異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん

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3話 見知らぬ天井、えっ、体ちっちゃ!? そして遭遇

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「う~ん……」

 なんか、とってもぐっすり寝た気がするけど……あれ? 目覚まし鳴ったっけ? っていうか目覚まし!? まずい! もしかして遅刻!?

 私はパッと目を開け、すぐにいつも使っている目覚まし時計を確かめようとする。だけど天井を見て違和感を覚え、目覚ましを確かめるのをやめ、そして目を擦り、もう一度よく天井を見てみたよ。

 ……いつも見ている、私の部屋の天井と違う? 明らかに色が違うし、うちの天井はコンクリートかプラスチック? だけど、今見えている天井は木でできている。

 何で? 私、どこで寝てるの? 確か昨日は久しぶりのお休みだったから、ワインバーへ行ったんだよね? ……もしかしてとても疲れていたところに飲み過ぎて、酔っ払ってわけが分からなくなって、知らない誰かの家で勝手に寝ちゃったとか!?

 そう考えたら、まだ眠くてボケっとしていた頭がハッキリとして、私は慌てて起きようとしたよ。だって、他人の家で勝手に寝ているかもしれないなんて、警察沙汰になったら……。

 もちろん誰かの家にいるなら、ちゃんと話はするし、その家の人に誠心誠意謝るけど。ようやく誰にも虐められず、誰の命令も聞かずに、自分だけの生活ができるようになったのに。これがなくなっちゃうかもしれないなんて……。そんなことになったらこの世の終わりだよ!!

 と、ガバッと掛け布団をめくろうとした時だった。急に胸元で、

『ぴぃ!』

 という、可愛い鳥の声が聞こえてきて。私は思わず手を止め、天井から胸元へ、そっと視線を動かしたよ。

 すると胸の上、すぐ目の前に、ピンク色の小さな可愛い小鳥が見えて。私と目が合うと片方の翼を広げ、もう1度、

『ぴぃっ!!』

 と元気よく鳴いたんだ。

「あなちゃ、だりぇ? ……ん?」

 誰かの家で勝手に寝ているんじゃと、かなり慌てていたけれど、小鳥の存在に一瞬でそれを忘れ。さらに今の自分で発した声と発音をおかしく思い、私はもう1度話してみる。

「なんか、こえがちがう? しょりぇに、はちゅおんが? んんん?」

 何で? かなり若い声に聞こえるし、全然いつもみたいに話せない。私はそっと喉を触る。そこでまた違和感が。そう言えば、さっき目を擦った時も、なんか違和感があったような……?

 私は自分の顔に、そっと手をかざす。すると……。

「ちっちゃい!? しゅべしゅべ、ぷくぷく!?」

 うん、思い切り叫んだよね。

 あり得なかった。仕事で私の手はかなり荒れていたのに、今見ている手は、幼児のように小さく、すべすべのぷくぷくで、とっても綺麗な手をしていたんだから。

「な、なんで!?」

 今度こそ掛け布団を外し、起き上がった私。その勢いで、胸に乗っていたピンクの可愛い小鳥が転がり、布団の上に落ちそうになった。だけどシュタッ!! と綺麗に着地すると、そのまま両翼を広げてポーズをとったよ。

 と、今は、可愛い小鳥の可愛い姿は置いておいて。私は急いで体を確認する。すると体はどうみても小さく、足も手と同じように、小さくすべすべのぷくぷくの足だったんだ。

 待って待って待って!? 一体どうなってるの!? 私が今いる場所は? 自分の体の確認を終えると、さっきは天井しか見ていなかったから、今度は部屋の確認をしたよ。
 そうしたら、やっぱり私の知っている部屋じゃないし。近くの窓から外を見れば、なぜか太陽が2つあるし!? 本当に、一体何が起きているの!?

 そんな慌てている時だった。ドアがノックされたかと思うと、すぐに誰かが入ってきたの。だから私は急いで立ち上がって、どこかに隠れようと思ったんだ。だけど寝ていたのはベッドで降りられず。とりあえず、掛け布団を頭からかけて隠れることにしたよ。

 ただでさえ、いろいろパニックっていたでしょう? だから最初は、誰かの家にいたなら謝ろうと思っていたんだけど、思わず隠れるっていう行動をしちゃったの。

「あっ、起きたんだね。良かった!!」

 私が隠れてすぐだった。そう声が聞こえたけど、私は何も言わず、掛け布団に隠れたままでいる。

「まだ起きてないと思って、急に入っちゃったから、驚かせちゃったよね。ごめんね。でも、ないもしないから安心して。……と言っても、小さいな子に、どこまで僕の話しが伝わるか。失敗したなぁ。いつ起きてもおかしくないと思って、入らないといけなかった」

「……」

「どうしよう。う~ん、このままそっと待ってる方が良いかな。それとも1度部屋から出て、落ち着くまで廊下で待つか……」

 それはとても優しい声だった。それに、話していることも私を責める言葉じゃない。自分の行動を反省していて、私のことを心配し、考えてくれている。

 私はそっと掛け布団の隙間から、声のした方を見てみたよ。ん? あれ? あれって耳だよね? それに、なんかしっぽが見えない? もっとよく見ようと、私はさらに掛け布団を上げる。するとそこには……。

 頭にたぬき? みたいな耳が付いていて、お尻のあたりに、たぬきっぽいもふもふのしっぽが見える。優しい表情をした人? が立っていたんだ。

 ううん、人じゃない。もしかして獣人? 何で目の前に獣人が? と、ここで、これまでの出来事がパァッ!! と頭の中に広がったんだ。

 ワインバーへ行き、その帰りに交通事故にあったこと。気づけば花畑にいて、神と呼ばれる人が私に土下座しており、その神のミスにより、私は死んでしまったと告げられたこと。そのお詫びとして、私の大好きな異世界へ転生させてもらえることになったこと。

 そして、いよいよ転生しようとした時、私は急に眠たくなって、それで……? 

 そうだった。思い出したよ。私は新しい世界に転生してきたんだ。ということは、ここは異世界? 

 でも確か、すぐに行動できるように、この世界の成人年齢で、街の近くの森の出入り口付近に転生するはずだったんじゃなかった? なのに、どうして私はベッドで寝ていたの?

 そろそろと、私は掛け布団から頭を出す。

 「あっ、出てきてくれた! えっと、そっとそっと、驚かさないように……。初めまして、僕はタヌーの獣人で、コンタンって言うんだ。よろしくね!」

 た、タヌー? 獣人? たぬきじゃなくて? って今はそれじゃなくて。やっぱりここは異世界で間違いない? 新たな事実に、また少し混乱する私。そんな私の頭の上に、あの可愛いピンクの小鳥が乗ってきて、元気よく嬉しそうに、

『ぴゅいぃぃぃ!!』

 と鳴いたんだ。



      ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ ◇◆ 



お読みいただきありがとうございます。
次回21時に更新します。
よろしくお願いします。
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