水の中でも何処でももふもふ!! あたらしい世界はもふもふで溢れていました

ありぽん

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第97話.しっかり者の俺以外のちびっ子達

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『ぷぴ?』

『ぷう?』

『くう?』

『きゅ?』

『くきゅ?』

 男の人。父シードラゴンを気にしながらも、双子シードラゴンと話している時はニコニコしていたモコモコ達と小さいフルフル。それから父シードラゴンの側を離れ、その父に、みんなのことを紹介しているような双子シードラゴン。
 俺が思わず声に出して言ったことを、きちんと聞いていたようで、あれ?って表情になった。

『ぷぴぴ? ぷぴ?』

『ぷう、ぷうう、ぷう?』

『くう! くうくう、くうう!』

『きゅ!! きゅきゅきゅ! きゅう?』

『くきゅう、くきゅ、きゅうっ!!』

 俺じゃないけど、今度は今までの自己紹介ではなく、別の何かを話し始め、今度はみんな難しい表情をしたみんな。
 何だ? 俺は変なことを言ったか? ごく普通の疑問だとは思うが。こっちの世界では、目的が同じでも、こう種族が違うとか仲間じゃないとかだと、一緒の逃げたりしないのだろうか?

 でもさぁ。もしかしたら一緒に逃げた方が、逃げられる確率も上がるかもそれないぞ? 
 もし敵が攻撃してきたら、ユースタスさんと父シードラゴンが共に戦えば、楽に戦えると思うし。俺たりだって仲間がいた方が、お互いを励まし合って、それぞれがそれぞれを守りながら、逃げられるだろう?

 ただ、どんな事をしたとしても、父シードラゴンの奴隷契約が問題になってくるけど。もしジェフィリオンに俺達を攻撃しろ、捕えろって命令されれば、父シードラゴンはそれに従わなくちゃいけなくて、俺達を襲ってくるだろうし。

 そして命令に違反した場合は、罰を受けることに。奴隷契約の命令違反の罰は、かなり酷いものらしい。だから父シードラゴンにはそんな罰は受けてほしくないんだよ。
 近くに双子シードラゴンがいるならば尚更な。父親が罰を受けて苦しむ姿なんて、見せたくはないし、見てほしくないだろう。

『お前達、この者達は人間とエルフ、我々の敵なのだぞ。そして我らにこんなことをした者も我々の敵だ。そう、敵なのだ。そういえば、何で一緒に逃げないのかな? だと。それは敵だからだ』

「お前達も。この男に無理矢理従わされたとはいえ、お前達の国を襲ってきて、グレンヴィルを攫った男なのだ。それに私達を敵視している。そんな者となぜ共に逃げなくてはいけない」

「ゆしゅ? も、ふ?」

「何だ? 今モコモコ達が何を話していたか、か?」

 俺はユースタスさんの洋服を引っ張り、モコモコ達が何て言っていたのか聞いた。今のユースタスさんと父親シードラゴンの話し、モコモコ達も俺の言ったようなことを言ったんじゃないかって思って。

 そうしたら思った通りだったよ。モコモコ達はそういえば?って。何でバラバラに逃げるのかな? みんなここから逃げるんだから、一緒に逃げれば良いのに。
 僕達のお父さんとっても強いから。もし攻撃されてもあんな奴らすぐに倒しちゃうよ。
 ユースタスも強いんだよ。だからユースタスもすぐに倒しちゃうよ。
 
 それならやっぱり一緒に逃げた方が良いよね。それで逃げたら、みんなすぐにおうちに帰る。あっ、でもその前に仲間を呼んで、悪い人を倒しちゃわないと。また僕達意地悪されちゃうよ。

 うん、そうだね。それで倒した後は、みんなで一緒に遊ぼうよ。僕達お友達だもんね。お友達はいつもいっぱい、一緒に遊ぶってお母さんが言ってた。
 グレンヴィルのパパとママもそう言ってた。もう少し大きくなってお友達ができたら、いっぱいみんなで遊べるって。

 じゃあ、やっぱりみんなで一緒に逃げて、お父さんや仲間に悪い奴を倒してもらって。それで遊んだ方が良いよ。
 でもそれなら逃げる前に、お父さんの奴隷契約を消さなくちゃ。そうしないとお父さんがまた痛い痛いになっちゃうもん。
 ならそれもみんなで考えようよ。そうすれば早く奴隷契約を消す方法は見つかるかも。そうしたら早く逃げられるし。うん、それが良いよ!!

 って感じの会話だったみたいです。まさかの奴隷契約についてまで話していたよ。そしてそれを聞いたユースタスさんと父親シードラゴンの反応があれだった。

『きゅ! きゅきゅきゅ!』

『くきゅう、くきゅ!』

『だから何故、一緒に逃げないし、解決しないのかだと? 今言っただろう。それに今までにお前達には何度も言ってきたはずだ。我々以外のほとんどは皆敵だと。それなのに何故その敵と、手を組み逃げなければいけない』

『ぷぴ、ぷぴぴ、ぷっぴ!』

『ぷう、ぷうぷうぷう、ぷうう!』

『くう、くうう、くうくう、くっうぅ!!』

「双子の言う通りだと? いますぐこれから色々考える? 大人は子供よりも色々考えるのが早いだろうと? お前達、こちらも先ほど言っただろう。奴は命令されているとはいえ、グレンヴィルを攫ったのだ。そして奴自身は奴隷契約されていなくとも、我々にとっては脅威となる。そんな者と手を組むなど」

 それからも色々言っているモコモコ達。

 だって、ここにいる人間も魔獣も、みんな怖くないよ。僕達に意地悪しないよ。うん、僕達のこと攻撃してこない。体も大きくなし僕達と変わらない。みんな小さいもんね。
 お父さんはみんな悪い人、危ない人って言ってるけど、全然そうじゃないよ。怖いこと1つもない。それに僕達一緒に遊ぶもんね。お父さん、グレンヴィルに何かされた? 悪いされた?

 アルフォンスもだよ。確かにお父さんしドラゴンは怖いし、僕達まだ全部は信用できないけど。でも逃げるなら、一緒の方が楽でしょう? 
 それに2匹の言った通り、争うことが嫌いなら、奴隷契約がなくなれば、もう襲ってこないはず。アルフォンス、もしかしたら本当に悪いシードラゴンじゃないかも。

 なんか俺以外のちびっ子が、ずいぶんしっかりしているなって。思わずモコモコ達を見入っちゃったよ。こんなにしっかりしているなんて。俺、どんどん置いていかれそうだ。

『それは……』

『そうかもしれんが……』

 あ~あ、大人2人組が黙っちゃったよ。
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