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第96話.国を襲って来たシードラゴンが目の前に?
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おいおいおい、ちょっと待ってくれ。今なんて言った? 俺の聞き間違いか? いや確かに国を襲ったシードラゴンが双子ジードラゴンっていうのは。ここへ連れて来られてすぐに、ユースタスさんが話してくれたから良いんだけど。
だけど今そこにいる男の人が、そのシードラゴンだって? 俺達の国を、奴隷契約と命令によってだけど、襲ってきた大きな大きなシードラゴンがこの男の人?
「この人の姿は、シードラゴンが変身した姿だ。お前の家族も他の者も、そして私も。魔獣に変身したり、人に変身したりするだろう? それと同じで、シードラゴンのままでは部屋に入れないから、それで人の姿に変身してきたのだろう」
そりゃあ、あの大きさじゃ、ここには入れないだろう。それどころかここがどれだけ大きな建物なのか知らないけど、それでもあの大きなシードラゴンのまま入ったら、建物自体が無事じゃすまないだろう。
じゃなくて! 本当にシードラゴンなのか? 俺はどうしても信じられず、じっと男の人を見たままだ。
だけど自分の父親を俺達に紹介してくれた双子シードラゴンは、僕達ちゃんと紹介できたよとでも言うように、ニコニコ男の人の元へ。それから男の人の手に、スリスリと体をくっつけていて。
そうか……。本当にあのシードラゴンが双子シードラゴンの親で、あの男の人はシードラゴンなんだな。あの双子シードラゴンの様子を見れば、それは間違いないんだろう。
まさか俺達を攫ったシードラゴン本人が、今目の前に居るだなんて。もちろん戦いを望まないシードラゴンというのは、前に話を聞いたから分かっているつもりだ。
だけどやっぱり、攫われた事と街を襲われたのは事実で、なんとも言えない気持ちになる。
あっ、そうか! あの時のモコモコ達と小さいフルフルの様子。最初に男の人がここへ来た時、みんな威嚇しただろう?
あれは雰囲気とか気配とか、後は匂いなんかで、男の人があんまりよくない人って判断したんだろう。それで威嚇をして。ただこの時には、しっかりとシードラゴンとは分かっていなかったはず。
だけどユースタスさんに、男の人はあのシードラゴンだって、その前にも説明した通り、双子シードラゴンの親だって、また説明してくれて。
それから双子シードラゴンがいるからあんまり威嚇するなとか、あんまり刺激するなとか言われて、それで威嚇するのをやめたんだ。きっとそうだ。
だけどそれでも、やっぱり襲ってきたシードラゴンには変わりないから、本気の威嚇はやめても、警戒だけはしてくれていたんだな。みんなありがとう。
「それで、こんな時間に何をしにきた? いや、お前はいつここへ来られるか分からないからな。おそらく奴はグレンヴィルの準備で忙しいだろう今のうちに、ここへ来た感じか」
『言っただろう。お前の計画を聞こうと思ってな。我らが逃げてからなら、お前達がその後何をしようと関係ないが、やはり我々が動く前に動かれては迷惑だ。お前達は我々が逃げるまで、ここで大人しくしていろと、それを伝えに来ただけだ』
「ふん、それは無理な相談だ。私達も計画が整えば、いつでもここから出て行く。お前にそれを止められる筋合いはない」
『もしおかしな動きをすれば奴に伝え、その赤子をお前から引き離してやろう』
「そうなったとしても、私は絶対にここから皆を逃す。双子には悪いが、お前を犠牲にしてでも。まぁ、その時は双子も共に逃げるがな」
『はっ、私の息子達を連れてだと。笑わせてくれる。何もしていない我々を脅威とみなし、遠い昔からずっと我々を敵としてきた者達が、息子を連れて逃げるとは。ふざけたことを』
「子供達に罪はないからな。それに……。お前は気づいていないようだが、いや気づかないふりをしているのか知らないが、子供達はすでに友として接している。罪のない子供達を、すでに心を通わせている子供達を、誰かをここに残し逃げるなど、私はそんな事はしない。必ず全員でここから逃げる」
「ふん、どうだか、口では何とでも言えるからな」
待って待って、また話しに置いていかれそうになる。みんながここから逃げようとしている。これは間違いないよな。ただその方法、逃げる時にどうするか、なんかはまだ決まっていないと。
だけどどっちもが、先に逃げようとしている。そしてそれを邪魔するならば、シードラゴンの方はその事を奴、おそらくジェフィリオンだろうけど。そのジェフィリオンに言って。
そうすると俺はきっと、ユースタスさんやモコモコ達と小さいフルフルから引き離されるから。ユースタスさんが動けないうちに、自分達はここから逃げると。
それでユースタスさんの方は、やっぱり先に逃げようとは思っているけれど。もしそれを邪魔されるのなら、シードラゴンにジェフィリオンの相手をさせて、その間に逃げると。それでシードラゴンがどうなろうとも。
ただ逃げる時は、シードラゴンは犠牲になるかもしれないけれど、双子シードラゴンは一緒に逃げる。これであっているか?
「う? にゃ、いちょ、ににぇ、にゃにゃい?」
思わず声に出していた俺。今のは、え? 何で一緒に逃げないんだ? って言ったんだ。それからその後に、みんな逃げようとしているのは同じなんだから、一緒に逃げれば良いだけじゃね? とも言った。
お互いピリピリした雰囲気の中、話していたユースタスさんとシードラゴン。その合間に俺の何とも言えない、赤ん坊の声が聞こえたせいなのか、どちらにも睨まれてしまった俺。
いや、睨まれても。それに今言ったように、何でお互いただ逃げるだけ、いやそのただっていうのが、難しいのは分かっているさ。でも、どっちも逃げるだけなのに、わざわざ喧嘩腰に、バラバラ逃げるなんて。何でそんな面倒な事するんだ?
