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26話 慌ただしいバーベキュー、みんなの串の刺し方
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『さて、次はこれにするか』
『僕もやって良い?』
『ボクも』
『良いけど、自分を刺さないようにな?』
俺の作業を見ていたリルと友達魔獣達。自分達も食材に、串を刺したいと言ってきたから、やらせてあげることに。
ただ、人型や俺みたいに、しっかり食材も串をもてるわけじゃないから。間違って自分を刺さないように、痛い思いをしないように、気をつけて見ておかないといけない。
……なんて心配していた俺の気持ちよ。最初は辿々しく、串をなんとか持とうとしたり、食材を持とうとしたり。串に刺さりやすいように、柔らかい食材を選んだり、同じ串のはずなのに、こっちの方が尖っていると、串を選び直したり。
だが、これじゃあダメだと、まず地面に串を刺してから、食材を刺したらどうかって。それで何とか地面に串を刺して、立たせることに成功したんだけど。食材のを持とうとしているうちに串が倒れ。なんとか食材を掴めても、やっぱりその間に串が倒れ。
持つ事にこだわらずに、咥えれば良いと思うんだけどな。そのうちしょんぼりしたり、イライラしてきてしまったみんな。
それで俺は、みんなから食材と串を戻してもらい、魚が焼けるのを楽しみに待ってもらおうと、声をかけようとしたんだ。そうしたら。
『もう面倒だから投げちゃえ!』
1匹の子が食材を後ろ足の所に置き、地面に串を刺すとすぐに、思い切り食材を後ろ足で蹴り上げて。そのまま落ちてきた食材は、見事串に刺さった。それを見ていたみんなが真似をして、次々と成功していき。最終的に全員が、l串に食材を刺すことに成功したよ。
『こっちの方が楽だよねぇ』
『手で真似して刺すより、最初からこれにすれば良かったよ』
『時々薔薇に、獲物刺すもんね』
『スッケーパパも、手でやるより、これの方が早いよ』
そうですね、君達は野生の魔獣でしたね。街がある森には、棘がかなり大きく鋭いイバラの木があって。よく獲物を狩るときに使ったり、狩った獲物を一時的に置いておくのに、イバラに刺して置いておいたりと。刺す動作には慣れているんだ。
その感覚で食材を串に刺したらしい。なんか心配してちょっと損した気分だ。だけどまぁ、本当に怪我されてもな。わざわざ怪我をすることもないし。
こうしてみんなが一緒に刺してくれたおかげで、串に食材を刺す作業はすぐに終了。そして、その作業がちょうど終わった頃、みんなの獲った魚が焼き上がった。
『うん、良い感じかな。今お皿に乗せるから待っててくれ』
みんな俺が並べたお皿の前に、しっかりと座って待ってくれる。俺は串を外して、順番に魚をお皿に乗せていって。味を付けるか聞くと、魚はそのままで良いと。せっかく自分で獲った魚だから、そのままの味を味わいたいらしい。
『よし、みんなのお皿にしっかり乗ってるな。みんな自分の魚に間違いないか?』
『『『うん!!』』』
『よし! じゃあ食べて良いぞ!』
『『『いただきます!!』』』
……うん。5秒もかからなかった。次の食材を焼いておこうと、後ろのテーブルに置いてあった、素材が乗っているトレイを手に取り、みんなの方を見れば。
『あ~、美味しかった』
『パサパサしてなかったね』
『そういう美味しいお魚のことを、脂が乗っていて美味しいって言うって、ママが言ってたよ』
『ふ~ん、そう言うんだ。みんな美味しかった?』
『うん!』
『私のも美味しかった!』
『じゃあみんな、脂が乗ってて美味しいお魚さんだったんだね』
小さい子達が、脂が乗ってて美味しい魚って言葉を使うのはなぁ。魚屋の店主とか、買い物に来た大人のお客さんに言うならあれだけど。2、3歳の子達が言うと、ちょっとした違和感が。みんな大人の真似をしたいんだなぁと、笑いそうになってしまった。
が、今はそれどころじゃなく。みんな子供だとはいえ、魔獣だってことを忘れていた。そうりゃあ、小さい魚だ。あの口で魚を食べれば、よっぽどちまちま食べない限り、5秒かからずに食べ終わるだろう。これは急いで次を焼いてやらないと。
1つの焚き火じゃ足りないと、1グループ2つまでなら焚き火を利用できるから、急いでもう1つの焚き火にも火をつけて、次々に食材が刺さっている串を刺していく。ついでに片方は、俺が外側から火魔法でさらに焼いてやり、時間を短縮することに。
まぁ、忙しかった。だけど何とかそんなに間を空けず、みんなに食材を焼いてあげられたよ。みんなも時々、片方の焚き火を見張っててくれたしな。
そして自分達で獲った魚以外のメイン料理へ。勿論クラーケン焼きだ。今日の食材の中で1番大きな食材は、切ってあってもクラーケンだからかなり大きく。それだけでニコニコだったみんな。
焼く時になったら、自分達の魚が焼けるのを待っている時も、凄いニコニコしていたけれど。大きなクラクラーケンの時も、魚同様さらにニコニコになり、周りに集まって待って、焼けるのを待っていた。
そして綺麗に焼きあがれば、さすがに1口では食べられず、3口ほどで食べていたよ。
『う~ん、美味しい』
『このコリコリしてるような、プルプルしてるような、この感じが良いよね』
『弾力があるのも良いよね』
『歯ごたえがあり、海の塩加減と甘味が合わさって、何も付けなくても、そのままの素材の味を楽しめます』
