異世界初? のスーパー銭湯もとい『娯楽施設スケルトン』開業です!!

ありぽん

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8話 まさかのスカウトとその理由

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 まず、スカウトの話しを聞く前に、俺がどうしてそんな、莫大な魔力を持っているのか聞かれたため。俺は別に隠すことじゃないと、争いに巻き込まれ、攻撃を受けた衝撃で、もしかしたら魔力が増えたかもしれないことを話した。

 勿論、前世を思い出したことや、地球のこと、日本のことは話さなかった。もちろんそれが関連している可能性はあったけれど。そんな話しをしても、信じてもらえるか分からないし。もし信じてくれたとして、どう考えても面倒なことになりそうだったからだ。

 話しを聞いている時の魔王と勇者と大賢者の表情といったら、まぁ、興味深々という感じです。少しでも気になることがあれば、あれやこれや細く聞いてきたからな。
 もしもここで前世や日本のことを話していたら、全く話が進まなくなっただろうし、俺は離してもらえなくなるだろうからな。

 そうして俺の話しをした後は、魔王と勇者が俺に謝ってくれた。いくら馬鹿な奴らを吹き飛ばそうとしたからといって、俺達が住んでいた場所に被害を出した事を。そして俺を消しそうになった事を謝ってくれたんだ。

 ちなみの俺の住んでいた場所に、攻撃を弾き返したのは、勇者だったらしい。敵のいる方へ返そうとして逆に返したと。何してくれるんだと思いながらも、まぁ、魔力を得ることができたし、記憶も思い出したから、とりあえず何も言わずに謝罪を受け取った。

 そして俺の話しが終われば、どうして俺をスカウト、なんてことになったのかを聞くことに。

 ここは魔王と勇者、そして2人の仲間達が作った、どんな種族も差別なく、みんなが楽しく幸せに暮らせる街。最初は何もなかった森が、今では中心の大きな街以外にも街ができるほど発展を遂げて。今でもどんどん街は発展している最中だ。

 だけどそれをよく思わない奴らがいるだろう? ほら、俺が前世を思い出したのも。この街のことが気に入らない、魔王と勇者が気に入らない連中の攻撃が原因だったし。が、他にもまぁ、色々な思惑があって。

 どうにか悪魔と勇者を説得し、この街自体を手に入れようと、魔王と勇者の戦力を手に入れようとしている奴ら。

 魔王や魔物達を悪とみなし、自分が正義だと言わんばかりに、勇者に考えを改めさせ。完全にこの世界から、悪とされている魔王達を消し。自分達の世界を作ろうとしている奴ら。その逆に、勇者達を害とみなし、魔王の世界を作ろうと考えている奴ら。
 今だけ、とりあず魔王と勇者に取り入り、後から全てを支配しようと考えている奴ら。
 
 と、まぁ、こんな風に、森の外には沢山の敵がいて。説得とか取り入ろうとか、こういう奴らが攻撃してくるのは稀だが。敵対してい奴らは、いつでもこの森を攻撃してくる。

 もちろん魔王と勇者。そしてなぜか大賢者がここでマッサージ店を開いているんだ。他から攻撃されたところで、なんてことはないんだけど。

 それでもここに住んでいる、ここに滞在している人達の中で、力のある者達には。魔王や勇者達が不在の時に、攻撃を受けるかもしれないから。力の弱い者達や子供達を守ってもらいたいと、お願いをしていると。

 そしてここに住んでいる人達は、遊びに来ている人達は、ここが大好きな人ばかりだからな。みんな魔王や勇者の話しに納得し、この素晴らしい街を守るってくれてるって。人によっては、それぞれ守る場所の担当が決められているらしい。魔獣も精霊も妖精もみんなだ。

 それで、もしも俺がこの街を気に入って、これからここに住むならば。それか住まなくても長期滞在するのであれば。その間、俺の力も貸してほしいって。それのスカウトだったんだ。

 でも俺は魔力に目覚めたばかりで、基本的な初級魔法しか使えないのは、真実の目で確認済みだったから。
 もしもこの街を守ってくれるのなら、しっかりと魔法を教えようと考えていると。しかもその魔法の先生は、大賢者だって言うじゃないか。

 大賢者だぞ? 世界の国々がどんな事をしてでも、自分達の戦力として欲する、魔王と勇者に続く力の持ち主で、人々から絶大な信頼もあつく。弟子を志願する者が後をたたない。
 でもどんなことがあっても、弟子を取らないと聞いていた大賢者が、俺の魔法の先生に?

「勿論すぐに決めろなどと、そんなことは言わない。この街のためにとお願いしているのだから、よくこの街を知ってもらわなければ」

「お前、確か30日ここで過ごすって申請してただろ? その30日を過ぎて、もし次回もこの街に来てくれるなら。それで更にこの街を知った上で、俺達の話しを考えてくれれば良い」

「なにせ、この街は素晴らしい物ばかりじゃからの。そして素晴らしい人々ばかりじゃ。そんな素晴らしい物をよく知ってから考えてもらえれば……」

『住みます!! ここに住んで街を守ります!!』

 うん、即決だった。だってまさかみんなの憧れの大賢者に、魔法を習うことができるなんて。こんな素晴らしい事はないし、俺も魔法が上達するならばありがたかった。

 勿論それだけじゃない。まだこの時は数週間しか、この街に滞在していなかったけど。俺はこの街が大好きになっていたし。ここで暮らしている人々のことも、とても好きになっていた。

 この素晴らしい街で暮らせて、魔法も使えるようになって、この街のために俺の力を使えるなら。こんな良い話し、断る方が馬鹿だ。と思った俺はすぐに了解したんだ。
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