だけど今そこにいる男の人が、そのシードラゴンだって? 俺達の国を、奴隷契約と命令によってだけど、襲ってきた大きな大きなシードラゴンがこの男の人?
「この人の姿は、シードラゴンが変身した姿だ。お前の家族も他の者も、そして私も。魔獣に変身したり、人に変身したりするだろう? それと同じで、シードラゴンのままでは部屋に入れないから、それで人の姿に変身してきたのだろう」
そりゃあ、あの大きさじゃ、ここには入れないだろう。それどころかここがどれだけ大きな建物なのか知らないけど、それでもあの大きなシードラゴンのまま入ったら、建物自体が無事じゃすまないだろう。
じゃなくて! 本当にシードラゴンなのか? 俺はどうしても信じられず、じっと男の人を見たままだ。
だけど自分の父親を俺達に紹介してくれた双子シードラゴンは、僕達ちゃんと紹介できたよとでも言うように、ニコニコ男の人の元へ。それから男の人の手に、スリスリと体をくっつけていて。
そうか……。本当にあのシードラゴンが双子シードラゴンの親で、あの男の人はシードラゴンなんだな。あの双子シードラゴンの様子を見れば、それは間違いないんだろう。
まさか俺達を攫ったシードラゴン本人が、今目の前に居るだなんて。もちろん戦いを望まないシードラゴンというのは、前に話を聞いたから分かっているつもりだ。
だけどやっぱり、攫われた事と街を襲われたのは事実で、なんとも言えない気持ちになる。
あっ、そうか! あの時のモコモコ達と小さいフルフルの様子。最初に男の人がここへ来た時、みんな威嚇しただろう?
あれは雰囲気とか気配とか、後は匂いなんかで、男の人があんまりよくない人って判断したんだろう。それで威嚇をして。ただこの時には、しっかりとシードラゴンとは分かっていなかったはず。
だけどユースタスさんに、男の人はあのシードラゴンだって、その前にも説明した通り、双子シードラゴンの親だって、また説明してくれて。
それから双子シードラゴンがいるからあんまり威嚇するなとか、あんまり刺激するなとか言われて、それで威嚇するのをやめたんだ。きっとそうだ。
だけどそれでも、やっぱり襲ってきたシードラゴンには変わりないから、本気の威嚇はやめても、警戒だけはしてくれていたんだな。みんなありがとう。
「それで、こんな時間に何をしにきた? いや、お前はいつここへ来られるか分からないからな。おそらく奴はグレンヴィルの準備で忙しいだろう今のうちに、ここへ来た感じか」
『言っただろう。お前の計画を聞こうと思ってな。我らが逃げてからなら、お前達がその後何をしようと関係ないが、やはり我々が動く前に動かれては迷惑だ。お前達は我々が逃げるまで、ここで大人しくしていろと、それを伝えに来ただけだ』
「ふん、それは無理な相談だ。私達も計画が整えば、いつでもここから出て行く。お前にそれを止められる筋合いはない」
『もしおかしな動きをすれば奴に伝え、その赤子をお前から引き離してやろう』
「そうなったとしても、私は絶対にここから皆を逃す。双子には悪いが、お前を犠牲にしてでも。まぁ、その時は双子も共に逃げるがな」
『はっ、私の息子達を連れてだと。笑わせてくれる。何もしていない我々を脅威とみなし、遠い昔からずっと我々を敵としてきた者達が、息子を連れて逃げるとは。ふざけたことを』
「子供達に罪はないからな。それに……。お前は気づいていないようだが、いや気づかないふりをしているのか知らないが、子供達はすでに友として接している。罪のない子供達を、すでに心を通わせている子供達を、誰かをここに残し逃げるなど、私はそんな事はしない。必ず全員でここから逃げる」
「ふん、どうだか、口では何とでも言えるからな」
待って待って、また話しに置いていかれそうになる。みんながここから逃げようとしている。これは間違いないよな。ただその方法、逃げる時にどうするか、なんかはまだ決まっていないと。
だけどどっちもが、先に逃げようとしている。そしてそれを邪魔するならば、シードラゴンの方はその事を奴、おそらくジェフィリオンだろうけど。そのジェフィリオンに言って。
そうすると俺はきっと、ユースタスさんやモコモコ達と小さいフルフルから引き離されるから。ユースタスさんが動けないうちに、自分達はここから逃げると。
それでユースタスさんの方は、やっぱり先に逃げようとは思っているけれど。もしそれを邪魔されるのなら、シードラゴンにジェフィリオンの相手をさせて、その間に逃げると。それでシードラゴンがどうなろうとも。
ただ逃げる時は、シードラゴンは犠牲になるかもしれないけれど、双子シードラゴンは一緒に逃げる。これであっているか?
「う? にゃ、いちょ、ににぇ、にゃにゃい?」
思わず声に出していた俺。今のは、え? 何で一緒に逃げないんだ? って言ったんだ。それからその後に、みんな逃げようとしているのは同じなんだから、一緒に逃げれば良いだけじゃね? とも言った。
お互いピリピリした雰囲気の中、話していたユースタスさんとシードラゴン。その合間に俺の何とも言えない、赤ん坊の声が聞こえたせいなのか、どちらにも睨まれてしまった俺。
いや、睨まれても。それに今言ったように、何でお互いただ逃げるだけ、いやそのただっていうのが、難しいのは分かっているさ。でも、どっちも逃げるだけなのに、わざわざ喧嘩腰に、バラバラ逃げるなんて。何でそんな面倒な事するんだ?
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