誰だ? 食レポみたいな事を言ってるのは? お前達、さっきも言ったけどまだ4歳の子供だろう。
『僕もやって良い?』
『ボクも』
『良いけど、自分を刺さないようにな?』
俺の作業を見ていたリルと友達魔獣達。自分達も食材に、串を刺したいと言ってきたから、やらせてあげることに。
ただ、人型や俺みたいに、しっかり食材も串をもてるわけじゃないから。間違って自分を刺さないように、痛い思いをしないように、気をつけて見ておかないといけない。
……なんて心配していた俺の気持ちよ。最初は辿々しく、串をなんとか持とうとしたり、食材を持とうとしたり。串に刺さりやすいように、柔らかい食材を選んだり、同じ串のはずなのに、こっちの方が尖っていると、串を選び直したり。
だが、これじゃあダメだと、まず地面に串を刺してから、食材を刺したらどうかって。それで何とか地面に串を刺して、立たせることに成功したんだけど。食材のを持とうとしているうちに串が倒れ。なんとか食材を掴めても、やっぱりその間に串が倒れ。
持つ事にこだわらずに、咥えれば良いと思うんだけどな。そのうちしょんぼりしたり、イライラしてきてしまったみんな。
それで俺は、みんなから食材と串を戻してもらい、魚が焼けるのを楽しみに待ってもらおうと、声をかけようとしたんだ。そうしたら。
『もう面倒だから投げちゃえ!』
1匹の子が食材を後ろ足の所に置き、地面に串を刺すとすぐに、思い切り食材を後ろ足で蹴り上げて。そのまま落ちてきた食材は、見事串に刺さった。それを見ていたみんなが真似をして、次々と成功していき。最終的に全員が、l串に食材を刺すことに成功したよ。
『こっちの方が楽だよねぇ』
『手で真似して刺すより、最初からこれにすれば良かったよ』
『時々薔薇に、獲物刺すもんね』
『スッケーパパも、手でやるより、これの方が早いよ』
そうですね、君達は野生の魔獣でしたね。街がある森には、棘がかなり大きく鋭いイバラの木があって。よく獲物を狩るときに使ったり、狩った獲物を一時的に置いておくのに、イバラに刺して置いておいたりと。刺す動作には慣れているんだ。
その感覚で食材を串に刺したらしい。なんか心配してちょっと損した気分だ。だけどまぁ、本当に怪我されてもな。わざわざ怪我をすることもないし。
こうしてみんなが一緒に刺してくれたおかげで、串に食材を刺す作業はすぐに終了。そして、その作業がちょうど終わった頃、みんなの獲った魚が焼き上がった。
『うん、良い感じかな。今お皿に乗せるから待っててくれ』
みんな俺が並べたお皿の前に、しっかりと座って待ってくれる。俺は串を外して、順番に魚をお皿に乗せていって。味を付けるか聞くと、魚はそのままで良いと。せっかく自分で獲った魚だから、そのままの味を味わいたいらしい。
『よし、みんなのお皿にしっかり乗ってるな。みんな自分の魚に間違いないか?』
『『『うん!!』』』
『よし! じゃあ食べて良いぞ!』
『『『いただきます!!』』』
……うん。5秒もかからなかった。次の食材を焼いておこうと、後ろのテーブルに置いてあった、素材が乗っているトレイを手に取り、みんなの方を見れば。
『あ~、美味しかった』
『パサパサしてなかったね』
『そういう美味しいお魚のことを、脂が乗っていて美味しいって言うって、ママが言ってたよ』
『ふ~ん、そう言うんだ。みんな美味しかった?』
『うん!』
『私のも美味しかった!』
『じゃあみんな、脂が乗ってて美味しいお魚さんだったんだね』
小さい子達が、脂が乗ってて美味しい魚って言葉を使うのはなぁ。魚屋の店主とか、買い物に来た大人のお客さんに言うならあれだけど。2、3歳の子達が言うと、ちょっとした違和感が。みんな大人の真似をしたいんだなぁと、笑いそうになってしまった。
が、今はそれどころじゃなく。みんな子供だとはいえ、魔獣だってことを忘れていた。そうりゃあ、小さい魚だ。あの口で魚を食べれば、よっぽどちまちま食べない限り、5秒かからずに食べ終わるだろう。これは急いで次を焼いてやらないと。
1つの焚き火じゃ足りないと、1グループ2つまでなら焚き火を利用できるから、急いでもう1つの焚き火にも火をつけて、次々に食材が刺さっている串を刺していく。ついでに片方は、俺が外側から火魔法でさらに焼いてやり、時間を短縮することに。
まぁ、忙しかった。だけど何とかそんなに間を空けず、みんなに食材を焼いてあげられたよ。みんなも時々、片方の焚き火を見張っててくれたしな。
そして自分達で獲った魚以外のメイン料理へ。勿論クラーケン焼きだ。今日の食材の中で1番大きな食材は、切ってあってもクラーケンだからかなり大きく。それだけでニコニコだったみんな。
焼く時になったら、自分達の魚が焼けるのを待っている時も、凄いニコニコしていたけれど。大きなクラクラーケンの時も、魚同様さらにニコニコになり、周りに集まって待って、焼けるのを待っていた。
そして綺麗に焼きあがれば、さすがに1口では食べられず、3口ほどで食べていたよ。
『う~ん、美味しい』
『このコリコリしてるような、プルプルしてるような、この感じが良いよね』
『弾力があるのも良いよね』
『歯ごたえがあり、海の塩加減と甘味が合わさって、何も付けなくても、そのままの素材の味を楽しめます』
誰だ? 食レポみたいな事を言ってるのは? お前達、さっきも言ったけどまだ4歳の子供だろう。
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