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40話 絵を描いてもらう準備、小道具は揃ってます
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『リルに絵~♪』
『ボク達のだよ』
『絵~♪ 絵~♪』
『……もういい。ボクはどれにしようかな? カッコいい帽子はあるかな?』
あれから店舗とグラスリザード達の家の建築の確認をして、自分達の仕事に戻った俺。間取りが決まって、安全上の確認も終われば。俺にできることは少ないからな。
後は大工さん達とグランヴィル達、他の関係者の人達に任せて、俺は自分のマッサージの仕事に戻った。
そうして約束通り、仕事が終わってからやって来たグランヴィル。両手に大きな袋を何個も持ってきていて。その姿にアクアとリルが何々? と遊びを中断してすぐに集まってくると、袋の中を覗き込み。
袋の中には俺が頼んだものが入っていたんだけど。急だったのに大きな袋何個分も、よく集められたなと感心してしまった。お店の人に感謝しないと。
袋の中身をじっくり見る前に、まずは絵のことを説明する俺。前に1度、お客さんがお礼にと、アクアとリルを描いてくれたことがあったんだけど。その絵がとてもお気に入りだったアクアとリル。また描いてもらえると聞いて、かなりの喜びようだった。
そしてすぐに描いて描いてと、グランヴィルにひっついたんだけど。ここで袋の中身の説明をする事に。
袋の中身を全部床に出せば、帽子や髪飾り、バンダナやスカーフや洋服、いろいろなファッションに関する物と、それからちょっとした小物が、バサバサと出てきた。
『スッケーパパ、これな~に?』
『洋服がいっぱい。これはアクアサイズの帽子』
『この中から好きな洋服を選んで、絵を描いてもらうんだよ。別に何も着なくても良いけど、もしも気に入った物があれば、それを着て描いてもらおう。洋服以外にも、剣や盾、いろいろな置き物もあるぞ』
そう、俺がグランヴィルに頼んだものは。絵を描いてもらう時に使う小道具だった。今言ったようの、普段通りの姿を描いてもらうのも良いけど。
ほら日本でも良くあるだろう? 写真を撮る時に、好きな格好や小物を選んで、それで写真を撮ってもらうやつ。それの絵バージョンをやってみようかと思って。
ここは異世界だからなのか、いろいろな物が揃ってるんだよ。洋服関係も、手のひらサイズの妖精サイズから、大きな大きな2階建の大きな魔獣が着るような洋服まで。この前遊びに来てくれていたアスピドケロンは、麦わら帽子風の帽子をかぶって来ていたしな。
だから用意するのは案外簡単で、別に特別なことはしなくて良い。そして簡単ってことは、もしこの『着替えと小物で絵を』が流行らなくても、すぐに片付けられるってことで。こういった物を扱うお店の人に確認をしたら、使わなかったら戻してくれれば良いと言ってもらえた。
もちろん洋服を借りるのに、レンタル料を払うことにしているぞ。ただで借りなんて事はしない。
そして今、アクアとリル達は、自分で着たい洋服や使いたい小物を選んでいるところだ。リルは絵を描いてもらえるのが嬉しすぎて、洋服の方は適当に選んでいる気がしないでもないけど。
アクアはそんなリルに最初注意していたが、もう良いやと自分のものを選び始めた。カッコいい帽子を被りたいらしい。
『あ、リルの好きな骨!!』
リルが山積みになっている洋服の中に顔を突っ込む。骨? 何の事かと思いながら、引っ張ってくるのを待っていると。それは骨の絵と、犬系の肉球がたくさん描いてあるバンダナだった。
『あっ!! ワタワタの帽子だ!!』
ワタワタの帽子? また引っ張ってくるリル。確かにワタワタみたいにモコモコふわふわしているけど……。
『スッケーパパ! ちゃんとワタワタの棒もついてる! リルね、この骨のやつとワタワタお帽子が良い!!』
モコモコふわふわの色は薄いピンク色で、リルに言われた場所を見れば、確かにワタワタの棒の部分が、布でちゃんと作られていた。それに棒の部分には、お祭り提灯の小さなストラップも付いていたよ。
……誰だ、こんなふざけた帽子を作ったのは。いや、リルみたいに喜ぶ人がいたから作ったのか? よくワタワタの帽子なんて作ったな。まぁ、リルが気に入っているなら良いけど。全体的に可愛いで揃えたな。
『可愛いな。骨も良い感じじゃないか』
『うん!!』
と、リルと話していると。
『スッケーパパ! ボクこれがいい!!』
アクアがいろいろと、俺の所へ運んできた。
『この帽子と、剣と、ネックレス。後は足元にも小さいネックレスを付けてみる!』
アクアが選んだものは全てアクアサイズで。帽子は海賊帽子みたいなもので、キラキラする物がたくさん付いていた。それから剣も、鞘がとってもキラキラしていて。
ネックレスは赤い石が真ん中についていて、チェーン部分は金色。足につけると言っていたネックレスは、妖精達用のネックレスだけれど。アクアが足につけるとアンクレットみたいになる。こちらも他と同様かなりキラキラしていた。
嬉しそうに1匹で、上手にネックレスを首にかけるアクア。その後も自分で帽子をかぶり、足にネックレスをつけ。最後に足で剣を蹴り飛ばすと、その後落ちて来た剣を上手い具合に翼で支えた。
うん、アクアの方は、格好いで揃っているな。ただキラキラな物ばかりで、成金って感じも……。いやいや、うん、格好良いし、本人が気に入っているんだから良いんだ。やっぱり自分が気に入っている格好じゃないと。
なんとか絵を描いてもらう格好が決まったアクアとリル。俺は絵を描くグランヴィルに選んでもらって、師匠が来ているようなローブを着ることに。こうして俺達の、絵を描いてもらう準備が整った。
