転生先は海のど真ん中!? もふ強魔獣とイケオジに育てられた幼女は、今日も無意識に無双する

ありぽん

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41話 家族証明書の完成と馬鹿の代表?

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「けりょえりょ、ぐれいしゅ、どちたの?」

『何かがここへ向かってくる』

『この感じ、ワイバーンでしょうかね。数は……50以上』

「本当か!?」

 ベルナードさんとヴァルトスさんが窓に近寄り、外の様子を見る。その間にアーセリオ様は使用人さんに何かを伝えて、アルガーノンさん、アルセインさん、ランドルフさん以外の使用人さんが、部屋から急いで出て行ったよ。

『まだ距離があるぞ。だが、このまま真っ直ぐくれば、確実にここへ到着する』

『スピードは大して早くありません。この気配。こちらへ向かってきているのは、ワイバーンだけではないですね。おそらく人間か他の種族も向かってきているはずです。人間は魔獣と違い気配が弱いので、はっきり分かりませんが』

「そうか、教えてくれて助かった」

「はぁ、今度はどこの連中だ? 最近ちょこちょことちょっかいをかけてきてるあいつらか?」

「そうかもな。ワイバーンだって言うしな」

「面倒くせぇなぁ。戦力でも、交渉の面でも、俺たちに敵わないのは分かってるだろうに」

「あいつは馬鹿で有名だからな、分からないんだろう。だが数だけは多いから厄介だ」

「まぁな」

「まったく面倒ですね」

 誰かが、そしてたくさんのワイバーンが、こっちに向かって来るかもしれないのに。面倒、面倒って、それで良いのか?

 なんて思っていると、ケロケロとグレイスが、ベルナードさんたちから話を聞いてくれたよ。

 どうやらこの街は、大きな街の中では、国境の1番近にある街らしく。時々盗賊や海賊から攻撃を受けるだけでなく、他国からの攻撃を受けることもあるらしい。

 しかも最近は、その国境の向こう側にある大きな街から、ちょっかいをかけられいつようで。ちょっかい……というより、かなりの頻度で偵察が送り込まれ、毎回のように問題を起こしていたって。どうやらその問題の街から、ワイバーンや人々は向かってきているらしい。

 なんでその街から来ていると分かるのか。それは、その街には、相当数のワイバーン部隊が駐留しているらしく。それでケロケロたちから、ワイバーンと聞き、最近の偵察のことも含めて考えた結果。敵はこの街から来たんだろう、と考えたみたい。

『なるほど、面倒な奴らだな』

『私たちの方も縄張りや、群れの中で揉めることはありますが。人間や他の種族は我々よりも争うことが好きですからね』

「別に好きではないんだがな。どちらかといえば何事もなく平和に暮らしたいと、俺は思ってるぞ」

「俺もだぜ」

「私もです。ですがどうにも、それを邪魔してくる者たちが多い」

「で、被害が出て、住民にその皺寄せがいく。住民を、国民のことを思うのなら、馬鹿なことはしないもんだがな」

「どうしても理解できない馬鹿がいるんだ。で、あそこのは馬鹿は、馬鹿の代表って感じだから」

 馬鹿の代表……。さっきから馬鹿馬鹿言ってるけど、そんなに酷いのか?

「だが、馬鹿だからといって、何もしないわけにはいかないからな」

「そうですね。あなた方が気づいてくれたおかげで、余裕を持って準備ができます。ですが、先にこれを片付けてしまいましょう」

 アーセリオ様はそう言うと、書類を作成し、サインをして判子を押した。そうそう、1番大切な家族証明書がまだだったもんね。

 その判子は後見印と呼ばれるもので、その名前の通り、アーセリオ様が後見人になった際に使う、専用の判子らしい。サインだけで後見印が押されていないと無効になってしまう。だからしっかりと、少しもズレたり滲んだりせず、しっかりと後見印を押したよ。

 そして……。

「これであなた方は、誰が何と言おうと私が認めた家族です。これからは陸でも楽しんでくださいね」

「ありあとごじゃましゅ!!」

 ついに私たちの家族証明書が出来上がり、私は関わってくれた人みんなにお礼を言ったよ。ケロケロたちもね。これで街でゆっくり過ごせるんだ。嬉しいなぁ。でも……。

「では兄上、私はこれで」

「ああ、俺もすぐに行く」

「ケロケロ、グレイス。このまま街でゆっくり過ごしてほしいと思っているのですが、どうもそうはいかないようです。私はこれから対策を講じねばなりません」

 だよね。これから敵が来るかもしれないんだもんね。

「もし争いに巻き込まれぬよう海に戻るのであれば、ぜひまたこの街にお越しください。ですが、このままこの街にとどまるのであれば、今から宿を取るのは難しいでしょうから、こちらに泊まっていってください。その際は、改めてお話をしましょう」

 そう言い、アーセリオ様は、アルガーノンさんとアルセインさんと共に、部屋を出て行ったよ。

 私は外を見る。さっきまで夕方だと思っていたら、もう暗くなっており、街の明かりがキラキラととても綺麗に輝いていた。

「さて、じゃあ俺も帰って準備をするか、何かあったら知らせてくれ」

「ああ、今日は助かった、ありがとな」

「こんな事くらい気にするな。嬢ちゃん、残るか帰るか分からんが、帰るのならアーセリオの言った通り、また今度ゆっくり遊びに来い。で、俺の所にもぜひ来てくれ。じゃあな!」

 慌てて、もう1度ヴァルトスさんにもお礼を言う。ヴァルトスさんはニッと笑うと、ランドルフさんと部屋から出て行ったよ。なんだろう、イケおじにイケお爺さんでしょう? この世界にはイケてる人がそこら中にいるのか?

「さて、冒険者カードも家族証明書もできたし、どうする? このまま帰るか?」

 私はケロケロとグレイスを見た。
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