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18話 嬉しいけれど困った知らせ
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『それは本当ですか!?』
「確かなようじゃ。というかのう、本人が直接話しかけてきたらしい。それで近々ここへ遊びにくると。それが3日前での。朝連絡がきた」
『本人が?』
「そうじゃ。急に現れて、それだけ言い残し、すぐに消えたようじゃが」
『はぁ、ケシーさんが……』
「何が起こるか分からんが、いや、何も起こらないかもしれんが。いやいや、確実に起こるのか? 何にしても、何が起こるか分からず、どう対策をとるか、難しい問題じゃが。まずはとりあえず、心の準備をしておいた方が良かろう」
『情報ありがとうございます。はあぁぁぁ』
俺は大きなため息を吐いた。
「はははっ、お主も大変じゃな。その反応をするのも仕方がないが」
『何もしないで、ただ楽しんで帰ってもらえれば良いんですけどね。必ず何かやらかすんだから』
「責任者は大変じゃの」
『その大変な責任者に、無理やりしたのは誰ですか?』
「何のことかの?」
『はあぁぁぁ』
ケシーさんは遠くに住んでいるんだけど、施設を気に入ってくれて、時々遊びに来てくれる女性だ。優しくて、強くて、みんなに人気者で。彼女がこの施設へ来れば、彼女の周りに人だかりができるほどだ。俺もケシーさんのことは勿論好きだぞ。
ただ。ただ、だ。1つ、ケシーさんには問題が。それのせいで今の俺達の反応になるんだけど。
実はケシーさん、ここへ来る度に問題を起こすんだよ。何て言うのかな、ジェラルドさんと同じタイプっていうか。
俺はジェラルドさんに、何もしないでくれ、って注意していただろう? ケシーさんも同じで、必ず余計なことをして問題を起こすから。ジェラルドさんと同様、毎回注意しているんだよ。が、毎回注意しているのに、毎回問題を起こすのがケシーさんで。
前回は子供達にお願いされて、子ども達のために、魔法を披露してくれたケシーさん。子供達がとっても盛り上がる、素晴らしい魔法を見せてくれた。簡単にいうと動く魔法だな。
魔法で火花を散らし、その火花で魔獣や模様を作ると、それを別の魔法で動かす。動くはずのない模様が、空中を自由自在に動いたから、子供達はみんな大喜びだった。俺も凄い達思ったし。
と、ここまでは良かったんだけど。気をよくしたケシーさん。頼まれていない魔法まで披露して、ジュラルドさんみたいに、中庭を爆発させ。それを片付けようとしてまた魔法を使い、更に爆発させるっていう。ダブルで問題を起こした。
こんな風にやり過ぎるのと。自分の感じるままに行動するケシーさん。この自由に行動する事でも問題を起こして。
本当問題ばかり起こすんだよ。だから彼女の事は大好きなんだけど、今度はどんな問題を起こすのかハラハラなんだ。
『2人には』
「まだ伝えておらん。が、向こうにも連絡は来ているかもしれん。なにしろケシーだからな。いや、ジェラルドの方にはわざと、連絡をしていないかもしれんが」
『そうですね。』
『ケシーお姉さんくるのぉ?』
『ん? 何だ、もうご飯を食べたのか?』
まだ15分も経っていなかったが、リルがダイニングとして使っている部屋から、俺達の所へ来た。
『うん! ご飯美味しかったから、すぐに終わっちゃったぁ。ねぇ、スッケーパパ、他にも何か食べたい』
『ははっ、分かった分かった。後で何か作ってやるから』
「あの量をもう食べ終わったのか? 凄いのう。じゃが、食べることは大切じゃ。たくさん食べて、父のように立派に育つのじゃぞ」
『うん!! ねぇねぇ、ケシーお姉さん来る?』
……ケシーお姉さん。俺よりも確かかなり上……、いやいや何でもない。姿はお姉さんだしな。
『ああ、会ったって言う人がいて、ケシーさんはその人に、もうすぐここに遊びにくるって言ったみたいだ』
『本当? わぁい!! いっぱい遊んでもらうんだ!!』
リルもケシーさんに遊んでもらうのが、大好きだからな。だけど、うん。この部屋で遊ぶのだけはやめてもらおう。
俺と師匠の話しを聞いてから、ご飯を作って貰うまで、遊んで待つことにしたらしいリル。貰ったスノーベアーの巨大ぬいぐるみを咥えて、ふかふかカーペットの方へ移動すると。ぬいぐるみに色々な姿勢をさせて遊び始めた。
「それでじゃが、ケシーの方はどうするかの?」
リルが落ち着くと、そう聞いてきた師匠。
『一応ノーマン達に連絡しておきます。それでケシーさんが来たら、絶対にジェラルドさんを近づけるなって言っておかないと。後は従業員にも注意をさせて。危険な場所にはなるべく近づけさせないようにします。今できることは、とりあえずそれくらいですかね』
「そうじゃのぅ、何が起こるか分からんのが、どうにものう」
思わぬ問題ばかり起こすケシーさんの、対処方法なんてないからな。ジェラルドさんの場合は仲間が止めてくれる分、ケシーさんよりもやらかしが少ないかか? いや、同じなのか。どちらにしろ対処法がないから、警戒することしかできない。はぁ、どうしたものか。
『アマディアスさんにも連絡しますが。今日は子供達と一緒なので。朝イチで連絡します』
「アマディアスは、また嫌な顔をするじゃろうな。自分の家を破壊された事があるからな」