『ボク達のだよ』
『絵~♪ 絵~♪』
『……もういい。ボクはどれにしようかな? カッコいい帽子はあるかな?』
あれから店舗とグラスリザード達の家の建築の確認をして、自分達の仕事に戻った俺。間取りが決まって、安全上の確認も終われば。俺にできることは少ないからな。
後は大工さん達とグランヴィル達、他の関係者の人達に任せて、俺は自分のマッサージの仕事に戻った。
そうして約束通り、仕事が終わってからやって来たグランヴィル。両手に大きな袋を何個も持ってきていて。その姿にアクアとリルが何々? と遊びを中断してすぐに集まってくると、袋の中を覗き込み。
袋の中には俺が頼んだものが入っていたんだけど。急だったのに大きな袋何個分も、よく集められたなと感心してしまった。お店の人に感謝しないと。
袋の中身をじっくり見る前に、まずは絵のことを説明する俺。前に1度、お客さんがお礼にと、アクアとリルを描いてくれたことがあったんだけど。その絵がとてもお気に入りだったアクアとリル。また描いてもらえると聞いて、かなりの喜びようだった。
そしてすぐに描いて描いてと、グランヴィルにひっついたんだけど。ここで袋の中身の説明をする事に。
袋の中身を全部床に出せば、帽子や髪飾り、バンダナやスカーフや洋服、いろいろなファッションに関する物と、それからちょっとした小物が、バサバサと出てきた。
『スッケーパパ、これな~に?』
『洋服がいっぱい。これはアクアサイズの帽子』
『この中から好きな洋服を選んで、絵を描いてもらうんだよ。別に何も着なくても良いけど、もしも気に入った物があれば、それを着て描いてもらおう。洋服以外にも、剣や盾、いろいろな置き物もあるぞ』
そう、俺がグランヴィルに頼んだものは。絵を描いてもらう時に使う小道具だった。今言ったようの、普段通りの姿を描いてもらうのも良いけど。
ほら日本でも良くあるだろう? 写真を撮る時に、好きな格好や小物を選んで、それで写真を撮ってもらうやつ。それの絵バージョンをやってみようかと思って。
ここは異世界だからなのか、いろいろな物が揃ってるんだよ。洋服関係も、手のひらサイズの妖精サイズから、大きな大きな2階建の大きな魔獣が着るような洋服まで。この前遊びに来てくれていたアスピドケロンは、麦わら帽子風の帽子をかぶって来ていたしな。
だから用意するのは案外簡単で、別に特別なことはしなくて良い。そして簡単ってことは、もしこの『着替えと小物で絵を』が流行らなくても、すぐに片付けられるってことで。こういった物を扱うお店の人に確認をしたら、使わなかったら戻してくれれば良いと言ってもらえた。
もちろん洋服を借りるのに、レンタル料を払うことにしているぞ。ただで借りなんて事はしない。
そして今、アクアとリル達は、自分で着たい洋服や使いたい小物を選んでいるところだ。リルは絵を描いてもらえるのが嬉しすぎて、洋服の方は適当に選んでいる気がしないでもないけど。
アクアはそんなリルに最初注意していたが、もう良いやと自分のものを選び始めた。カッコいい帽子を被りたいらしい。
『あ、リルの好きな骨!!』
リルが山積みになっている洋服の中に顔を突っ込む。骨? 何の事かと思いながら、引っ張ってくるのを待っていると。それは骨の絵と、犬系の肉球がたくさん描いてあるバンダナだった。
『あっ!! ワタワタの帽子だ!!』
ワタワタの帽子? また引っ張ってくるリル。確かにワタワタみたいにモコモコふわふわしているけど……。
『スッケーパパ! ちゃんとワタワタの棒もついてる! リルね、この骨のやつとワタワタお帽子が良い!!』
モコモコふわふわの色は薄いピンク色で、リルに言われた場所を見れば、確かにワタワタの棒の部分が、布でちゃんと作られていた。それに棒の部分には、お祭り提灯の小さなストラップも付いていたよ。
……誰だ、こんなふざけた帽子を作ったのは。いや、リルみたいに喜ぶ人がいたから作ったのか? よくワタワタの帽子なんて作ったな。まぁ、リルが気に入っているなら良いけど。全体的に可愛いで揃えたな。
『可愛いな。骨も良い感じじゃないか』
『うん!!』
と、リルと話していると。
『スッケーパパ! ボクこれがいい!!』
アクアがいろいろと、俺の所へ運んできた。
『この帽子と、剣と、ネックレス。後は足元にも小さいネックレスを付けてみる!』
アクアが選んだものは全てアクアサイズで。帽子は海賊帽子みたいなもので、キラキラする物がたくさん付いていた。それから剣も、鞘がとってもキラキラしていて。
ネックレスは赤い石が真ん中についていて、チェーン部分は金色。足につけると言っていたネックレスは、妖精達用のネックレスだけれど。アクアが足につけるとアンクレットみたいになる。こちらも他と同様かなりキラキラしていた。
嬉しそうに1匹で、上手にネックレスを首にかけるアクア。その後も自分で帽子をかぶり、足にネックレスをつけ。最後に足で剣を蹴り飛ばすと、その後落ちて来た剣を上手い具合に翼で支えた。
うん、アクアの方は、格好いで揃っているな。ただキラキラな物ばかりで、成金って感じも……。いやいや、うん、格好良いし、本人が気に入っているんだから良いんだ。やっぱり自分が気に入っている格好じゃないと。
なんとか絵を描いてもらう格好が決まったアクアとリル。俺は絵を描くグランヴィルに選んでもらって、師匠が来ているようなローブを着ることに。こうして俺達の、絵を描いてもらう準備が整った。
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