみが何個も出てきた。
『どうかしら。気に入ってくれると良いのだけれど……。私はちょっと下がるわね』
そう言って後ろに下がる女の人。いや、しっかりと名を呼んでも良いかもしれない。スカーレットさんと。
心配そうに俺達を見てくるスカーレットさん。何となくまだ警戒を解いていない俺。俺よりもまだ警戒をしているモコモコ達と小さいフルフル。ユースタスさんは今は黙ったまま。
おそらくスカーレットさんは、俺達の様子を見たいんだろう。俺が握手をしたまでは良い。だがそれ以上に近づくのは、これからの様子を見てからと。
急にガツガツ俺達に近づいて来て、俺達が不安になり、スカーレットさんから離れてしまったら? スカーレットさんと双子の言うことが正しくて、本当に俺達の世話をしに来ただけなら、俺達が離れてしまっては、色々と面倒だろうからな。
さて、どうするか。ずっとこのままでいるワケにもいかなし。本当に俺達のことを考えてくれる優しい人なら、怖がったり警戒したりし続けるのも悪いし。
『ぷぴ?』
『ぷい?』
『くう?』
『きゅう!!』
『くきゅう!!』
と、モコモコ達がまた何かを話しだした。すると双子が向こうの方へ。さっきは色々会って気づかなかったけど、よく見れば向こうの方に、岩のような物が置いてあってそれには穴が。その穴に入っていく双子。そしてすぐに出てくると、口にボールとぬいぐるみを咥えていた。
それを俺達の近くの方へ置いていくと、またすぐに穴に戻り今度は何かでできている輪っかと、棒を持ってきて。
『どうやら、あれらを用意したのはこの者らしい』
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