『うちには絶対に上げません』
「ふっ、それが得策じゃろう」
壊されてたまるか。
「確かなようじゃ。というかのう、本人が直接話しかけてきたらしい。それで近々ここへ遊びにくると。それが3日前での。朝連絡がきた」
『本人が?』
「そうじゃ。急に現れて、それだけ言い残し、すぐに消えたようじゃが」
『はぁ、ケシーさんが……』
「何が起こるか分からんが、いや、何も起こらないかもしれんが。いやいや、確実に起こるのか? 何にしても、何が起こるか分からず、どう対策をとるか、難しい問題じゃが。まずはとりあえず、心の準備をしておいた方が良かろう」
『情報ありがとうございます。はあぁぁぁ』
俺は大きなため息を吐いた。
「はははっ、お主も大変じゃな。その反応をするのも仕方がないが」
『何もしないで、ただ楽しんで帰ってもらえれば良いんですけどね。必ず何かやらかすんだから』
「責任者は大変じゃの」
『その大変な責任者に、無理やりしたのは誰ですか?』
「何のことかの?」
『はあぁぁぁ』
ケシーさんは遠くに住んでいるんだけど、施設を気に入ってくれて、時々遊びに来てくれる女性だ。優しくて、強くて、みんなに人気者で。彼女がこの施設へ来れば、彼女の周りに人だかりができるほどだ。俺もケシーさんのことは勿論好きだぞ。
ただ。ただ、だ。1つ、ケシーさんには問題が。それのせいで今の俺達の反応になるんだけど。
実はケシーさん、ここへ来る度に問題を起こすんだよ。何て言うのかな、ジェラルドさんと同じタイプっていうか。
俺はジェラルドさんに、何もしないでくれ、って注意していただろう? ケシーさんも同じで、必ず余計なことをして問題を起こすから。ジェラルドさんと同様、毎回注意しているんだよ。が、毎回注意しているのに、毎回問題を起こすのがケシーさんで。
前回は子供達にお願いされて、子ども達のために、魔法を披露してくれたケシーさん。子供達がとっても盛り上がる、素晴らしい魔法を見せてくれた。簡単にいうと動く魔法だな。
魔法で火花を散らし、その火花で魔獣や模様を作ると、それを別の魔法で動かす。動くはずのない模様が、空中を自由自在に動いたから、子供達はみんな大喜びだった。俺も凄い達思ったし。
と、ここまでは良かったんだけど。気をよくしたケシーさん。頼まれていない魔法まで披露して、ジュラルドさんみたいに、中庭を爆発させ。それを片付けようとしてまた魔法を使い、更に爆発させるっていう。ダブルで問題を起こした。
こんな風にやり過ぎるのと。自分の感じるままに行動するケシーさん。この自由に行動する事でも問題を起こして。
本当問題ばかり起こすんだよ。だから彼女の事は大好きなんだけど、今度はどんな問題を起こすのかハラハラなんだ。
『2人には』
「まだ伝えておらん。が、向こうにも連絡は来ているかもしれん。なにしろケシーだからな。いや、ジェラルドの方にはわざと、連絡をしていないかもしれんが」
『そうですね。』
『ケシーお姉さんくるのぉ?』
『ん? 何だ、もうご飯を食べたのか?』
まだ15分も経っていなかったが、リルがダイニングとして使っている部屋から、俺達の所へ来た。
『うん! ご飯美味しかったから、すぐに終わっちゃったぁ。ねぇ、スッケーパパ、他にも何か食べたい』
『ははっ、分かった分かった。後で何か作ってやるから』
「あの量をもう食べ終わったのか? 凄いのう。じゃが、食べることは大切じゃ。たくさん食べて、父のように立派に育つのじゃぞ」
『うん!! ねぇねぇ、ケシーお姉さん来る?』
……ケシーお姉さん。俺よりも確かかなり上……、いやいや何でもない。姿はお姉さんだしな。
『ああ、会ったって言う人がいて、ケシーさんはその人に、もうすぐここに遊びにくるって言ったみたいだ』
『本当? わぁい!! いっぱい遊んでもらうんだ!!』
リルもケシーさんに遊んでもらうのが、大好きだからな。だけど、うん。この部屋で遊ぶのだけはやめてもらおう。
俺と師匠の話しを聞いてから、ご飯を作って貰うまで、遊んで待つことにしたらしいリル。貰ったスノーベアーの巨大ぬいぐるみを咥えて、ふかふかカーペットの方へ移動すると。ぬいぐるみに色々な姿勢をさせて遊び始めた。
「それでじゃが、ケシーの方はどうするかの?」
リルが落ち着くと、そう聞いてきた師匠。
『一応ノーマン達に連絡しておきます。それでケシーさんが来たら、絶対にジェラルドさんを近づけるなって言っておかないと。後は従業員にも注意をさせて。危険な場所にはなるべく近づけさせないようにします。今できることは、とりあえずそれくらいですかね』
「そうじゃのぅ、何が起こるか分からんのが、どうにものう」
思わぬ問題ばかり起こすケシーさんの、対処方法なんてないからな。ジェラルドさんの場合は仲間が止めてくれる分、ケシーさんよりもやらかしが少ないかか? いや、同じなのか。どちらにしろ対処法がないから、警戒することしかできない。はぁ、どうしたものか。
『アマディアスさんにも連絡しますが。今日は子供達と一緒なので。朝イチで連絡します』
「アマディアスは、また嫌な顔をするじゃろうな。自分の家を破壊された事があるからな」
『うちには絶対に上げません』
「ふっ、それが得策じゃろう」
壊されてたまるか。
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